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文体 語り口が話の内容とよく一致
2021/05/14 11:22
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の冒頭部から怪しい雰囲気を醸し出し、一話一話徐々に緊張を高めてゆく巧みな構成に感心した。各話の最後に書かれている手書き文字の感想文も実に効果的である。ミステリーとしてのうまさ 巧みさもなかなかのものだ。文体 語り口が話の内容とよく一致しているところがとても良いと感じた。さすが「珈琲店タレーラン」の作者だけのことはあると感じた。
紙の本
最後で全てわかる
2022/06/23 22:34
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編を一緒に読む感覚が新鮮。
また、各短編がさまざまな愛をモチーフに語られ、飽きさせない。
そして、最後に全てがあきらかになる。
これらの構成は見事だと思った。
タレーランもおもしろいけど、こちらの方が深みがある。
一冊で複層的に楽しめた。
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駅のホームで突然謎の老紳士から、1日1話短編を読んで感想を書くだけで1字10円で総額143万支払う仕事を持ちかけられる。訝しがり断ろうとする美織だったが、押し切られる仕事を引き受ける…
ほんわかする話だったり、後味悪い話だったり色々なパターンのショートショートの詰め合わせで中々楽しかったです。
美織へ頼んだ本当の意味とミスターコントの正体が解った時、とても切ないけれどやっと前へ進めて良かったです。
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てっきりホラーかイヤミスだと思ってたら全然違った。
愛の形って人それぞれだ。
美織は謎の人物が書いた短編を1日1話読むという仕事を引き受ける。
報酬は1字あたり10円、全て読み終えると総額143万円になる。
この怪しい仕事の真意を知る前と後では、各話の印象も変わる。
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人生に絶望した主人公・美織が、見知らぬ老紳士から「3週間、毎日短編小説を読んで感想を書く仕事」を任される物語。
1週目は、いろいろな種類の物語。毎話ごとに主人公の感想が短く綴られていて、私もその通りの感想を抱きながら読み進めた。
2週目は、なんだかちょっと胸糞悪い結末の物語ばかり。この仕事をさせる目的は何だろうと訝しる。
そして3週目。幸せな物語が多く、そして主人公の感想にはある1文が毎回綴られるようになる。
最後、仕事を任せた老紳士の正体と、その目的を知らされる。
この世界にはたくさんの「愛の形」がある。
たったひとつの愛なんてない。
短編集なのでさくさく読み進められた。
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最初は物語の中に物語を入れなくてもと思っていました。
感想は毎回の話の最後に書かれているものそのものですね。連呼する部分以外ですが。
最後まで読んでくると作者の壮大な物語が分かります。
途中の物語はひどいと思うものもありましたが、人と人にはいろいろな関係性があるというのを理解するにはこの手法が良いのでしょうね。
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初読みの作家さん。タイトル通り、ある女性に読ませるために書かれた17の短篇(もう1篇は種明かしなので別枠)と、彼女の一言感想が添えられている。初出は取次発行のPR誌で、それを1冊にまとめるに当たって設定を追加したのではと推測する。1篇は400字詰め原稿用紙20枚の短さなのでどうしても意外な結末を求めてしまうが、完成度は今ひとつと感じた。それも計算づくだというならすごいが。
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一日一話ずつ届けられる物語を、莫大な報酬ととともに引き受けた美織。何の変哲もないように思われるそれらの物語だけれど、届けられるものがそのうちに変容していくさまが不気味でもあり。これにはいったいどのような目的があるのか。個々の物語もショートショートとして楽しめ、すべてが繋がったあとの物語としても読めるミステリ。
美織の置かれた状況と彼女が何をしようとしていたのか、という部分は早くに分かりましたが。まさか物語の目的がそういうことだったとは。あまりに過酷に思える二週目にも意味があったのか(かなり危うくはあるけれど)。報酬の意味もやたらとロマンチックです。
でも個人的には、醜い愛の物語の方が好きだったりします。「十二月の出来事」とか「名優」とか「マリッジブルー」とか、ブラックでいいなあ。
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18話の話のプロローグ。
身も知らない人から、高収入の仕事を頼まれる赤塚美織が、主人公である。
しかし、現実にもし、このような仕事を言われ、近くの喫茶店で、仕事を受け入れる事が、簡単に出来るのだろうか?
今の若い人が、オレオレ詐欺の仲間になったりするのもこのような安易な気持ちからなのだろうか?と、少し不安な気持ちになりながら、本を読み始めた。
3週間で、毎日 読むで、感想を書くだけで、報酬は143万円。
少し中途半端な数字である。
これも意味があるのか?と・・・
「引きこもり」この感想に書かれた通りでした。
「インタビュー」幼友達だけの共通な話題が、大人になっても出来る事は、いいな~。
「遺伝子検査」子供の遺伝子が、異なる事に気付いた夫は、妻の不倫をかんがえるのだが、・・・・子供は、妻との遺伝子とも違っていたのだ。病院での取り違えに気付くには・・・・本当の子供が見つかってからの方が、大変であろうと、思ってしまった。
「無記名ラブレター」中学生の淡い恋の出来事かな。
「催眠」騙し騙されても、恋人同士。
「緑」ユウジのような最低の男もいるのだと・・・天罰が、くだされる事を願う。
「十二月の出来事」レールを枕にして横になるのは、どうしても感心出来ない。
「闇の中」悪趣味被害が、女性であるが、もっと早くに気が付くべき。
「名優」義理の兄の本心が、醜い。
「依存症」夫に依存しているかと思われる女性は、本当は、単身者であることに・・・
「友達の輪」人のうわさが、次から次へと学校の中で、広まっていく怖さ。
そして、それも、学校の掲示板の書き込みで広まるえげつない内容の嘘。
「マリッジブルー」一番の被害者である婚約者が、一番最低男だった。
「いじめロボット」
「外出自粛恋人」
「ぼくの夏休み」
「金婚式の夜」
「愛を買う人」
ここまでくると、颯太という名前が、沢山出て来るようになる。
18話目が、颯太から自殺しようとして助けた美織への手紙であることが、わかる。
1日1わ読む仕事の依頼者は、病に冒された颯太であった。
143万円の意味も・・・
中頃話は、気分悪くなるような犯罪者になる手前位の登場人物が、描かれていたけど、・・・・
どんどん読み進めた。
美織は、この受け取ったお金をどう使うのか?と、思いながら、18話目の恋をする可能性へ導いているのだが、最後は、少し納得できないような話であった。
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一日一話の短い話を読んで感想を書くだけで143万もの報酬が得られる…
そんな不気味とさえ思える依頼を、婚約者に去られて、まさに今から自殺しようとした状態で老紳士から持ちかけられ、半ば自棄になって引き受けた美織。
読み進めていくうちに、感想が「颯太に会いたい」の繰り返しになっていくのが苦しかった。
ラストのお話で語られる、この仕事の依頼の理由、143万という金額の意味。
再び死へと傾いていた美織の気持ちが少し前を向いたような変化を感じられてよかった。
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駅のホームで老紳士に毎日1話ずつ小説を読んで感想を書く仕事を破格の報酬で持ちかけられ、最後にその仕事の意味がわかるストーリーです。
それぞれの小説は連作ではなく、様々な種類の独立した話です。
2週目にあたる部分はかなりツライ話が多く、この物語の主人公と同じ感想を持ちました。
何となく小説の作者も目的もわかる感じではありましたが、最後の種明かしではわかっていても泣いてしまいました。やられたなぁ。
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何故、見知らぬ老紳士に頼まれ、短編小説を読むことになったのか。「拝啓 貴方様」で明らかになる。一篇毎に美織の感想が記されていたが、最後の週は「颯太に会いたい」の羅列で少々恐怖を感じた。
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早世した恋人が残された人に残した18作品、という構成。単なる岡崎作品短編集かと思いましたが、そうではなかった。しかもその構成の秘密はラストまでいかないとわからないつくりになっており、なるほど、と思わせてくれました。
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短編集を主人公に贈るという、長編の中に短編がたくさん入った感じの小説。
短編の中には、温かくなるものもあり、不快感を感じさせるようなものもあり(そういう意向らしい)。
タレーランシリーズが好きなので手に取ったのだけど、あまり入りこめなかったかな。
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突然見知らぬ老紳士に声を掛けられた主人公。
物語を読んで感想を送る事により報酬を得る不思議な仕事を受ける。
それは18による短編。
様々な表情のあるストーリーに心揺られ、最後にこの不思議な仕事の意味を知る。
各短編構成なので読み易く。それぞれ心掴まされる内容でした。
そしてラスト。こういう事だったのかと感銘を受けました。
いい作品でした。