「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:小学生
- 発売日:2008/09/22
- 出版社: 解放出版社
- サイズ:27cm/36p
- 利用対象:小学生
- ISBN:978-4-7592-2243-2
紙の本
ひらがなにっき (エルくらぶ)
著者 若一の絵本制作実行委員会 (文),長野 ヒデ子 (絵)
学校に行っていないために文字が読めなかった吉田一子さんは、60歳を越えてから「富田林識字学級」で文字を学び始めました。吉田さんの識字作品を元に、日々の生活を絵日記風に描き...
ひらがなにっき (エルくらぶ)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
学校に行っていないために文字が読めなかった吉田一子さんは、60歳を越えてから「富田林識字学級」で文字を学び始めました。吉田さんの識字作品を元に、日々の生活を絵日記風に描きます。【「TRC MARC」の商品解説】
「きょうはわたしのたんじょうびです。66さいになりました」と始まる日記は、学校に行けずに苦労したおばあちゃんの日常がいっぱいです。苦労をものともせず元気にユーモラスに生きる、文字を獲得する喜びにあふれた絵本。【商品解説】
著者紹介
若一の絵本制作実行委員会
- 略歴
- 〈長野ヒデ子〉1941年愛媛県生まれ。絵本やエッセイ、紙芝居など幅広い創作活動を続ける。日本の絵本賞・文部大臣奨励賞、けんぶち絵本の里びばからす賞、日本絵本賞などを受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
字を知ることの喜びに満ちている。「だいじな かわいい じ」。本当に!
2009/01/19 23:02
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
この絵本のモデルになった吉田一子さんは、1925年(大正14年)生まれ。2歳のときに母親を亡くし、よそにもらわれていき、7つのときから、子守をさせられていたので、学校には通えなかった。だから、読み書きができない。
そんな一子さんが、字を勉強しようと思ったのは、孫の司くんの一言だったと言う。子どもの頃に字を習えなかった人が、大人になって字を学び、書いたものを発表する「識字展」。その識字展を見に行った司くんは、一子さんに、「ぼく、なみだがでてん」と伝えたのだ。
それを聞いて、一子さんは、自分も字を勉強しようと思う。すでに、60歳を過ぎていたが、一子さんは、字を学び、日記をつづる。その日記をもとにして創られた絵本なのだ。
字を読めない、書けないということがどういうことなのか。いや、読み書きができるということが、どんなに自分を広げ、深めるのか。たどたどしくはあるが、一生懸命書かれた日記を読んで、つくづく思う。
町に出かけても、メニューが読めなくて帰ったこと。自分で名前も書けなくて、銀行でお金を引き出せなかったことなど、くやしくてつらかった思いが書かれている。でも、その気持ちを書いて、人に伝えることができたのは、字を覚えたからこそ。「私の思い」「私自身」というのは、字や言葉の獲得があってこそなのだ。
日々の何気ない暮らしが淡々と綴られているのだが、3月17日の日記には、こうある。
「きょう でんしゃにのりました。えきでらくがきをみました。
びっくりして はらたって なみだがでました。」
そして、絵本は、こう続けられている。
「なにかんがえてるんやろね
だいじな かわいい じ つこて ひとのわるぐち かいて」
「ばちあたりまっせ」
字を知ることの喜びに満ちた一子さんのこの絵本から、あらためて、字は、「だいじな かわいい じ」なのだと、あぁ、その通りだと感じさせられた。
やわらかい大阪弁と、長野ヒデ子さんのイラストが、優しくいい雰囲気を出している。