ＤＨＣスラップ訴訟 スラップされた弁護士の反撃そして全面勝利

投稿元：

レビューを見る

スラップ訴訟の主たる目的は、被告の言論を萎縮させようとする意図をもって行われ、訴訟が敗訴に終わっても、訴訟の提起自体で目的を達したことになる、といわれている。この不当性はいうまでもないが、一般的に、訴訟の提起自体が違法ではない。裁判を受ける権利の行使だからである。
しかし、スラップ訴訟は、批判的言論を躊躇させるという意味で、表現の自由に対する弊害も大きい。
本書において、DHCからのスラップ訴訟で被告となった澤藤弁護士は、「表現の自由の保障とは、一定の限度で他人の名誉を毀損しても必要な批判をなし得るというものでなければならない」とする。そうしないと、「民主主義的な言論空間は成り立たず、およそ意味のある言論は成立し得ない」からである。一般論として、こう言い切ることには批判もあろうが、DHCおよび吉田嘉明氏との関係では、著者の発言には説得力がある。

投稿元：

レビューを見る

大変貴重な記録とスラップ訴訟（この名称は再建党の要ありと思うが）の有害性・危険性更にその背景にある金で何でも思う通りにしようという悪徳な事業家及びそれに寄生する輩の醜悪さを世に出してくれた著者の勇気に敬意を表したい。
また弁護士である著者とは異なる第三者の視点から解説を入れた構成も適当で、この手の不当訴訟のテキストとしても使用できる高いレベルと分かりやすさを兼ねたものとして推奨したい。