紙の本
必要なのは、スーパーマンではなくチームワーク。
2003/08/05 20:42
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投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
チームビルディングの大切さを説いた書。チームワークが有効に機能するために必要な要素を5つに体系だて、実際のビジネスの現場のストーリーに仕立てているので、読みやすく「頭を使わずに」読み進むことができる。
チームビルディングの危険な5つの罠とは、
1.信頼の欠如
2.衝突への恐怖
3.責任感の不足
4.説明責任の不足
5.結果への無関心
主人公であるCEOを介してストーリーのなかでそれらへの対処法を示している。
ストーリーは読みやすく構成されているので、1、2時間もあれば頭を使うことなく読破できてしまう。逆に言えば引っ掛かりがないとも言え、読者に考えさせる仕掛けが少ない。ただ、ストーリーの場であるディシジョンテック社で巻き起こる人間模様は、記憶に残り想起しやすいかもしれない。
また、ストーリーに重点を置いた結果として、充実した解説を期待して読むと物足りない。
想起しやすいストーリー、ありがちなキャラクターを通じてシンプルな5つの危険な罠を記憶に止めておけば、詳細な解説がむしろないだけに、大切なことを忘れることなく実際の行動に転用できるかもしれない。
チームワークの効果を甘く見てきた向きには(自省)、戒めとして記銘したい。
紙の本
出版社コメント
2003/06/17 19:19
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投稿者:翔泳社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
競争における究極の武器はチームワークである!
経験豊富な経営陣、完全無欠な事業計画、他の企業には望むべくもない一流の投資家、ことさら慎重なベンチャーキャピタルも列をなして投資を申し込み、オフィスも決まらないうちに有能なエンジニアが履歴書を送ってくる。そのベンチャー企業の将来は薔薇色に見えた。しかしその2年後、業績不振のため、取締役会で37歳のCEOは解任され、150名の社員の頂点には古くさいブルーカラー業界出身の女性(57歳)がやってきた。取締役会はこぞって彼女の就任に反対したが、彼女をヘッドハンティングした会長には確信があった。競争における究極の武器はチームワーク。そして、彼女はチーム作りの天才だったのだ。
■目次
寓話
幸運
第1部 業績不振
経緯
キャスリン
理由
不満
観察
スタッフ
第2部 端緒
最初の試練
遠回し
境界線
ナパ
スピーチ
応酬
危険領域
個人の歴史
進展
プールサイド
回復
覚醒
自尊心
目標
深層
攻撃
公開
フィルム・ノワール
実践
第3部 苦難の時
社内会議
火事場
リーク
第二回社外会議
開墾
説明責任
個人の貢献
対話
最後の抵抗
集中砲火
重労働
再結集
第4部 牽引力
収穫
腹の内
行進
モデル
モデルの概要
チームの評価
五つの機能不全の理解と克服
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成功するために必要なのは、複雑な理論をマスターすることではなく、途方もない自制心と根気を持って常識を実践することである。機能するチームのメンバーは、人間が不完全であることを認めることによって、信頼、衝突、責任感、説明責任、結果重視をこれほど難しくしている生来の性質を克服するのである。
チームを機能させる上で必要なことは、個々として認められ、注目されることばかりを求めるのではなく、チームとして認められ、注目されようとすること。チームの自尊心を個人の自尊心より優先すること。
チームメンバーは全員が勝利への責任を持っている。また個々人はそれぞれ役割、責任を持っている。勝利のためには個々の働きがつながらなければならずチームメンバーは他のメンバーとのつながりを意識してここの責任を果たさなければならない。各個人は他のメンバーが彼の責任を果たせるよう配慮しなくてはならない。チームメンバーはすべての部分について考えなければならず、すべての部分に責任がある。(それぞれ優先順位はあるしそれによって責任者が決められる。)
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内容は、Team building というテーマを、シリコンバレーのハイテク企業ディシジョンテックを舞台にしたフィクション仕立てで学んでいくものです。チームにとっての5つの機能不全を1つ1つ解き明かしていく訳ですが、この5つはチームを形成して機能させていくためには不可欠な要素であり、それらを共有していくプロセスは読んでいて引き込まれる力がある。登場人物も主人公のキャサリン(CEO, 57歳)をはじめ、マーケティングのマイキーや技術担当役員のマーティンなど個性派揃いで、彼らのキャラクター描写がビジネス書にとどまらず読み物としての面白さに一役かっている。必ずしもここに書かれている事すべてが正しいとか自分に適用できる或いは大賛成とは言わないが、結構「使える」ものが多いと思う。
この手のリーダーシップ、マネージメントの本は、小さなチームリーダーからCEOまで数多くの人達が手にして読んでいるでしょうが、実際に実践できている人はほんの数%程度ではないかと思う。かと言って世の中で成功を収めた人が必ずしもこういった技術を実践しているかというと、中にはカリスマ性だけで頂上までたどりついた人もいる訳なので、頭で理解しても実際に行動をおこしてそれを継続させるのは大変な事なんだと感じる。言うは安し行なうは難しである。
怠け者の私もこの本で学んだテクニックはいつくかパクらせてもらってます。(^-^)
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チームワークの乱れがいかに深刻な問題を与えるかという、陰の向きから、チームワークの良さを語っている。
タイトルの分かりやすさと、toy storyを彷彿させる表紙のキャラクターが手に取りやすい。
「組織の結果最大化」を常に意識して実行していた自分
「他人に興味を持つ」が昨年末からのテーマで、これを実行に移し、”より老若男女から愛される人間”を目指し、奮闘中
***
チームの成功は、チーム内の異なる目的や労働慣行などを反映した特異性によって左右される。
共通点のない人々をまとめて、同時に同じ方向にオールを漕がせれば、深刻な問題に発展しかねない。
頭に浮かぶイメージとしては、猫の群れといったところだろうか。
財政でも、戦略でも、テクノロジーでもない。
最終的に競争優位を保つためには、チームワークが必要である。
チームワークはそれほど協力で、めったに存在しないものだからだ。
◆チームワークの5つの機能不全
・信頼の欠如
・衝突への恐怖
・責任感の不足
・説明責任の回避
・結果への無関心
***
機能不全の逆を考えれば、うまくいくだろうか。
(天邪鬼発想)
◆チームワークの5つの機能
・良好の信頼関係
・忌憚のない議論による衝突→昇華
・明確な責任所在
・説明責任の徹底
・結果を褒めちぎる
うまくいかんな(汗
まー、結論をいうと『人を動かす』の内容を全員が実践すればいい、ということやわ。
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会社から配本され、かつこの内容に沿ったプログラムが開催されるため、読むこととなった。
機能していない組織(チーム)を蘇らせるための手法を描いたもの。
危ない組織の5症状を挙げ、会社を変革するプロセスとノウハウを物語形式で展開。
小説形式のため非常に読みやすく、ある程度感情移入をしながら読み進めることができる。この5つの症状のどれかは多くの組織で見ることができると思われるが、書いてあるとおりに変化させるには、チームのトップに相当な覚悟と継続し続ける努力が必要であろう。
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201009石榑統括塾 課題図書 20100929 伊豆での人間ドックを期に、一気に読破。☆その他、気になったキーワード・P38 瞬間があるからこそリーダーという仕事が好きだということが否定できない。 →キャスリンは、チーム作りに長けているリーダーという設定だが、これからメンバに対して、この会社の課題(競合から遅れを取っていること)に対する原因分析をするという難題を出す際に、ワクワク感を楽しむなんて、非常に高い視点で物事を考えているものだと感心した。(課題が難しければ難しいほど、得られる成果も大きい、ということを十分に把握している)・P82 もちろんすぐに把握できるぐらい明快に、すぐに対応できるくらい具体的に、目標を、結果を定義することが大事です。 →リーダーの立場で指示を出す(何かを打ち出す)際に、非常に良いセンテンスだと感じた。・P149 自分にとっての第一のチームはどこか? →SGLとしては、自SGを重視することは重要だが、”課長代理”という役割を担っている以上は、第一のチームは、会社としての意思(部課長)を優先すべき。・P162 お互いが何に時間をつかっているか、十分に前進しているか、しっかり追及する必要がある。(他SGのことだからといって、放置するのではなく、それが例えば会社としての利益につながることであれば、どんどん進言し、衝突すべき。衝突することで信頼感がうまれる。)
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外国人執筆の本は、なかなか気持ちが入ってきづらい。内容も取締役レベルの為、現場に置き換えるには限界を感じた。
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先日、帰り支度をしてた私に部下のひとりから、この本読んだことあります? 研修プログラムの中で勧められて読んでみたんですが面白かったので、もし読んだことなければ如何ですか と声をかけられた。
渡された本のタイトルを見て、内心ドキドキする私に、いや、別にそう言う意味じゃ無いですよ(笑) と言う部下。
これって良い関係ですよね(^_^;)
で、中身に関してですが、ストーリー仕立(ビジネス・フィクションと呼ばれるらしい)になっていて、とても分かりやすいビジネス書でした。そしてとても参考になりました。どうやって実践してみようかな。書いてあることはとても簡単なんですが、実行はなかなか難しい‥
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良いチームビルディングとはどのようなものか架空のチームをストーリー仕立てに記載し、示した本。私はマネジメント側ではないが、上司はこのように考えチームマネジメントをしているのか、チームメンバーもこのようにチームビルディングをしようとしているのだろうと非常に勉強になった。それを理解する助けとなったので、自分がチームの一員としてどのように振る舞えばいいのか考える良いきっかけになったのではないかと思う。
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5つの機能不全のモデルはとても参考になる。巻末のまとめで現実の問題と照らし合わせて理解しやすい。
ただ、本文のストーリーはちょっと…そう簡単には上手くいかないというリアリティはあるけど、解決はそれでよかったのか?と疑問が残る。
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帯にある「危ない組織の5症状」を見て、思い当たったら絶対に読んだ方が良い本。小説仕立てで読みやすいのも素晴らしい。本文よりひとつ引用するなら「成功するために必要なのは、(中略)途方もない自制心と根気をもって常識を実践することである」p.241
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ここに書かれているチームが実現できたら、驚嘆。現場というよりマネジメント視点で書かれていた印象だが、実際に現場メンバとしての自分の振る舞いを見つめなおすとしても良書。
とはいえ、信頼の欠如、衝突への恐怖、責任感の不足、説明責任の回避、結果への無関心・・これら全てを実行できるマネージャーになれたら、どこでも通用するだろうな。
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社内会議で話題になった本で、オフィスで貸出していたので読んでみました。チームが機能不全に陥る5つのポイントを克服することで、チームがまとまって業績を上げていくということを実例を通して物語風に解説しています。
5つの機能不全とは、1)信頼の欠如、2)衝突への恐怖、3)責任感の不足、4)説明責任の回避、5)結果への無関心です。最も大事でベースにあるのは、一番目に指摘されている「信頼の欠如」です、これを克服するには各チームメンバーがチーム員に対して、自分の弱みを見せて、助けが必要な時にはそれを求めることができる信頼感が必要とのことです。そして、皆で合意した「結果」に対しては、達成することに関心を持ち続けることが大事ということでした。
旗振りにはリーダーの振舞いが大事で、時にはチームの発展のために冷酷な決断をする必要があることは、物語の中で書かれていました。当初横断的な組織のトップで形成されたチーム員は、何度にも渡る会議の中で、一人が自主的に退職、そしてチームの輪を乱していた一人は首切りを宣言されています。さらに創業者の元CEOはメンバーからも外されました。リーダーには適正なメンバーによる効率的な運営も任されているようです。
本のケースでは、ほかのメンバーの気持ちを確認したうえで行われた決断のようですが、日本ではどうなのでしょうか、と思いながら読みました。日本のチームもこのような決断ができなければ元気の良い国に抜かれていくのかもしれませんね。章を追うごとに身が引き締まった気分になった本でした。
以下は気になったポイントです。
・競争における究極の武器はチームワークである、それほど強力で稀少なものである(p1)
・チームワークも理屈の上では単純明快な行動パターンを習得するだけであるが、それを日々実践することは極めて難しい。機能不全のもとである政治的かけひきを生み出す人間的な行動性向を克服したグループだけが成功を手に入れられる(p2)
・幹部会議で議論が起きないこと、チーム内で対話が少ないことの方が信頼が欠けている現れである(p46)
・技術の問題ではなく、態度の問題である(p52)
・個人の歴史に関する質問として、出身地、子供の数、子供だった頃の変わった趣味、成長する過程で困難だったこと、最初の仕事等(p54)
・目標となるカテゴリーとして、売上高・経費・新規顧客獲得数・既存顧客満足度・社員維持率・市場の認知度・製品品質(p83)
・政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、ほかの人にどう反応して欲しいかによって、言葉や行動を選ぶこと(p94)
・絶えず問題を切り抜け衝突を繰り返した結果の調和であれば良いが、自分の意見や正直な不安を押し殺した結果ならば「表面的な調和」であり良いことではない(p98)
・5つの機能不全のうち、一つでも脆いところがあればチームの成功は絶望的になる可能性がある(p206)
・結果への無関心が起きるのは、メンバーがチーム全体の目標よりも個人のニーズ(自尊心、キャリア��発、評価など)や自分の部門のニーズを優先させたときである(p208)
・結束の固いチームは、1)互いを信頼する、2)アイデアを巡って遠慮なく衝突する、3)決定や行動計画に責任感を持って取り組む、4)計画を守らなかった場合、互いの責任を追及する、5)チーム全体の結果を達成することを重視する(p209)
・リーダーが信頼構築をうながすために取るべき最も重要な行動は、率先して弱みを見せる、それにより部下も同じようにリスクをとるようになる(p220)
・健全な議論から逃げないように指導するために効果的な方法として、意見を戦わせているメンバーがその状態を不快に感じてきた時を見計らって、今やっていることは必要であると念を押すとよい(p224)
・リーダーはグループの議論を促して、チームで決めたスケジュールを守る必要がある、確実性や全員一致を重視しすぎないこと(p231)
・説明責任とは、メンバーが仲間に対して、チームに悪影響を与えかねない行動や態度をとがめようとすることを意味する(p232)
・個人の業績ではなく、チームの業績に対して報奨を与えるようにするとチーム内に説明責任の文化が生まれる(p235)
・結果を重視するには、チームとしては、結果とは何かを明確にして、その結果に貢献する行動だけに報いること(p239)
2017年3月26日作成
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小説仕立てで、チームを機能させる方法を説く。
完全に機能しているチームなんて世の中でごくわずかなので、誰が読んでも参考になる部分があるはずだ。
本書で述べてる概論は、すべて帯に集約されている。この帯書いた人えらい。
・信頼の欠如(意見は一致してないのに、議論が起きない)
・衝突への恐怖(不満があっても、会議で意見を言わない)
・責任感の不足(決定したことでも、きちんと支持しない)
・説明責任の回避(衝突を避けて、互いの説明を求めない)
・結果への無責任(各自の仕事にかまけて全体を見ない)
個人的には、説明責任への回避は、かなり難しいテーマだと思った。自分の横のメンバーに対して注意をするのは、よっぽどその前段階の「決定」に、全体が合意していないと難しい。隣のチームの目標が低すぎるんじゃないか?向こうにだけ、予算が偏重している…そんな思いを抱えたままでは、説明責任を求めるのは難しいだろう。
筆者は解決法を、
・目標と基準の公表
・簡単な定期進捗レビュー
・(個人ではなく)チーム報償
と説いているが、これはあくまで責任感の不足が解消されていることが前提である。
他気になったメモ
・政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、ほかの人にどう反応してほしいかによって、言葉や行動を選ぶことです。(これ、とってもスマートな定義)
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