- 販売開始日: 2017/07/03
- 出版社: 東海大学出版部
- ISBN:978-4-486-01846-9
フィールドの生物学7 テングザル
著者 松田一希
シリーズ第七弾は、ボルネオ島の固有種で、オスにだけ天狗のような長く大きな鼻をもつユーモラスなサルにスポットをあて、川沿いの樹上で生活し、川を泳いで渡るとい特異な行動に秘め...
フィールドの生物学7 テングザル
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商品説明
シリーズ第七弾は、ボルネオ島の固有種で、オスにだけ天狗のような長く大きな鼻をもつユーモラスなサルにスポットをあて、川沿いの樹上で生活し、川を泳いで渡るとい特異な行動に秘められたテングザルのしたたかな適応戦略のカラクリを紹介する。
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テングザルについて掘り下げてほしかった ━「反芻するサル」に特化した内容で次回作を期待したい━
2021/10/25 19:15
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投稿者:いそぽっど - この投稿者のレビュー一覧を見る
【理解可能レベル】
誰でも
【オススメする人】
動物は好きだけど、研究とか科学には抵抗がある人
※大学レベル以上の内容を求める人にはオススメしない
情熱大陸に出演した著者。放送直後はAmazonなどでこの本が品切れになったことを私は記憶している。内容は研究者としての半生を綴ったエッセイ。読みどころはバイタリティ溢れるフィールドワーク。マレーシアの調査地での人間関係やトラブルなども楽しい。
一方で専門書としては物足りない。観察していて「誰も知らなかったサルの行動が観察できた!」という場面はあった。しかしそこから発展しない。
「だから何?」となる。動物学あるいは霊長類学の大きな潮流の中で、どんな位置づけでどんな意義のある研究かが見えてこない。
統計や解析の類は全く出て来ない。研究も「こんな行動が観察できた」という事実報告に留まっている。
観察や実験を積み重ねてデータを集め、解析によって見ただけではわからない自然の素晴らしさを解き明かすのが科学の魅力。専門書はそれをアマチュアにも教えてくれる。だから私はサイエンティストの著作を買うのだ。単なるエッセイを買うつもりはない。
唯一面白かったのは、テングザルが反芻をするという行動。本書では1つのコラムに留まっていたが、ここには1冊の本にできるほどのテーマがあるのではないか?
なぜテングザルを研究対象とするのか、その意義も明確になる。偶蹄類以外で反芻する動物は他に知られていないだろうからだ。収斂進化を通した偶蹄類との比較研究もできそうだ。哺乳類の進化全体にも関わるテーマになりそうと感じた。
植物食動物に未知の生態があるとすれば、森林保全の方法も見直さなければならないだろう。熱帯林の保全の面からも意義があるのではないか。