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- カテゴリ:研究者
- 発売日:2014/03/07
- 出版社: 大阪大学出版会
- サイズ:27cm/572p
- 利用対象:研究者
- ISBN:978-4-87259-462-1
- 国内送料無料
紙の本
森野藤助賽郭真写「松山本草」 森野旧薬園から学ぶ生物多様性の原点と実践
著者 高橋 京子 (著)
奈良県大宇陀で守られる日本最古の私設薬園、森野旧薬園が所蔵する「松山本草」をカラー図版で全巻公開。また、当時の生薬基原種や園内の植生を現存の植物と比較解説する。【「TRC...
森野藤助賽郭真写「松山本草」 森野旧薬園から学ぶ生物多様性の原点と実践
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商品説明
奈良県大宇陀で守られる日本最古の私設薬園、森野旧薬園が所蔵する「松山本草」をカラー図版で全巻公開。また、当時の生薬基原種や園内の植生を現存の植物と比較解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
奈良県大宇陀で守られる日本最古の私設薬園、史跡、森野旧薬園が所蔵する門外不出の家宝「松山本草」全10巻を初めてフルカラーB5判上製本で公開。
森野家は奈良県大宇陀で約450年の間、吉野葛製造を営んできた旧家である。薬草を中国からの輸入に頼り、財政を逼迫させていた享保年間に、森野家10代目、初代藤助賽郭は、八代将軍吉宗の命を受けた幕府採薬使、植村左平次とともに大和地方を調査した功により、幕府より薬草を下賜され、これを自家の裏山に植えたのが森野旧薬園のはじまりである。
江戸へ出かける機会の増えた藤助賽郭は、さまざまな専門家との交流を経て、晩年、自家の山に「桃岳庵」を建て、そこで薬草や動物の写生を日課とした。これが「松山本草」であり、主に702種の植物の他、昆虫、鳥獣、貝が彩色されて全1001種が描かれている。「草上」「草下」「蔓草藤」「芳草・灌木」「山草・湿草・毒草」「水草・石草」「殻草」「木」「鱗蟲禽獣」「介」の名前が各巻に付けられた和装冊子の状態で全10巻となっている。
藤助賽郭の植物画は、江戸享保改革期の薬種国産化政策を背景に、当時の生薬基原種や、すでに生息していた西洋生薬など、園内の植生を描き出している。
1750-1768年の間、森野藤助賽郭が写生した「松山本草」には1丁に2頁が描かれており、多くは1頁に2種の植物が描かれている。大和地方調査時に発見し、その後森野家がカタクリ粉製造をする端緒となった、カタクリの頁には「本草綱目」「大和本草」の説明文が引用され、賽郭の思いが伝わる。本書ではそれらを1頁に1頁ずつ収載している。薬草は使用部位も描かれ、開花時期、異名、上品、中品、下品などの記載もみられる。
ほかに、現在の植物と「松山本草」の全図絵にある植物の比較解説を行い、図絵への書き込みをデータ化し、収載するとともに和名、学名を記した図絵解読一覧、森野旧薬園の植生調査リストを掲載。江戸期の薬園の姿をいまに伝える森野旧薬園の姿と意義を明らかにする。【商品解説】
目次
- 序章 本書の視角−「松山本草」と森野旧薬園研究−
- 第一章 森野藤助通貞賽郭真写「松山本草」
- 森野藤助賽郭と松山本草
- 生薬品質における基原植物同定と博物学
- 松山本草画像
- 図絵解読一覧(計1003種)
- 第二章 森野旧薬園から学ぶ生物多様性の原点と実践
- 江戸・享保改革期の薬種国産化政策と森野家
- 森野薬園時代の漢薬種育成と生薬栽培の伝統
- 森野旧薬園における生育植物の現況
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