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紙の本
風雪の檻 新装版 (講談社文庫 獄医立花登手控え)
著者 藤沢 周平 (著)
心優しき青年医師の痛快捕物帳! 登の柔術仲間、新谷弥助が姿を消した。道場に行くと言って家を出たまま、その後、深川の遊所でよからぬ男たちと歩いているところを目撃された...
風雪の檻 新装版 (講談社文庫 獄医立花登手控え)
風雪の檻 獄医立花登手控え(二)
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商品説明
心優しき青年医師の痛快捕物帳!
登の柔術仲間、新谷弥助が姿を消した。道場に行くと言って家を出たまま、その後、深川の遊所でよからぬ男たちと歩いているところを目撃されたという。行方を追う登の前に立ちはだかる悪の背後に、意外や弥助の影があった。何が彼を変えたのか――。熱血青年獄医が難事件の数々に挑む。大好評シリーズ第2弾。
【商品解説】
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紙の本
緊迫を増していく物語とコミカルな小牧家の様子が魅力の作品
2009/11/30 19:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
獄医立花登手控シリーズ第二弾。
本書の一話目で柔術の鴨井道場の三羽烏の一人・新谷弥助の非行問題を描いている。
鴨井道場に姿を現さなくなった弥助は、道場へ出かけるといって家を出るが、行方は分からない。
やがて弥助は、深川の地回りらしき男たちと飲みまわっていたり、女と一緒にいるといった姿を目撃されていたが、心配した立花登が連絡を取ろうとしても、梨のつぶてである。
何かの問題に巻き込まれていると心配した登が、弥助を調べるとよからぬ連中の用心棒になっているようであった。
本書は、各話それぞれの小さなうねりの他に、この弥助問題を本書全体に共通する物語とし、最後の五話目『処刑の日』で、この問題が解決するという大きなうねりを描いている。
さらに登が居候している小牧家の息抜きな的話では、前作「春秋の檻 -獄医立花登手控え〈1〉」で、拐かされた従姉妹のおちえを救出した登の株が少しだけ上がり、扱いが変わりつつある状況をコミカルに描いている。
相変わらず叔母の人使いは荒いのだが、少しだけ気遣いを見せるようになったり、おちえの登の呼び方が変わったりなど、緊迫感が増していく本作品の中で肩の力を抜かせてくれる。
本書の一番の読みどころはやはり最後の五話目『処刑の日』
『処刑の日』は、大津屋助右衛門が人殺しの冤罪で捕まり、この事件に疑問を持った登が、助右衛門の処刑の日が迫る中、真相を解明すべく駆け回るという緊迫した物語。
父・助右衛門を心配して牢に様子を見に来るおゆきの姿が、駆け回る登にさらなる緊迫感を与え、加えて本書を貫く大きな物語である、窮地にある弥助の救出劇が合わさって、息をすることも忘れてしまいそうな展開が待っている。
そして、その緊張状態から解き放ち、ほっとさせてくれるのが、登とおちえの関係の進展である。
ラストに暖かい気持ちにさせてくれる出来事が読者を待っている。