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紙の本
平家物語 上巻 (角川文庫)
著者 佐藤 謙三 (校註)
平清盛を中心とする平家一門の興亡に焦点を当て、源平の勇壮な合戦譚の中に盛者必衰の理を語る軍記物語。音楽性豊かな名文は、琵琶法師の語りのテキストとされ、後の謡曲や文学、芸能...
平家物語 上巻 (角川文庫)
平家物語(上)
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商品説明
平清盛を中心とする平家一門の興亡に焦点を当て、源平の勇壮な合戦譚の中に盛者必衰の理を語る軍記物語。音楽性豊かな名文は、琵琶法師の語りのテキストとされ、後の謡曲や文学、芸能に大きな影響を与えた。【商品解説】
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紙の本
原文を読もう、声を出して詠もう。手に持って。
2005/08/22 12:44
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
平家物語はもともと「語られる」ことで出来上がってきた芸術なので、原文を読むと、時には声に出して詠むと、より楽しむことができる思います。雅な都育ちの公達の生活のしっとりした部分と荒々しい源平の戦いの部分とがあり、長い中にもめりはりをつけてくれるので最後まで疲れさせず、あきさせず引っ張っていってくれます。那須与一の「与一鏑を取ってつがひ、よつ引いてひやうと放つ。・・・」などの擬音の面白さ、勢いのある原文の味わいは他には変えられないでしょう。壇ノ浦の最後で知盛の言う「見るべき程の事をば見つ」に続く「海上には、赤旗赤符ども、切捨てかなぐりすてたりければ、竜田川のもみじ葉を、嵐のふきちらしたるに異ならず。汀によする白波は、薄紅にぞなりにける。主もなき空しき船どもは、潮にひかれ風に従ひて、いづちを指すともなくゆられいくこそ悲しけれ。」の情景は胸を打ちます。
日本語で書かれているのに、古典と呼ばれるものは現代語訳されたり、長いものは抄訳になったり、さらには新しい解釈を加えた創作と言った方がよい作品にもなったりします。昔から伝えられてきた良い物であるからこそ、取り付きやすい形からでも知って欲しいと思い、また、新しく創作の思いが広げられ、形を変えるのでしょう。でも、それらを面白い、と思ったら、是非一寸でも原文に触れてみてください。言葉のよさだけでなく、ドラマなどになった時にどの辺が作者の工夫か、もわかると思います。例えば義経の母常磐と清盛の関係は、平家物語ではなくそれ以前を描く「平治物語」の最後に書かれている、といったこととか。
少しぐらいわからない言葉があってもどんどん読み進む。そのためには気軽に読める文庫の小ささ、軽さが良いと思います。この文庫版の、巻末にある索引は「敦盛はどの辺だったっけ」などと探すのに便利でした。ちょっと注釈が少ない、と思われる方もあるかもしれませんがそれは「勉学用」の大判の本に任せれば良いと思います。手に持って、時には声に出して読むことを楽しみましょう。