紙の本
水木漫画のルーツ、妖怪の故郷がここにある
2009/10/05 23:18
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る
生命力に満ち充ちていて、読むと、お腹の底から愉快な気分が沸き出して来る、素敵な本です。
この世もあの世も、生も死も、自然に、生活の中に存在していた時代。
未だ幼く、自分を【ゲゲ】と呼んでいた頃の水木サンに『天井なめ』『海坊主』『サザエオニ』など、
妖怪についてアレやコレやを教えてくれた不可思議なお婆さん【のんのんばあ】。
特に印象深かったのが、『狐の嫁入りもなにも、この辺りに狐なんているのか?』という問いに、
真夜中、『狐が鳴いとる!』と、揺り起こして鳴き声を聞かせてくれたエピソード。
この様に、目には見えなくても世界は神秘に溢れている、
と納得させてくれるのが良いなぁと思いました。後の水木マンガの特徴でもある、
おおらかな視点のルーツになっているのでしょうね。
他にも、好奇心旺盛で、次々に様々な遊びを考えたり、ガキ大将を目指して奮戦したりと、
読書中、ハラハラドキドキし放しの面白さを感じられました!
物語中盤、【のんのんばあ】の亡くなる場面の冷静な描写、現在の水木サンが、
【のんのんばあ】を思う穏やかな気持ち、その両方を味わってみて下さい。
優しくて柔らかな気持ちになれる本です。
紙の本
水木先生の原点
2022/02/25 20:42
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投稿者:路傍の石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ化もされた水木先生の自伝的エッセイ。とにかく幼少の頃からエピソードに事欠かない。のんのんばあとの出会いからこの世ならざる世界の存在を意識した事やガキ大将として戦いに明け暮れた日々、一転してうだつの上がらない日々から戦争へと水木先生の貴重な人生の記憶がぎっしり詰まっている。個人的には3兄弟が米子までドーナツを買いに行くエピソードが鮮烈な記憶として残っている。
紙の本
水木版『少年時代』
2016/06/01 20:08
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投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋でフェアをやってて購入。昔NHKでドラマ化されてみたのを覚えている。御大にはカリスマがあったからガキ大将になれたのだろう。
紙の本
妖怪のいたころ
2001/02/09 21:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
水木しげるといえば妖怪である。
この本は水木しげるがいかにして妖怪を知るに至ったのかが書いてある。
のんのんばあは妖怪ではない。実際に生きていたおばあさんで、その人が筆者に妖怪の様々な話を聞かせたという。
もちろんその妖怪の話もなかなかおもしろいものがあるのだが、この本で一番すてきなのは、昔の日本の姿が彷彿としてくるところだ。
ガキ大将としての対面の保ち方、隣町の子供との戦争、他人の子でも平気で叱りとばす大人たち、そこには私が知らない日本の姿がある。巧みな描写で、行ったこともない筆者のふるさとが目に浮かんでくるようだ。
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ノスタルジー。小さな頃にテレビでやっていて、これをきっかけに私も妖怪や不思議な世界に魅了され始めました。
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読んでいると、自分もまるで田舎の砂利道をのんのんばあと一緒に歩いているかのような気分になってきます。
私の生まれ育った故郷も竹藪や林が多く、藪に踏み分け入れば柵も無い溜池や蜜柑山の点在する地域でした。
晴れているのに雨が降っている「狐の嫁入り」の話などは、子供の頃に小母さんが話してくれた様子とよく似ています。だから「のんのんばあは笑いもせずにまじめな顔でいうから」という雰囲気が何となく分かる気がするのですよね。
戦前は美徳だった「信心深い」という心は、戦後、効率化が求められて経済優先になるにつけ「うさんくさいもの」になり下がってしまった感があるのですが、同時に、見えないものを見る力は明らかに低下している感じがします。
でも本当はみんな、妖怪を見たい気持ちがあるんじゃないかな。
そうでないと、町ぐるみであんな立派な妖怪ロードを作ったりはしないと思うのです。
妖怪を見ながら歩いていると、異世界散歩をしているようで楽しいんですよ。水木しげる記念館の前に一番堂々と立つのは「のんのんばあと幼い頃の水木しげる像」です。
代表作である「鬼太郎」より目立つポジションにのんのんばあが居るところが、いいセンスしてますよね(笑)
水木氏の「原点」ここにあり というのがさりげなく主張されている気がしました。
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わたしの生きていなかった時代
今よりも圧倒的に遊ぶものが存在しなかった時代。
物質的には豊かではない、遊ぶことを探すしかなかった時代
死や妖怪等いまは滅多に出会うことのできない物があふれていたんだと思わせてくれる。
昔ドラマでやっていて今もはっきりと覚えている。
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水木先生の独特な語り口のせいか、読んでると妙な空気が漂いはじめます。まだ日本のあちこちに、濃くて絡みつくような闇があったころのおはなし。
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のんのんばあとのエピソードがもっと多いのかと思ってたけど、水木先生の子供時代が主。
ここまでやんちゃな子供って今いないだろうな。
且つ、やることが何につけてもエキセントリック!
のんのんばあの話を自然に受け入れたりと
すごく素直な人だなと思った。
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水木しげる悪ガキ時代の回想記。のんのんばあが垣間見せてくれた「怪し」の世界は入り口に過ぎず、ページを繰るたび、マイペースで豪快な人柄がつぎつぎ炸裂する。勉強が得意じゃなくても、夢中になるものさえあれば楽しく生きられるんだなぁ。
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いま、身内でNHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」が流行っているので、私はそのドラマ見てないけど、水木しげるに興味を持ったので読んでみました。
電車の中でよく見かける平和祈念展示資料館のポスターに、水木しげるさんの絵で大戦中の兵士や、引揚者、シベリア抑留者が描かれていて、その印象が妙に強いので、この本もそういう水木さんの戦争体験がいろいろと描かれているのだろうと思ってました。
でも、そうではなくて、水木さんの少年時代のお話の本でした。
鳥取の境港で、「のんのんばあ」に妖怪やおばけの話をたくさん聞かされ、ガキ大将としてまあほんとうにのびのびと過ごしていた少年時代のお話。
いまの時代なら確実に「問題児」でまわりの保護者たちが放っておかないよ~、と思うけど、その当時は粗野だけども奔放で大らかな時代だったんだなぁ、と時代の大きな違いを感じます。
最後のほうに少しだけ、少年期を終えた水木さんが、青年期を経て大人になる過程で戦争を体験したくだりも出てきます。決して多くは語られませんが、やんちゃで楽しかった少年時代や戦争体験をも全部含めて、いまの水木さんがあるんですよね。改めて、とても魅力的で興味をかきたてるだなあと思います。
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水木しげるのやんちゃ時代の回想エッセイ。ご近所に住む「のんのんばあ」が教えてくれた「妖しい世界」。
水木さんがいかにやんちゃだったか、どうして妖怪に興味をもってのかがよくわかります。ガキ大将って今もいるのかなぁ。
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古本屋で見つけた昔の水木大先生(!)の著書。定価よりも高値がついていた。妖怪を見る原点ともいえる「のんのんばあ」との会話や出来事が、里山の風景とともに書かれている。きっと昔はそんなこともあったろうな、と妙に納得してしまう。お宝本として大切にしよう。
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ご存知、水木しげる氏の自叙伝的エッセイ。
子どもの頃を過ごした郷里:鳥取県境港市での思い出、その幼少期に大きな影響を与えた「のんのんばあ」との出会いやエピソードなどが、水木氏独特の筆致で綴られている。
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図書館で借りて読みました。
昔の子供はよくまあ喧嘩してたんだな~
幼少時は暴力的なのは今も昔も変わらないのですね。
それにしても今孤独死や貧困の話がよくニュースになりますが昔も勿論あったんだよなあ…としみじみ思いました。