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迷宮1000 (創元推理文庫)
「おれはだれだ?」記憶を失って目覚めた場所は、天高く雲をついて聳えたつ巨大な舘。全世界を睥睨せんがごときこの舘の主の名はオヒスファー・ミューラー。こいつは神か、あるいは悪...
迷宮1000 (創元推理文庫)
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商品説明
「おれはだれだ?」記憶を失って目覚めた場所は、天高く雲をついて聳えたつ巨大な舘。全世界を睥睨せんがごときこの舘の主の名はオヒスファー・ミューラー。こいつは神か、あるいは悪魔か。捜し求めるは失踪したタマーラ姫。1000もの階層からなる超巨大建築を彷徨ううちに、“探偵”たるおれは、冒険家の集う町や他星系へ渡る人々の待合室、そして地獄に至る道を見出すが……。訳者あとがき=深見弾
【本の内容】
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紙の本
もはやない国
2001/02/17 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:檜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古い古い作品だ。1929年。もはやないチェコスロバキア。冷戦よりも、第二次世界大戦よりも前。しかしヴァイスの想像力は古びない。
空気よりも軽い金属でできた1000階建てのビルディング。そこには金属の発見者であるオヒスファー・ミューラーが君臨し、同時に世界を睥睨している。世界を圧する暴君を倒すためにビルディングに潜入するのは、ひとりの探偵。霧散化現象による、透明という鎧をまとう。
幻想文学のペダンティズムは薄い。
不気味な幻想のなかに娯楽小説のヒロイズムが展開される。楽しむべきは奇想ひとつひとつの鮮烈さだ。
驚くべき先見性——のような読み方をするのは興ざめだ。風刺を探すのも野暮。鞭のようにしなって読者を打つ、その想像力こそを賛美したい。
なかでも、オヒスファー・ミューラーを出し抜いて“宇宙を手に入れた男”と“バラを苛む方法”のエピソードが楽しい。
紙の本
イデオロギーを学んでおいた方が良いかも、、、
2005/09/25 17:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
今から70年以上前の1929年に書かれた作品です。
東西の冷戦も第2次世界大戦も無い時代です。
作者のヴァイス氏はカレル・チャペック氏と同じ今は無き国チェコスロバキアの作家です。
因みに1993年1月にチェコとスロバキアの2ヶ国に分離しています。
古い歴史を誇りながらロシア、フランス、ドイツなど強国と国境を接していたため
ヨーロッパの近代史の中でナチスドイツと列強諸国の政治戦に翻弄され
地図から消えていた国でもあります。
天をついて聳えたつ館。
それは外界から隔絶され、一つ屋根で覆われた巨大都市のごとくであった。
果てしなく続く見も知らぬ1000のフロア、、、。
館の中、おれは記憶を失った状態で目覚めた。
わずかな手掛かりから得られたのは、どうやらおれが探偵であること。
名はピーター・ブルーク。
捜し求めるのは失踪したタマーラ姫の姿。
打ち倒すべきは館の主、神とも悪魔とも噂される全能の男オヒストファー・ミューラー。
やがて館の中に蠢きはじめる叛乱の影、、、。
この館がいざなうのは、はたして星の世界か、あるいは地獄か?
迷宮さながらの世界を駆けめぐる、あなたの探索行が幕を上げる。
(初版巻頭解説より)
空気よりも軽い金属でできた1000階立てのビル。
その金属の発見者にしてビルを支配する謎の男ミューラー。
彼は暴虐の限りを尽くし全世界に君臨している。
それに対抗するためにビルに侵入した探偵ブルーク。
失踪した姫を救い謎の暴君を倒さねばならない。
古い作品ですが、作者の奔放な想像力の前に打ち倒されてしまいます。
1000の国に匹敵するほど巨大なビル。
資本主義の極限ともいえる世界を所有する独裁者。
そして経済的に支配される人民。
全宇宙は殖民され恒星間通商は独占され、食料や水、空気さえも自由に入手できない世界。
そこに、独創的な先見性や現在社会に通じる風刺を見出す方もいることでしょう。
しかし、作者の想像力は読む人の思惑を超えて迫ってきます。
古書店でもあまり見ませんし、あっても1000円以上のプレミアが付いています。
しかし、探せば安価で入手できるかもしれません。
誰にでも奨められる作品ではありませんが
夢野久作氏や沼正三氏、泉鏡花氏が好きな方にお奨めです。
紙の本
予言的イマジネーション
2023/02/06 10:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作が1929年に発表された作品だということにまず驚く。ナチスのガス室を思わせる描写があるのだ。
主人公は記憶をなくした透明人間化した探偵らしい。さらわれた姫を助け出し、1000階の館に君臨して住民たちを恐怖で支配する男と対決するためにやってきたらしい。館内を探索し、館の主の正体を探る。あらゆるエリアが風変わりで想像力にあふれている。
疾走感も良かったが、結末をどう収拾つけるのかと思ったらまさかの夢オチで拍子抜けした。それだけが残念。