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福祉政治史
著者 田中 拓道
20世紀の先進国に現れた福祉国家は21世紀に生き残れるのか。福祉国家の何が持続し、何が変化しているのか。欧米(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)と日本の...
福祉政治史
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福祉政治史 格差に抗するデモクラシー
商品説明
20世紀の先進国に現れた福祉国家は21世紀に生き残れるのか。福祉国家の何が持続し、何が変化しているのか。欧米(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)と日本の福祉国家の形成・変容過程を、約100年にわたるタイムスパンのなかに位置づけ、歴史学や政治学だけでなく比較政治経済学の知見も組み合わせて考察し、将来像を展望する。
目次
- まえがき
- 序章 福祉国家をどうとらえるか
- 1 日本の現状
- 2 先進国の現状
- 3 本書の目的
- 4 福祉国家の理論
- 5 本書の流れ
- 第I部 戦後レジームの形成と分岐
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紙の本
現在の福祉政策を歴史に照らし合わせることができる
2021/02/21 14:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のみならず、英米やドイツ、フランス、スウェーデンがたどってきた福祉や社会保障にかかわる政策がすごくよくまとめられています。
また、いわゆる”福祉国家”と呼ばれる国々で制度化されてきた福祉政策がどのような再編や変質を遂げたかを分析フレームをつかって考察しています。
たとえば、ピアソンの「経路依存」という概念は、新たな制度が誕生するとそれによってその制度の新たな受益層がうまれ、それが次の変革への拒否権プレーヤーとなることを指摘したものです。
また、所得格差の大きな国ほど再分配が大きくなり、所得格差の小さな国ほど再分配は小さくなるというメルツァー・リチャードモデルが紹介されている。しかし、現実にはそうでない国があります(例えばアメリカは所得格差が大きいですが、再分配は小さい。スウェーデンは所得格差が小さいのに再分配は大きい)。その理由を、著者はエスピンアンデルセンの福祉レジーム論と経路依存をつかって解き明かします。
福祉がいかに「政治」と「経済」に密接に結びついているかがよくわかる良書です。