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紙の本
ニコマコス倫理学 (西洋古典叢書)
著者 アリストテレス (著),朴 一功 (訳),岡 道男 (ほか編集委員)
幸福とは何であるか、哲学の根本問題を平明な言葉で綴る不朽の古典。読みやすさを重視し、詳細な註を付して、一般読者が十分内容を理解出来るように配慮した日本語訳。【「TRC M...
ニコマコス倫理学 (西洋古典叢書)
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商品説明
幸福とは何であるか、哲学の根本問題を平明な言葉で綴る不朽の古典。読みやすさを重視し、詳細な註を付して、一般読者が十分内容を理解出来るように配慮した日本語訳。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アリストテレス
- 略歴
- 〈アリストテレス〉紀元前384〜322年。ギリシアの哲学者。
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紙の本
「若者は政治学・倫理学の聴講者としてはふさわしくないであろう」
2009/01/19 00:08
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中堅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリストテレスの倫理学は、幸福を究極目標とします。
しかし、訳者が解説で引用したウィトゲンシュタインは
幸福自体を望まない人間(=ニヒリスト)には、
倫理学は何も強制力を持たないんだよ、という、
ちゃぶ台を引っくり返す指摘をしています。
幸福に生きるためには、徳をもたなければならない⇒
なぜ徳が必要か⇒
性格の徳、思考の徳とは何か⇒
快楽とはなにか⇒
幸福な人間に友は必要か⇒
幸福とは何か
以上のような項目を講義するアリストテレスには、
ウィトゲンシュタイによれば、
最初から論理の飛躍があるらしいです。
「倫理学」には、
こういう胡散臭さは必ず付きまとうものだと思います。
究極的には教えられるものじゃないのに、
「学」なんて付いているから、胡散臭さが増してしまう。
だから、アリストテレスも冒頭で読者を選んでいるのです。
「若者は政治学・倫理学の聴講者としてはふさわしくないであろう」と。
この本に、倫理についての「答え」を求めても宗教ではないので、納得できる答えは見つかりません。
ですが、いかに生きるべきか?を考える人にとっては考える材料になる面白い本だと思います。
私が面白いと感じたのは、
・快楽と行為の関係(いわゆる快楽論?)、
・実践知(思慮)のアリストテレスの位置づけ、
・友愛についての考え(実感がこもっていて面白い)
・幸福は状態(ヘクシス)ではなく、活動(エネルゲイア)とする考え方
以上の部分です。
本書は丁寧な解説と索引がついています。
文庫で買うより高いですが、せっかく読むなら再読のとき役に立つこちらを薦めます。