紙の本
まずはやってみること
2009/07/27 07:59
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
火山学者鎌田浩毅氏が以前中高生向けに書いた本のなかで、「何よりもわかりやすい(平易である)こと、意味が明快であること、おもしろいこと、の三点に最大の努力をはらった」(『地球は火山がつくった』)と書いていたが、大人向けの「勉強法」を記した本書でも、その基本姿勢は踏襲されている。
鎌田氏は大人の「勉強」は「成功」することは目的であると言い切る。だから、「戦略とノウハウ」が必要だと。
この「成功」という語感に抵抗があるかもしれないが、「大きな満足感と生きがいが得られる」と言い直せば、納得感がえやすい。たとえば、わかりやすい表現をめざすといってもなかなかできるわけではない。そのために、子どもたちがどのような文体を読んでいるのか、児童書を読むのも「勉強」である。そういう基本的なことからこの本は書きおこされていく。
本書は書名にあるとおり、「その場限りの勉強」法ではなく、一生モノの「勉強法」が伝授されている。急がば回れ、である。
だから、書かれていることは、時間管理術にはじまり、手帳やデジカメの使い方、教養番組の見方、勉強する空間、ノートのとりかた、クリアフォルダの利用法、本や新聞の読み方、児童書や古典の重要性、人とのコミュニケーション、ロールモデルの活用、など鎌田氏のテクニックがほとんど網羅されているのではないかと思えるほど、充実している。
その上で、一つでも実践することを鎌田氏は推奨する。こういう類の本は「実践」しないことには、そのテクニックが自分にあっているかどうかもわからない。まずは、やってみて、自分との相性をみることが大事である。自分の体調に合わない薬をいくら服用しても効果はない。
社会が不安定で変化が激しい時代だからこそ、目の前の「成功」に固執することは、本当の「成功」をもたらしてはくれない。じっくりと腰をおろして、自分にあった「勉強法」を実践すればいい。
鎌田氏のいう「一生モノ」とは、一生使える、という意味だろう。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。
紙の本
一生モノの勉強法
2009/06/12 19:54
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:北に燃える戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書き出しのところで「仕事が出来る人は確かな教養を持っている」という記述があるが,確かにそのとおりだなあと思う。
この本は,ビジネスマンにはどのような能力が必要かという理論面に
その能力を磨くためには,どのようなノウハウが必要かということが
具体的に書かれている。パソコンという近代的な方法に加え,アナログ的な方法も紹介されており,納得させられることしばしばである。
東大卒京大教授「児童書は入門書の宝庫であり,児童書を読むのは恥ずべきことでも何でもない」に言われれば,児童書を電車の中で堂々と読む
勇気が出てくる。
根性論ばかりふりかざす方法論の本もあるが,この本にはそういう
期待はずれの面はないであろう。
こういう類の本には珍しく,索引があることも付言しておく。
紙の本
勉強の基本のキ
2016/10/06 16:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強において重要な、本質的なことを、わかりやすく教えてくれる本です。
具体的な、いわゆる「テクニック」は少ないですが、実践できそうな工夫はたくさん載っています。
その工夫も、新しい、というわけではないけれど、有用なものばかりです。
温故知新、というのは少し違うかもしれませんが、自分の勉強を見直すいいきっかけにはなると思います。
紙の本
著者が実際にやっていること
2015/12/27 08:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こばよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が実際にやっていることを詳しく書かれているため、
イメージがしやすい。読みやすいので、時間をかけることなく、すぐはじめられるようなヒントを得られる。
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最近の書店を眺めてみると自己啓発本、
経済本などと併せて人気上位にくる本が
あります。
そう、勉強方法を提示したハウツー本です。
世間的に一流の域にある人は、自分なりの勉強方法が
ありますので、プロの数だけ勉強法があるといえます。
そして、これだけ勉強本が発売されると、
どれを読んでいいか悩んでしまいますよね。
そこで、おすすめなのが、この京大教授である
鎌田先生の勉強本です。
鎌田先生は、言います。
アウトプットのためにインプット(勉強)を
求めている。アウトプットを認めてもらえないような
勉強法は、大人にとって「価値」がない。
うーん、厳しいですよねー。
でも、よくよく考えてみると、みんな何か目的が
あって勉強してるわけで、周囲に影響を及ぼし、
社会還元できた時に満足するんです。
だから、承認されることも、大事な要素
なんですね。
こういう鎌田先生だから、一生使える勉強法を
提示してくれています。
○三つの能力を磨くこと。
1)コンテンツ能力
2)ノウハウ能力
3)ロジカルシンキング能力
この3つの能力は非常に大事だと言います。
コンテンツは、知識です。何かを人に説明する場合には、
膨大な知識がベースにないと相手にうまく伝えることが
できません。また、知識そのものがないと内容が空っぽ
になってしまいます。
そして、知識があってもうまく使いこなすノウハウが
必要です。これは、時間をうまく使いこなすことや、
パソコンでのアプリを使いこなす能力だったりします。
そして、最終的には、理論だてて考える能力が必要です。
これがロジカルシンキングです。
物事を論理展開できれば、企画にもできるし、
相手に伝えて納得してもらうことも可能です。
3者をバランスよく身につけることが、成長の早道
のようです。
○自分の時間を増やすこと。
勉強する時間なんてないと言う人がいます。
それは、ウソです。時間は、与えられるものでは
ありません。自らがつくりだすものです。
鎌田先生は、時間は、2種類に分かれるといいます。
「自由裁量できる時間」と「他人に従っている時間」です。
そして、勉強するならば「自由裁量できる時間」をつくら
なければなりません。
たとえば、
○残業をやめてみる。
○他人ができる仕事は、他人に任せて時間枠を増やす。
○通勤電車の時間を利用する。
○仕事の優先順位を決め、処理を早くする。 など
確かに時間は有限なので、自らつくりださない限り、
一生時間がない人生で、慌ただしく終わってしまう
かも知れません。
自分時間をつくりましょう!
○パソコンはアウトプットに使うこと。
これは、そのとおりだと思います。
インターネットがはじまったばかりのころ、
WEBサイトばかり眺めていて、あっという間に時間が
無くなってしまったのを今でも覚えています。
また、毎日送られてくるメールを処理していると、
それだけで時間が無くなってしまいます。
メール達人は、時間を決めてやれと言ってました。
つまり、パソコンは、使い方によっては時間泥棒に
なるので、アウトプットするために使うことを
提唱しています。
この3つのポイント以外にも、
入門書は、最低3冊買えとか、飲み会に2時間以上
いてはいけないとか、面白い指南でいっぱいです。
パっと読んで、すぐに納得のできるおすすめ勉強本です。
そうそう、これは読むだけでは勉強になりませんので、
必ず1つは、実行してくださいね。
それではまた、スズセンでした。
http://ameblo.jp/suzusen/entry-10236002299.html
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書いてある勉強法は勝間和代さんの「自分をGoogle化する方法」と良く似ている.が,さすが年の功,職業の功.とても文章が読み易く,著者の懐が深そうと思わせられ,読んでいて楽しい.実行性もある.(勝間さんの文章,本はわかりやすいけども戦略を持って書いてるな,文章の練習をしてきたな,というのがまる見えなのがときに読んでいて読みにくいのだ.)
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久しぶりに買った勉強法系の本です。
印象に残った点
・週末の予定は5項目から決め打ちするという点。ちょうどGWで時間の使い方に悩んでいたので参考になった。その5項目とは「遊ぶ」「体力づくり」「人脈づくり」「勉強」「仕事の追い込み」である。机に座っていることが多かったので、意識して「体力づくり」「人脈づくり」に励もうと思う。
・年長者からの知恵をもらって上手に生きようという人が最近は案外少ないと書かれている点。どちらかというと、自分は年長者から教えを乞うのが下手である。しかし、教えを乞うことの重要性を再認識させられた。
・投資をしなければ仲間はできないという点。一番難しいのが仲間とウィンウィンの関係を作ること。学ぶ仲間づくりのためには、まずはエネルギーとお金を投資すること。色々な人と食事に行ったり、飲みに行ったりという経験が、後々になって生きてくると書かれている。賛同。ただ、学生時代はお金がないから、どこまで使うべきか悩む。
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「京大理系人気教授の戦略とノウハウ」というサブタイトルがついており、結構売れているようです。
著者は京都大学の火山学者さんで、TVでも活躍しているようです。専門の話ではなく、社会人の勉強法、時間術、情報整理術、読書の大切さ、資格試験の戦略などについて書かれています。
私にとっては、理系教授としての独自のノウハウが紹介されているのかと期待して購入しましたが、目新しいことはあまり書かれていませんでした。
スキマ時間、手帳の有効利用、睡眠時間の大切さ、読書の大切さ、本への書き込み、古典のすすめ、締め切り効果、勉強時間における自分のゴールデンタイム、資格試験はテキストを最初から最後まで覚える必要はない、試験問題は1問目から解く必要はない等々。
どれもどこかで聞いたことがある話ばかりです。
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「京大理系人気教授の戦略とノウハウ」というサブタイトルがついており、結構売れているようです。
著者は京都大学の火山学者さんで、TVでも活躍しているようです。専門の話ではなく、社会人の勉強法、時間術、情報整理術、読書の大切さ、資格試験の戦略などについて書かれています。
私にとっては、理系教授としての独自のノウハウが紹介されているのかと期待して購入しましたが、目新しいことはあまり書かれていませんでした。
スキマ時間、手帳の有効利用、睡眠時間の大切さ、読書の大切さ、本への書き込み、古典のすすめ、締め切り効果、勉強時間における自分のゴールデンタイム、資格試験はテキストを最初から最後まで覚える必要はない、試験問題は1問目から解く必要はない等々。
どれもどこかで聞いたことがある話ばかりです
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一気に読める、読みやすい本です。
中には当たり前のことも多いのですが、いくつかいただきがありました。
いただき1
大人の勉強には、戦略が必要です。勉強した結果が、「アウトプット」に結びつかないと意味がない。
勉強するときは、締め切りを設ける、デッドラインだ。
いただき2
週末の予定は、5項目「遊ぶ」「体力作り」「人脈つくり」「勉強」「仕事の追い込み」オン、オフの両立だ。
いただき3
酒の席は2時間が限界、それ以上は、無駄な時間。
就寝時間を過ぎて勉強をしない、つまり睡眠時間をしっかり確保すること。
いただき4
勉強用のノートはルーズリーフで表だけ使う。遊びをもたせることかな
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★29努力を続けていると、あるとき一気に能力が開花します。その輝きを目にした他人によって、「才能がある」と評されるわけです。
もっとも困難なのは「努力する事」そのものです。
●継続は力なり。他人は経過を見ずに結果だけみるからな。
★140「本に出して読みたい日本語」
●親父に送ろうかな。
目新しいものはないけど、なにか取り入れるとしたら、手帳を書いてみることかな。まだまだ試行錯誤中。
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仕事のための勉強で意識すること
?コンテンツ能力 ?ノウハウ能力 ?ロジカルシンキング能力
武器を身につける意識を持つ 武器は好きなこととは限らない
一回一回きちんと満足することが大事であり、満足することで次の目標がみえてくる。
就寝時間を過ぎて勉強してはいけない。
「読む力」が衰退しているという現状は、逆に読書をしている人のアドバンテージが高いことを意味する。
入門書は最低三冊買う。なぜなら内容に偏りがあるから。
不得意な分野は児童書を見る。「ジュニア新書」や「プリマー新書」
難解とされる哲学書でも長編の文学作品でも「棚上げ法」で読んで問題はない。重要な本なら何度も読めばいい。
古典の書物自体がその中に試行錯誤の過程を含んでいる。このプロセスを追体験することも古典を理解する大事な一部。
努力しだいで記憶の容量を増やすことが可能。佐藤氏は250ページ程度の文庫本を暗記する方法を勧めている。一度このくらいの容量を記憶すると記憶力が飛躍的にアップする。
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【勉強は”場当たり的”にするのではなく、戦略のもとにするもの】
―大人が勉強する場合、人から認められる・仕事で良い成果を残すために行うべき
〜戦略〜
→自分は将来何をしたいのか、どんな人間になっていたいのかを考え
→そのためには、どのようなスキルを身につけて周囲の人たちにアピールしていくか
【仕事で良い成果を残すために必要なこと】
?仕事に関する知識を習得する
―自分の能力の「核」となるもの。基本的な知識に加え、周辺的な知識を習得する
?幅広い知識を使って、とりあえずアウトプットしていく
―周囲の人たちに理解してもらうスキルを身につける
?周囲を引き付けるため、人間的な魅力を磨く
―仕事の知識に限らず、幅広い教養を身につける
【仕事のための勉強には、三つの能力を磨くことを意識する】
→いま自分がやっている勉強が、下記の三つのうち、どれを磨くことにつながっているか確認しておく
?コンテンツ能力
―知識の中身。最終的なアウトプットの前提となる知識。”流通構造やマーケット動向等”
?ノウハウ能力
―仕事のやり方についての具体的なテクニックやハウトゥ。時間内に仕事を進めたり、円滑に行う方法
?ロジカルシンキング能力
【持続させるコツ】
”大事なのは自分の感情や日常の気分に左右されずに努力を維持できるか”
「モチベーション維持の秘訣」
―努力したいと思うような仕掛けが必要―
→低いレベルから少しずつ達成感を得る
→一回一回きちんと満足する
『この一回一回の小さな満足が、新たな努力を生み出す』
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大学教授、それも京都大学の教授がこんな本を書くとは。国立大学だと怒られたりしないのだろうか。とにかく、あけっぴろげに、勉強法(というか、これまでの生き方や、大学教授へのなりかた)が書いてある。どこかで聞いたことがあるような話は一切無く、とても新鮮。おすすめ。
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『一生モノの勉強法――京大理系人気教授の戦略とノウハウ』(鎌田浩毅、2009年、東洋経済新報社)
本書は「大人のための勉強法」(=会社での勉強、社会での勉強、成功するための勉強)の方法論を紹介した本である。
筆者は「仕事で良い成果を残すために必要なこと」として、(1)仕事に関係する知識をインプットすること、(2)幅広い知識を使ってアウトプットすること、(3)周囲の人を引きつけるために人間的魅力を磨くこと、の3点をあげる。
そして「仕事のための勉強法」として、(1)コンテンツ能力、(2)ノウハウ能力、(3)ロジカルシンキング能力をあげ、これら3つの能力を駆使して「スペシャリスト」を目指すと良いと言う。ここで、スペシャリストになるということは、「他の追随を許さない「武器」を持つということ」である。
スペシャリストになるための方法論として、タイムマネジメント、情報整理、読む力をつけるための方法、人から上手に教わる方法等を紹介している。参考になる。
(2009年7月3日)