「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/07/10
- 出版社: ポプラ社
- サイズ:20cm/323p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-591-16339-9
読割 50
紙の本
女優の娘
著者 吉川トリコ (著)
アイドルグループ「YO!YO!ファーム」の斉藤いとに届いた、突然の母親の訃報。現役アイドルの実母が伝説のポルノ女優だった、というニュースは瞬く間に広がり、いとは一躍時の人...
女優の娘
女優の娘
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
アイドルグループ「YO!YO!ファーム」の斉藤いとに届いた、突然の母親の訃報。現役アイドルの実母が伝説のポルノ女優だった、というニュースは瞬く間に広がり、いとは一躍時の人になり−。『asta*』掲載に加筆修正。【「TRC MARC」の商品解説】
泣かないで。こんなことぐらいであなたの価値は下がらない。
アイドルグループ「YO!YO!ファーム」の一期生・斉藤いとに届いた、突然の母親の訃報。現役アイドルの母親が一世を風靡したポルノ女優・赤井霧子だった、というニュースは瞬く間に広がり、いとは一躍時の人になる。そんな中、著名な映画監督から、霧子の半生を追うドキュメンタリー映画の案内人に指名されてーー。
「マリー・アントワネットの日記」シリーズで全女性の共感をさらった著者が、世界の不条理とたたかうすべての人に贈る、真摯な希望の物語。
◆吉川トリコ
1977年静岡県生まれ、名古屋在住。2004年、「ねむりひめ」で女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞を受賞。著書に、映画化された『グッ
モーエビアン!』ほか、『しゃぼん』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『光の庭』『少女病』「マリー・アントワネットの日記」シリーズなどがある。【商品解説】
著者紹介
吉川トリコ
- 略歴
- 〈吉川トリコ〉1977年静岡県生まれ。「ねむりひめ」で女による女のためのR−18文学賞大賞・読者賞を受賞。他の著書に「グッモーエビアン!」「しゃぼん」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「消費」される女性のその後
2019/07/26 23:11
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
元アイドルの人口は、ちょっと前までは数百人と言われていましたが、今や万単位だそう。
ご存知の通り、主人公のいとのように活動期限は短い。
そうすると、その後就職したとしてもずっと白い目で見られて、
職場で息苦しい思いをしている人が今まさにいる。
男性からも女性からも白い目を向けられて孤立してゆく存在。
それがたった数年後のアイドルの実態だ。
私はこのタイトルに、往年の女優的な第一印象を持ったのだが、
ああ、そっちでしたか、という方向だった。
この作家さんがデビューしたきっかけにある「女による女のためのR-18文学賞」。
ここ出身の作家さんは私は侮りがたい文筆家が多いと思っている。
「花宵道中」でこの賞の存在を知って、何と素晴しい作家と出会えたことか!と感動したのは今でもよく覚えている。
つまり、男性のファンタジーなんて耳かきの先程も一冊の中に入っちゃいないのだ。
そこがいい。
女性という不安定で、ずっと男性に型付けされてきた歴史を持つ性と
真っ正面から向き合えたものだけが書ける文学なのだ。
著者自身も「性産業に携わる女性への偏見が自分の中にあったと自覚」と語るぐらい、
設定がギリギリなところをいっている。
いい大人の男たちがいかにカンタンに、愚かしい犯罪行為に走る日常が描かれているし、
いとの考え方に若い読者はきっと共感する部分があるだろう。
なぜ見られたり触られたり、「興味の対象」「欲望のはけ口」としての女なんだろう。
なぜ、この身一つ、自由にならないのだろう。
なぜ、「最後は体で稼げるんだから女は得だ」と男に蔑まれなければいけないのだろう。
(これは実際に私が言われたこと。
深刻な女性蔑視で、謝罪が必要なレベルなことを男性諸君には覚えておいてほしい。)
なぜ、女であることはいつも危険と隣り合わせなのだろう。
誰も教えてはくれなかった。 一緒に考えてももらえなかった。 …孤独な性だ。
ポルノもアイドルもそういう社会的な問題ともつながりが深いものだと思う。
(私個人の見解では、ポルノ女優もアイドルも似た存在に思える。
ファン層や存在目的などに共通項が多いので。どっちも男が望む「女」を演じている。)
読んで何か得たわーというのではなく、女性性と向き合う準備ができたら、でもいいと思う。