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『ジェリーフィッシュは凍らない』に続く、期待を裏切らないシリーズ第二作
2020/10/18 12:11
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年の話題作『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二作。
自然界には存在しないとされる、青い薔薇をめぐるミステリーです。
遺伝子操作によって生み出された青い薔薇と、自然に誕生した青い薔薇。両者の作成者について、捜査をするマリアと漣を尻目に、惨劇の幕が切って降ろされます。
鍵と薔薇のツタによって二重に閉ざされた密室の謎解きは、スマートかつ巧緻。本格ミステリーファンの期待を裏切らないできばえの傑作です。
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デビュー作は上手く纏まってはいたものの、とあるトリックの使い方に難があったが、今作は作者の仕掛けが完璧に機能しており、完全に騙された。
ミステリ読者なら容易に想像がつくであろう仕掛けを中盤でぬけぬけと明かし、真相はそこから更にもう一歩踏み込んだところにある。このミスリードに気を取られていると、作者の仕掛けるもう1つの罠にどっぷりと嵌ることとなり、事件の構図を容易に見破ることは不可能となる。
首切りの理由、密室の必然性共に破綻はなく、物語としても完成度の高い本格ミステリー。
今年読んだ新刊の中では頭一つ抜けている傑作。
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不可能と言われた青い薔薇が二ヶ所でほぼ同時期に咲き、それぞれが正当性を主張していた。一方は牧師が教会で偶然に咲かせ、もう一方はとある研究室で研究の末咲いた薔薇だった。争いが始まりそうだったその時、研究室側の博士が無残な死体となって温室にて発見され……。
ジェリーフィッシュに続くシリーズ2作目。今回も切れ味のある叙述トリック。事件のトリック自体は回りくどく、そこまで手をかける必要があるのか?という感じでいまいちだったけど全体的な構成は良かった。回想パートの方の気味の悪さ、悲しさ、恐怖が迫ってくる感じがとても良かった。当人たちにとっては自明のことなのに、読者がトリックだと勝手に思い込める情報の出し方が上手いなと思う。ただ相変わらず刑事コンビ、それもマリアの魅力が分からない。切れ者にしたいのかとんちんかんにしたいのか、どういう意図でこういうキャラなのかよく分かんないんだよなあ。あとそもそもの犯人の動機がふわっとしすぎてて、最後にのこのこ現れるほど薔薇に執着しているように思えなかったのでラストがいまいちに思えた。
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11月-12。3.5点。
「ジェリーフィッシュは凍らない」に続く、
刑事が同じ本作。ありえないと思われた、青いバラ。
大学教授と、牧師がほぼ同時に発表。
しかし、大学教授は殺害される。
大学教授の家から、同じ事件の日記が、日付と
人物名が違い、発見される。
面白い。トリックはありふれたものだが、筆力と、
青いバラにまつわる、科学的な根拠のうまさが合致。
次作も期待。
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この刑事コンビがツボ。どこかの高飛車お嬢様&S執事とは一味違って、こちらのレディは無自覚に有能である。また見られてよかった。次作も出てくるらしいから本当に楽しみ!
今回も謎は魅力的だったんだけど、私の理解力が低いせいか真相がそれほど面白く感じられず……。あと母親の強い愛情を感じられるシーンがあったらもっとよかったな、あれでは彼女が寂しすぎる。
明記がなかったけどこの青バラの開花時期ってどれぐらいなんだろう。年中咲いてるように感じたけど実際は品種によってバラバラだよねバラなだけに。
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デビュー作「ジェリーフィッシュは凍らない」の続編。現在の捜査と手記が交互に描かれる構成は前作と同じですが、文章がこなれて読み易くなっていますし、定番のネタを最後まで隠す巧さもあります。蔦で覆われた密室、蔦ならではのトリックはオリジナリティーがあって面白いです。マリア、漣などお馴染みのキャラクター造形も濃くなっており、前作「ジェリーフィッシュは凍らない」より上質なミステリーになっていると思います。
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作者の2作目。前作も傑作だが、全てにおいてこちらが上回る。
屍人荘では特殊設定を生かしたトリックに驚かさせれたが、こちらは王道トリックの組み合わせで、本格ミステリの高みへと押し上げている。ホワイダニットにおいても、屍人荘に劣らぬ傑作である。
密室トリックの必要性、青い薔薇への執着、物語の根幹、アリバイ崩し、どれをみても納得の完成度。優等生な本格ミステリ。
繋がらない事実の必然性には、作者の力量でしかなし得ない大掛かりなギミックが炸裂している。しかも伏線の貼り方がまた素晴らしい。気付くところと見逃すバランスが絶妙なのである。
コンビのキャラクター性がまだまだ物足りない。短編でも2人がみたい。今後も楽しみなシリーズ。
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不可能と言われている青い薔薇を、ほぼ同時に作出したロビン・クリーヴランド牧師とフランキー・テニエル博士。
この事件の引き金となった最初の殺人事件の動機がちょっと弱いのかなぁと思ったけど、ミステリーとしてとても楽しめた。背景にあるものは、せつなく悲しいものだったけど。
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ブルーローズがどれほど貴重なのものか犯人はすぐわかったのかな⁇すごく感傷的ないいまわしの多いみすてりーだからそこは好き嫌い分かれると思うけど、私は好きだな
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幻とされる青いバラを巡るミステリ。遺伝子工学により生み出された青バラ「深海」と、偶然に生まれたという青バラ「天界」。二つのバラを巡って起こる殺人事件と、そして謎の手記に記された「怪物」が引き起こす恐ろしい事件。二つの事件は一見繋がりを持っているようにも見えるのだけれど、そもそも手記の事件は実際の事件なのか、という部分も含めて謎がたっぷり。あまりに奇怪な密室もとても魅力的です。
前作に引き続き登場するマリアと漣のコンビも楽しくって。ぐいぐい読み進めました。そして真相……わー、すっきりしっかり騙されてたっ。そういうことだったのか……! しかしなんとも恐ろしく哀しい事件なのですが。いつかこういうバラができる日は来るのかな。
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2017/12/13 読了。
図書館から。
面白かった。
ジョンがいい駒キャラになってるよ笑
どこにでも軍、絡んでくるな。
バロウズも出てくるとは。
登場人物に愛着持てて楽しい。
次も楽しみです。
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シリーズ2作目。前作と同じように記録と現在が平行して描かれ、徐々にリンクしていく。構成が一緒なのでまさか落ちまで一緒ではと危惧していたが、その通りだとは、、、。そこがかなり残念。文体は読みやすいし、登場人物もなかなかと思うのだが、、、。動機も前回とおんなじ感じだし。実験体72号は結局?犯人がその名称を知っていた?などつっこうみどころもかなりある。博士の性別のトリックもフェアじゃない。次作は違う展開を期待。
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前作「ジェリーフィッシュは凍らない」の舞台を引き継いだミステリ作品。前作に登場した刑事二人やジェリーフィッシュなど所々で前作とのつながりを見られる。個人的には刑事のキャラクタを含めて好きなのだが、本作では殺人の動機につながるものが希薄だったり、運の良さにひっぱられたりなど、ストーリー展開に少し疑問を持った。最終的には、日本人好みの心情に訴える結末となり、読後の満足度は及第点ではある。もっと分かりやすいトリックであれば、事件解決後のスッキリ感が増したと思う。
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ジェリーフィッシュのシリーズとのことでしたが、一応捜査官が一緒なのかな?
ジェリーフィッシュを読んだ時には、うわぁ、Xファイルと思いましたけれど、今回はなかなかきっちり本格してたかと。
仕掛けは途中で漠然と分かったけれど、今回は素直に面白いなぁと思いました。
テーマは嫌いじゃないんだけれどなんか、今市★4までではない感じなんですよね。
もう一歩何かが変わるとめっちゃ面白いになりそうなんだけれどなぁ……。
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デビュー作の時も感じたが、どうもこの著者の文章は私には読み難い。海外ミステリの読み難さに似ている。U国とかJ国とかの表現が、頭にすんなり入ってこないんだよね。良く考えられたトリックの本格ミステリには違いないが、えらく時間がかかって読み終えた。単に相性が悪いんだろうなあ。