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商品説明
「メタフィクション」というジャンルから系統発生的に枝分かれしてきた、読者に読むという能動的行為を要求するプログラム=「パラフィクション」について考察する。『SFマガジン』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――
メタフィクションの臨界点を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。
「フィクション」の「虚構性」を意識的に描き出そうとする、「メタフィクション」は、ゼロ年代に入り、ゲームとアニメ、インターネットの進化と連動しながら、あらゆるジャンルで著しい勃興を遂げた。しかし、世に氾濫する過剰な「メタ」は、或る重大な問題をはらんでいたのである。すなわち、フィクションが複雑化・階層化されるにつれ、物語の外部で操作する「作者」の絶対性は強化される、というパラドックスである。
ところがゼロ年代後半から、「メタ」の限界を乗り越えるべく構想された作品群が登場しはじめる。それらのテクストには、「読者」に「読む」という能動的行為を要求するプログラムが内包されていた。
本書では、そのプログラムを「近傍の/両側の/以外の/準じる/寄生する」という意味をもつ「パラ」を冠するフィクションとして名づけ、提言する。「読者」つまり「あなた」が読むたびに新たに生成されるフィクション、それが「パラフィクション」である。【商品解説】
目次
- プロローグ
- パラフィクションとは何か?
- 「道化師の蝶」の選評をめぐって
- メタフィクションの「問題」
- メタリアル・フィクション再考
- 第1部 メタフィクションを超えて?
- 1 「メタフィクション」とは何か?
- メタフィクションの定義いろいろ
- 自意識のフィクションと、その外部
著者紹介
佐々木 敦
- 略歴
- 〈佐々木敦〉1964年名古屋市生まれ。批評家。早稲田大学文学学術院教授。音楽レーベルHEADZ主宰。音楽、文学、映画、演劇などの批評活動を行う。著書に「未知との遭遇」「「4分33秒」論」など。
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