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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.1
- 出版社: マガジンハウス
- サイズ:20cm/143p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8387-1489-0
紙の本
母さん、ぼくは生きてます
戦乱のアフガニスタンから、母を残して命からがらたどり着いた希望の国ニッポン。しかし、待ち受けていたのは冷たい運命だった…。それでも日本を信じ、故国の母と家族を想う青年に私...
母さん、ぼくは生きてます
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商品説明
戦乱のアフガニスタンから、母を残して命からがらたどり着いた希望の国ニッポン。しかし、待ち受けていたのは冷たい運命だった…。それでも日本を信じ、故国の母と家族を想う青年に私たちは力を貸せないのか!?【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アリ・ジャン
- 略歴
- 〈ジャン〉1982年アフガニスタン生まれ。父親がタリバンに投獄され、アフガニスタンを脱出、パキスタンに逃亡。数か月滞在の後、日本へと発つ。現在、墨田区立文花中学校2年に在籍。
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紙の本
もう一工夫あれば小学生高学年でも読めたのに
2004/11/27 10:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
タリバン政権に追われ、18歳のときに単身日本へやってきた青年アリ・ジャン。難民申請を却下されながらも弁護士やNGOなどの支援を受けて今は墨田区の夜間中学に通っています。
そんな彼から英語と日本語で聞き取りをおこなった上で、彼自身の一人称というスタイルでまとめた難民生活日記です。
アリ自身の母語ではなく外国語である日英ふたつの言語をもとに取材していますから、翻訳過程で失われた(lost in translation)事柄や、その一方で構成者が(脚色とまではいわないまでも)想像で付加した情報がいくつかあることでしょう。
しかしその点を割り引いても、この本は一人の難民青年を支援することに取り組んだ多くの日本人の勇気あるネットワークに励まされる一冊であるということが出来ます。多くの芸能人が芸能人だからこそできる方法でアリを支援する姿にも胸に迫るものがありました。
一方でこの本に登場する多くの支援者をもってしてもアリを含めた一握りの難民にしか収容所の外での生活を保証することができないという事実も浮き彫りになります。ということは日本政府の対難民政策が、たとえ市井の人々の視点からは理不尽に見えるものであっても、それなりの理屈を持ったものなのでしょう。その点にも触れていれば、難民と縁遠い生活を送る私たちはこの本からさらに多くの事柄を学ぶことが出来たと思います。政策の理屈を知った上でなおも理不尽だと思うのと、それを知らないまま漠然と理不尽だと感じ続けるのとでは、この問題に対峙する私たちの姿勢に重大な差が生まれます。
また、文章は比較的平易なのですから、思い切ってすべての漢字にルビを振って小学生高学年の児童でも読めるように構成してもよかったのではないかと思います。ルビがないために中学生にならないと読めないうらみがあり、その点はとても残念に感じられました。