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商品説明
なぜ学歴エリートたちは会社を辞めたのか? 大手総合商社からITベンチャーへ。外資系コンサルティング会社を経てMBA留学…。就職氷河期に就職し、転職をした8人の「働く若者」を取材したノンフィクション。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
稲泉 連
- 略歴
- 〈稲泉連〉1979年東京都生まれ。「ぼくもいくさに征くのだけれど」で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。他の著書に「僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由」など。
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紙の本
勤めて気付く仕事観
2010/09/12 03:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野あざみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鼻につく話かもしれない。1990年代後半から2000年代前半に就職活動した「ロストジェネレーション」たち8人の転職活動記。名だたる大学を出て、就職を果たした。「派遣」「臨時」と、厳しい立場に置かれる人たちからすれば、贅沢な悩みと映るだろう。しかし、だれもが抱く仕事観の変容ぶりをつぶさに記録している。
著者は、自らの高校中退体験やニートの取材を発表した。一方で順調に歩んでいるように見える学歴エリートたちの姿を描くことも、また、実態を残す上で必要と感じたことが執筆動機と語っている。
官僚、金融、商社、外資と華々しさに満ちた世界を勝ち取る。彼らを再び、「就活」へと駆り立てる要因は何か。「石の上にも3年」「無駄な経験はない」。一昔前ならば、耐え忍ぶ力不足で片付けられただろう。
しかし、働くことによって、初めて気付く自らの適性は、あって然るべきだ。甘さを指摘されれば、返す言葉はない。ただ、「良い大学から良い就職へ」というレールが終着駅に到達している見方もできるのではないか。
特定業界に固執し、仕事観があまりにも柔軟性を欠き、選択肢は豊富に見えて、実は窮しているケース。走り続けることでしか、不安を払拭できないケース。大企業が色褪せて見えるケース。はたまた、自分に何が向いてるのか、やっぱり見えないケースなど、各々の苦悶をあぶり出している。そして見出した人生観は。
10年、20年先の彼らの姿をぜひ知りたい。点ではなく、線で結びつけてほしい。