「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:高校生 一般
- 発売日:2005/06/01
- 出版社: みすず書房
- サイズ:19cm/146p
- 利用対象:高校生 一般
- ISBN:4-622-08305-1
読割 50
紙の本
『パンセ』数学的思考 (理想の教室)
著者 吉永 良正 (著)
「人間は考える葦である」などの言葉を残し、モラリストやキリスト者としての面ばかり語られるパスカル。だが、その思想は数学的思考をベースにしている。「パンセ」から最新の宇宙論...
『パンセ』数学的思考 (理想の教室)
『パンセ』数学的思考
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「人間は考える葦である」などの言葉を残し、モラリストやキリスト者としての面ばかり語られるパスカル。だが、その思想は数学的思考をベースにしている。「パンセ」から最新の宇宙論やフラクタルを学ぶ、理科系の哲学入門。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
吉永 良正
- 略歴
- 〈吉永良正〉1953年生まれ。大東文化大学助教授。専門は哲学。日本におけるサイエンス・ライターの草分け的存在でもある。「数学・まだこんなことがわからない」で講談社出版文化賞科学文化賞受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
『パンセ』への誘惑
2005/09/17 14:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンテーニュの『エセー』と『パンセ』と『徒然草』は枕頭の書、無人島へのスプートニク(旅の道連れ)その他言い方はなんであれ、愛読書というよりはもう少し切実に身体の内側に寄り添ったかたちで読みつづけていきたいとかねがね思っていた。松岡正剛さんの言葉を借りれば「言葉のチューインガムのように噛む」とか「本を噛む」といった感覚で(「千夜千冊」第三百六十七夜)。あと一冊日本の古典を選び西欧と日本のバランスをとりたいとも思っていて、そんなことに気をとられているから肝心の『エセー』や『パンセ』や『徒然草』を読む(噛む)時間がなかなかとれない。
──で、(「理科系の哲学入門」とカバー裏に謳ってある)『『パンセ』数学的思考』のテーマは「パスカルの思想には数学的思考が通奏低音のようにつねに流れている」というもの。たとえば「パスカルは自然を見たままに観察したというよりも、数学的な構想力によってそれをモデル化し、そこに無限から無までを貫く一様なフラクタル構造を想定していた」といった具合。この話題が出てくるのが第1回「宇宙空間の永遠の沈黙」で、第2回「無限大と無限小の中間」では章名に書かれている話題や真空をめぐる話題が取り上げられる。
第3回「パスカルの数学的思考」には確率論の話が出てきて『パンセ』後半の宗教論への入り口あたりまで案内してくれる。『パンセ』の断章のすべては祈りのなかで書き留められたものだとか、パスカルは二○世紀の思想家シモーヌ・ヴェイユとその兄で大数学者のアンドレ・ヴェイユをいっしょにしたような人物だったとか、著者の身体感覚に根づいた含蓄のある言葉がちりばめられている。『パンセ』へと誘惑される。