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商品説明
1995年、韓国で35年ぶりに地方自治が再開されたが、大きな関心を集めることはなかった。韓国国民における地方自治がいかなるものであったのかを、人々が地方自治にどれほどの関心を寄せていたのかをポイントに考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
韓国における地方自治に関わる経験は大きく三つの時期に分けられる。即ち、第一期は1948年の大韓民国成立後、1952年にはじめて地方選挙が実施されてから、1961年の朴正煕等による軍事クーデタによりそれが廃止されるまでの期間、第二期はそれ以後の地方自治が停止された期間、そして、第三期は1990年代以後から現在までの時期である。
このような韓国の経験に鑑み、まず第一章で、第一期における地方自治について、主としてその制度的変遷の観点からの分析を行っている。その結果、明らかになったことは、この時期の地方自治が中央政治、その中でも特に1948年から1960年までの十二年間、韓国政治に君臨した李承晩とその政権による、中央政治における主導権確立のための手段として露骨に左右されていたということである。
第二章においては、そのような制度的変化の中で投票率がどのように変化したかを分析している。
ここで重要だったのは、李承晩政権がいわゆる四月革命によって打倒された後に行われた1960年の地方選挙において、投票率が著しく低下していることである。このことは、それ以前の選挙が実質的な上からの動員による選挙であったこと、そして、だからこそ李承晩政権崩壊により自由になった後、人々は選挙に関心を持たなかったことを示している。つまり、この時期の地方自治が、それが中央政治によって大きく操作されることにより、「民主主義の学校」として機能しなかったことを如実に示している。
第三章は、いわゆる地方自治の空白期における制度的変化の分析である。ここで筆者は、中央政治においては民主化が大きな焦点であったこの時代において、地方自治に対する関心は薄く、それが依然として中央政治の動きに従属するものであったことを示唆しようとしている。
第四章は、一転、第三期の地方自治の経験について扱い、その結果、二つの結論を得ている。一つは、少なくとも投票率を見る限り、この時期の地方自治に対する人々の関心は一定の段階で下げ止まっており、その関心も安定しているように見えるということ、そしてもう一つは、このような表面的な地方政治への相対的に高い関心は、韓国独特の地方主義によって底上げされている可能性があるということである。このことは、地方選挙が事実上無風状態に陥っている地域においても、むしろ、高い投票率が見られることに典型的に現れている。
- 目次 -
第1章 第一・二共和国期の地方自治制度の形成と変化過程
第2章 第一・二共和国期の地方自治における住民意識の一考察
第3章 地方自治の中断期と再形成過程
第4章 統一地方選挙の一考察 –1995年から2002年まで–
第5章 大田広域市長選挙の一考察【商品解説】
目次
- 第1章 第一・二共和国期の地方自治制度の形成と変化過程
- 第2章 第一・二共和国期の地方自治における住民意識の一考察
- 第3章 地方自治の中断期と再形成過程
- 第4章 統一地方選挙の一考察 –1995年から2002年まで–
- 第5章 大田広域市長選挙の一考察
著者紹介
金 世徳
- 略歴
- 著 : 金 世徳
1970年 韓国生まれ
2005年 神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程修了(政治学博士)
現 大阪観光大学観光学部教授
著書
「韓国における『民主市民教育』に関する一考察」『大阪観光大学紀要』第19号,2019年
『平成時代の日韓関係:楽観から悲観への三十年』共著,ミネルヴァ書房,2020年
『韓国の民主市民教育』博英社、2024年
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