私たちは暗黒宇宙から生まれた ＡＬＭＡが解き明かす宇宙の全貌

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投稿者：未来自由　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　宇宙の始まりから今日未解明の問題を、わかり易く、将来の夢さえ語る楽しい書である。
　ＡＬＭＡってご存知だろうか。私も本書を手にするまで知らなかった言葉である。

　ＡＬＭＡとは、２００２年から建設が始まっており、２０１１年に完成予定の地上最高の電波望遠鏡のこと。このＡＬＭＡは、これまでの望遠鏡の性能を飛躍的に向上させる。このＡＬＭＡが完成することによって、現在測定することのできない電波を観測することができる。という夢の観測装置である。

　本書は、このＡＬＭＡへの期待を述べることを目的としているが、構成そのものは現段階での宇宙をわかり易く解き明かす書である。
　ビックバン説から、太陽系の形成、生命の誕生など、私たちの存在そのもの、また他惑星に生物は存在するのかなど、１３７億年の宇宙の歴史と未来を夢をもって描いている。

　これまでにも何冊か宇宙の始まりから生命の誕生に関する本を読んだが、これほどわかり易く書かれた本はなかった。本来ならば物理や化学の知識がなければ難しいと思われる分野であり、実際多くの本は物理や化学の記述を用いながら、宇宙を解明している。
　ニュートンの万有引力の法則はわかっても、アインシュタインの相対性理論などがでてくると難しくて、とっつきにくい内容のものが多い。

　本書は、そんな化学式や法則式をほとんど用いることなく、中学教科書ぐらいの知識があれば、十分に理解できる内容になっている。
　これはすごいことだと思う。専門の知識がなくても宇宙や生命誕生を知りたいという人は多いと思う。それに応えている。

　本書の目的が、ＡＬＭＡという夢のある計画を示すことにあるため、こうした構成が可能になったのだろう。
　それだけではない。本当に２０１１年の完成が待ち遠しくなってしまう。夢のある計画だということが、よくわかるのだ。
　少しでも興味のある人は読むことお薦めだ。今から２０１１年を心待ちにしてしまう。