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オーディオ道入門 (寺子屋ブックス)
著者 青弓社編集部 (編)
「いい音」とは何かの考察から始め、「いい音」を聴くために必要なオーディオを、クラシック・ジャズ・ロックというジャンルに即して考える。さらに、実際にオーディオを購入していく...
オーディオ道入門 (寺子屋ブックス)
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商品説明
「いい音」とは何かの考察から始め、「いい音」を聴くために必要なオーディオを、クラシック・ジャズ・ロックというジャンルに即して考える。さらに、実際にオーディオを購入していく際の具体的ポイントも示す。【「TRC MARC」の商品解説】
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音楽関連の問題作を続々と放つ青弓社、今度の標的はオーディオ。長文の力作がズラッと並ぶ
2001/02/20 15:15
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投稿者:中山康樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この版元から出た『クラシック、マジでやばい話』(許光俊著)は昨年度マイ・ベスト10の堂々1位にランクされたが、それだけに今度はなにが出てくるかとてぐすね引いて待っていた。ジャズかロックのやばい話かもしれないと思っていたら、企画が煮詰まらなかったのか勇気あるライターがいなかったのか、それとももともとクラシック中心のコンセプトなのか、意外や「オーディオ」ときた。
だがこれはこれで悪くない。オーディオ界にも問題山積、いつかは誰かがビシッといわなければならない閉塞状態ではあった。
ところで音楽とは、たとえば窓辺に置かれた壊れかけのラジオ、そのラジオから雑音まじりに聞こえてくるポール・デスモンドの風に漂うようなアルト・サックス・・・・とまあそのようなものであり、そのようなものでいいと思う。
にもかかわらず世のなかには、ケーブル(ようするに電線です)一本に数十万円も使ってまで「いい音」を聴きたいという、いわゆるオーディオ狂が存在する。なぜかクラシックとジャズ・ファンにこれが多い。
本書はその「オーディオ」をテーマにまとめた、これまた示唆に富む1冊。今回は長文が中心で、ここがこのシリーズのキモでもあるが、オーディオにさほど関心のない音楽ファンにも「読める」よう配慮されている。
白眉は大里俊晴(大学教員)による「倫理的な少年 長岡鉄夫 あるいは不可能なオーディオについて」と題された一文で、このオーディオ評論界の鬼才の本質について激しく、厳しく迫ってじつに読み応えがある。
その点、加藤しげき「ジャズとオーディオ序論」、小野島大「ロックとオーディオ」は、本シリーズの個性を理解していないのか、あるいは筆力の問題なのだろう、甘くて食い足りない。「これじゃないんだよなあ、でも依頼しちゃったからしようがないか」という編集者の歯ぎしりが聞こえてくる。
次のハイライトは伊藤賢による「オーディオ専門誌」なる一文で、鋭い分析もさることながらそのユーモア精神に感心する。とくに「オーディオ評論家」を各自分析、辛口の批評で斬っていくあたりは痛快このうえない。
なお巻末のエンジニア紹介、ロイ・ハリーの項には決定的な事実誤認がある。『S&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」の伴奏はボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」の録音後に行なわれた』とあるが、まったく別の日に別のメンバーで行なわれた。これは本書全体にとってイタいミス。さて版元さん、次のテーマはなんだ?! (bk1ブックナビゲーター:中山康樹/音楽評論家 2001.02.21)