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商品説明
アフリカのタンザニア、セレンゲティ国立公園の周辺の村では、ゾウの群れが村を襲い、村びとたちは命の危険にさらされている。動物を保護しながら人びとの暮らしを守るにはどうすればいいのかを考える。【「TRC MARC」の商品解説】
あたりが暗くなるとゾウが村にやってきます。
メシャキくんのお父さんは、作物を守るために、たき火を焚いて、毛布にくるまりながら、見張りをします。
メシャキくんは、ゾウの足音がきこえると、お父さんがゾウに襲われてけがをしないか、殺されてしまわないか心配で眠ることができません。【商品解説】
目次
- 第1章 大草原・子どもたちの村がゾウに襲われる
- 第2章 草原の村を追い出された人びと
- 第3章 密猟者の村といわれたが…… 伝説の象牙と生きているイコマ民族
- 第4章 村びとが大草原から追い出され「野生の王国」が誕生したわけ
- 第5章 「自然保護」によって土地を奪われる先住民たち
- 第6章 動物を保護しながら、人びとの暮らしを守るには?
- 第7章 ゾウとの共存をめざす村びとたち
- 第8章 わたしたちにできること
著者紹介
岩井 雪乃
- 略歴
- 〈岩井雪乃〉神奈川県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科単位取得退学。博士(人間・環境学)。早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター准教授。特定非営利活動法人アフリック・アフリカ理事。
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紙の本
中高生に読んでほしい、「自然保護」を住民の視点から見た本
2017/07/16 06:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は中高生(小学校高学年からいけるかも?)向けに書かれた、優しく語りかけるような本でした。自然保護と住民の生活について書かれた本で、このように易しく分かりやすく書かれた本は今までなかったのではないかと思います。
「自然保護」は確かに大事だし、野生に生きている動物を見るのはとても楽しいし感動するけれども、「自然保護」の名のもとに自分たちの生活や伝統をことごとく否定された人たちもいて、「自然保護」の名を借りた弱い者いじめや暴力が世界各地で起きてきたことを説明してくれています。これらを読むと、「自然保護」を錦の御旗にしたことで多くの人権侵害が起きていることに気づかなくなる、見えなくなってしまうことの恐ろしさが感じられます。
筆者はタンザニアのセレンゲティ国立公園という、世界的に有名な野生動物保護区に隣接する村に滞在し、どういうことが起きているのかを村の住民の視点で見てきました。それは華やかなサファリの裏側での住民の苦悩であり、たくましさでもあります。そこには、筆者の住民への敬意が感じられ、それがこの本全体に流れているので、途中で重苦しいテーマのお話があっても読み続けられました。また、最後には住民の生活と自然保護を両立するような取組みも紹介してくれており、前向きな気持ちにもなれました。日本の野生動物と人々との生活の現状についても実体験を踏まえて触れており、身近な問題でもあることを示唆してくれています。
私の小6の子どももこの本を読み始めましたし、自然が大好きな小3の子どもも興味津々です。この本は彼らの世界を広げてくれそうです。