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商品説明
最高裁判所が自らのマイナス情報を公開したことはない。しかし司法制度改革審議会の審議が始まろうとする今日、国民が裁判所や裁判官の実態を知ることは重要。裁判官任官者となった弁護士の目で、その印象等を綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田川 和幸
- 略歴
- 〈田川和幸〉1934年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。化学工業会社勤務の後、弁護士となる。93年、判事に任官。99年定年により退官、弁護士に復帰する。
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紙の本
法壇から見た弁護士に対する激烈な批判
2000/11/21 15:16
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投稿者:『月刊司法改革』 - この投稿者のレビュー一覧を見る
法曹一元になれば裁判はどう変わるのだろうか。弁護士などの当事者経験が大事というけれど、件数をこなしている裁判官とそんなに違うのだろうか。そんな疑問をもっている人に是非この本を読んでほしい。
筆者の田川元判事は、30年を超える弁護士生活ののち判事になった人。まさに弁護士任官、法曹一元の理想形を体現した方であり、最近の裁判所内部での体験をふまえた発言は、司法改革論議のなかで千金の重みがある。
「癒し」ばやりのなか、良寛さんブームである。中坊公平氏が本書オビの推薦文で田川さんを良寛に擬しておられるように、田川さんは自ら希望して赴任された司法過疎地の一人支部で、法廷や和解室を地域住民の癒しの場とするべく、実にさまざまな創意工夫をされている。その発想自体、当事者と事件を通じて心通わせ弁護士任官者ならではのものである。
キャリア裁判官の実像・病理についても鋭い指摘が多いが、本書の白眉は、法壇から見た弁護士に対する激烈な批判であろう。裁判官の努力のうえにあぐらをかいて、おざなりな仕事で報酬を稼ぐ「おまかせ主義」弁護士の多さ、自己改革の必要性について認識や危惧感の乏しさに対する怒りが紙背から立ちのぼる。
良寛さまの柔和な顔の奥に秘められた怒りと悲しみを多くの弁護士が知るべきである。(C)現代人文社