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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2010.3
  • 出版社: 日本放送出版協会
  • サイズ:20cm/315p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-14-081409-3

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紙の本

ヤノマミ

著者 国分 拓 (著)

【石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞文化貢献部門(第10回)】【大宅壮一ノンフィクション賞(第42回)】奥アマゾンで1万年にわたり独自の文化と風習を守り続ける人々、ヤノ...

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ヤノマミ

税込 1,870 17pt

ヤノマミ

税込 1,466 13pt

ヤノマミ

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商品説明

【石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞文化貢献部門(第10回)】【大宅壮一ノンフィクション賞(第42回)】奥アマゾンで1万年にわたり独自の文化と風習を守り続ける人々、ヤノマミ。彼らと150日間におよぶ長期同居生活を送った著者が、我々の価値観を揺るがす剝き出しの生と死をつづったルポルタージュ。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

国分 拓

略歴
〈国分拓〉1965年宮城県生まれ。早稲田大学法学部卒業。NHKに入局、大型企画開発センター・専任ディレクター。

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書店員レビュー

ジュンク堂書店吉祥寺店

本書は優れたドキュメ...

ジュンク堂書店吉祥寺店さん

本書は優れたドキュメンタリーであるとともに、著者が迷い込んだ長く深い思索の旅の記録です。
アマゾンの奥地で、原始の生活を維持するヤノマミ族。そのドキュメンタリーの撮影の為に過ごした彼らとの生活を、著者はその耳と皮膚感覚を頼りに伝えてくれます。闇夜に響く笑い声。唸るようなシャーマンの祈祷。雨の音や砂まじりの風。虫や蝙蝠の羽音。リアルな再現描写によって疑似体験する彼らとの暮らしは当然易しいものではなく、それでも衝突と和解、混乱と理解を幾度も往還しながら、懸命に彼らに歩み寄ろうとする著者へと、私たちは同化していきます。そしてその先に辿り着くのは――残念ながら生ぬるい共感や感動でも、楽観的な結論でもありません。そこに横たわる途轍もなく大きなものを目の当たりにした時、私たちは著者とともにただただ立ち尽くし、途方に暮れることになります。
ドキュメンタリーとは、優れた作品ほど安易な結論など提示せず、読者を終わりの見えない迷宮的思考へと誘うもの。その意味で、本書も間違いなくその例に漏れない作品であり、また著者の狙いもきっとそこにあると思うのです。

ジュンク堂書店松山店

夜の闇には明々と光が...

ジュンク堂書店松山店さん

夜の闇には明々と光がともされ、乾いた電子音の中で生きる文明に侵された私たちは、そうでない世界を生きる人達のことを簡単に言葉にはできない。そこにはどうしてもおこがましさが含まれてしまうからだ。
しかし私たちはなぜかそんな世界に惹かれ、時に言葉にできない何かを感じずにはいられない。ヤノマミ族はその際たる人々ではないだろうか・・・。

森に生まれ、森を食べ、森に食べられる一生。
精霊と共にある世界観、生死観。

ヤノマミの真理は人間の真理であるように思われた。でもそれも、著者の言う私たちの社会の尺度で考えたものなのかもしれない。
しかし、彼らの世界に触れたことで感じる何かは、ずっと読者の心に何かを問いかけ続けるに違いない。  松山店 人文書担当

ジュンク堂書店那覇店

アマゾンの奥深くに今...

ジュンク堂書店那覇店さん

アマゾンの奥深くに今なお原始の暮らしを続ける「ヤノマミ」と呼ばれる先住民がいるという。彼らは我々が生きる文明社会とはあまりにかけ離れたところで人間の本性剥き出しの姿で生活していた。
そんな純粋さと残酷さを合わせ持った彼らの文化・精神世界に触れたとき、人間とは何なのかということを考えずにはいられない。 人文担当

ジュンク堂書店西宮店

アマゾンで1万年以上...

ジュンク堂書店西宮店さん

アマゾンで1万年以上も独自の文化を守り続けるヤノマミ族。
ドキュメンタリー番組の収録のため現地を訪れ、彼らと150日間の共同生活を綴ったルポルタージュ。

文明から見た未開の生活を、理想郷のように考える人は多い。
それは決して誤りではないのかもしれないが、
自然と共に生きるとはどういうことか、この本で深く考えさせられた。

最も印象に残ったのは彼らの生命観について。
ヤノマミの世界では産まれたばかりの子どもは人間とは認められない。
彼らは精霊であり、人間として育てるかは母親だけが決めることができる。
もしくは、子どもは精霊のまま「天に帰す」ことになる。
つまり母親自ら子どもを殺してしまうのだ。

ショッキングなシーンだし、野蛮だと断罪するのは簡単だ。
しかし著者はいう。「その理由とは、言葉では説明できないくらいの、
途轍もなく大きなものなのかもしれない。それなのに、理由や基準を
知りたいということは、彼女の決断を僕たちの社会の尺度から測ること
なのではないか」と。
決してユートピアではないけれど、魂を揺さぶられるような読後感があります。

西宮店文芸書担当

ジュンク堂大宮高島屋店

最後の石器人といわれ...

ジュンク堂大宮高島屋店さん

最後の石器人といわれるヤノマミ族。アマゾンの奥のまた奥にある未踏のジャングルで暮らしていたため、奇跡的に「文明」による厄災(虐殺・病原菌等々)から免れることが出来た、一万年にわたる独自の伝統と風習を保ち続けている民族である。
ブラジル政府および部族の長老7名と10年近い交渉の末、TV局として初めて150日にわたる長期の同居、取材が許された。その後NHKスペシャルで放映、大反響。この書籍は、取材したNHKのディレクター国分氏のルポである。
生まれてきた子どもを「精霊」として森に返すシーンなど、かなり衝撃的ではある内容だが、死と生について、善と悪について、かなり深く考えさせられる。
著者は帰国後、心身が壊れたとあとがきで述べている。「レヴィ=ストロースが言ったように、彼らは暴力性と無垢性とが矛盾なく同居する人間だ。善悪や規範でなく、ただ真理だけがある社会に生きる人間だ。そんな人間に直に触れた体験が僕の心をざわつかせ、何かを壊した」と。

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ジュンク堂書店大分店さん

先日、インドネシアで樹上生活を送る部族を”発見”というニュースが流れ注目を集めた。”発見”というのはあくまでも我々の側から捉えた視点に過ぎないのではあるが。 そんな私達は自分自身の生活様式、考え、風習等が異なるヒト・モノ、しかもその度合いが大きければ大きい程、その対象に対して大きな興味、関心を持ってしまう。過去から永きに渡ってその様な関心を抱かれ続けてきた人々の代表格ともいうべき存在であるヤノマミ族についてのルポであるこの著作。昨年NHKで流れた特集番組とも連動しているのであるが、彼らの日常生活をありのままとらえた場面場面から受ける衝撃は映像であれ活字であれ変わる事はない。そして考える。 性とはなにか、生とはなにか。


             大分店 店長

ジュンク堂書店松山店

みんなのレビュー81件

みんなの評価4.6

評価内訳

紙の本

人も動物も、生も死もすべてが大きな空間の中で一体となっている世界

2011/06/15 22:45

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タイトルの「ヤノマミ」とは、ブラジルとベネズエラにまたがる深い森に生きる先住民の部族の名前であり、「人間」という意味である。
 1492年にコロンブスがやってくる以前、南米大陸には多くの先住民が暮らしていたが、多くの部族は「文明」側によって持ち込まれた病原菌によって絶滅した。
 「ヤノマミ」は「文明」による厄災から免れた奇跡的な部族である。それはアマゾンの奥の奥、未踏のジャングルで暮らしていたため、虐殺や病原菌による絶滅から逃れることができたのだ。
 著者は2007年の11月から2008年の12月にかけてドキュメンタリー番組を作るため今なお原初の暮らしを続けている「ヤノマミ」族と150日間同居した。本書はその150日間のドキュメントである。
 
 赤道直下の未踏のジャングルの中の生活は、朝6時きっかりに陽は昇り、夕方6時きっかりに陽が沈む。あとは漆黒の闇。森の奥の暗闇には、巨大なムカデ、噛まれれば二時間で死ぬと言う毒蛇がすんでいる。
 便意をもよおして茂みに入っても、毒蛇におびえ、吠え猿の声や、肉食獣のジャガーのうなり声の中、速攻でしなければならない。
 
 「ヤノマミ」族との暮らしは、事前に同居の了解を得ていたにもかかわらず、目の血走った男に「お前たちは敵なのか、災いを持ってきたのか、敵なら殺す」と凄まれる中での生活がはじまる。
 アマゾンの未踏のジャングルに原初のままの生活をしている部族の生活ぶりが刻々と描かれていて、言葉を集めて理解すること、意思の疎通を図ることからはじまり、男の役割、女の仕事、狩の様子(猿狩り)、名前の付け方、結婚と性、シャーマンの存在と祈祷、精霊と出産、文明がもたらしたものなど章だてて150日間の生活がドキュメントされている。

 最も印象的な場面は出産である。ヤノマミの女は必ず森で出産する。ヤノマミにとって産まれたばかりの子供は人間ではなく精霊なのだという。精霊として産まれた子供を人間として迎え入れるのか、それとも精霊のまま天に返すのか、それは母親が決めるのだ。
 産まれたばかりの子を殺めてしまう母の決断はいったい何なのだろうか?女たちは習慣とか伝統とか経済といった小さな理由でなく、もっと大きな理由。善悪を超えた大きな理の中で決断している。その理が何かと問われれば、森の摂理としか言いようがないと著者は言う。「文明」側からのものさしで彼らの理をはかることはできない。
 子供のなきがらはシロアリの巣に納められ、シロアリがすべてを食いつくしたあと、巣と共に燃やされる。
 文明社会では殺すもの(家畜)と食べるものとが別人だから、何を食べても心が痛まない。しかし、彼らは、生きるために殺し、感謝を捧げてから土に還す。「死」が身近にあって、いつも「生」を支えているのだ。
 ヤノマミにとって死後は精霊となって「ホトカラ」(天空)(宇宙)という「第二の生」を送る場所に行くと信じられている。
 彼らには、人間と精霊、天と地、生と死がつながっているのだ。人も動物も、生も死もすべてが大きな空間の中で一体となっている。優劣とか善悪とか主従ではなく、ただあるものとして繋がっているのだ。
 未踏のジャングルの中の部族にも、「文明」が侵食してきだした。このドキュメンタリー製作もそうであるが、文明の利便性や、シャーマンの祈祷では治せない病を文明人の薬で治ることを知ってしまった彼らが、ナイフを捨てて石器にもどることができるだろうか。
 本書によって、彼らの固有の文化や伝統、生活を知ることができたが、彼らの生活がこれからも営々と原初のままでいられるだろうか。
 知らない世界を覗かせてもらった感動にひたりながら、未踏のジャングルに入ってしまった「文明」をひそかに憂う気持ちになった。
 
 

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紙の本

ヤノマミの森での壮絶な150日の記録

2011/05/03 21:59

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Shinji@py - この投稿者のレビュー一覧を見る

死者の弔い方は文化の鏡と言われるが、ヤノマミは遺骨を食べる。

本書は、生まれたばかりの子供を白蟻の巣の中に入れる衝撃的な場面が話題になったNHKのドキュメンタリー『ヤノマミ』を制作した著者の渾身のルポタージュ、南米アマゾンの先住民族ヤノマミの村で生活を共にした合計150日にもわたる命がけの取材の記録、映像にできなかった多くのエピソードを含む貴重な学術的資料である。囲炉裏に埋めた死者の骨を食べる「死者の祭り」は撮影が許されなかったそうだ。

「ナプ急げ!」狩りの取材では、子供たちにそう言われながら、取材スタッフたちは必死で森の中の彼らを追う。「ナプ」とはヤノマミ以外の人間、もしくは、人間以下のものという意味だ。けっして批判の目を向けない取材姿勢が、ドキュメンタリー『ヤノマミ』を生んだことがわかる。

生と死、自然と人間が混然一体となった世界が広がる。それは、私もかつてやみつきになったガルシア=マルケスの『百年の孤独』の世界だ。例えば、4年と11か月と2日雨が続いたという挿話も、ヤノマミの森では違和感がないと著者は言う。

本書終盤では、徐々に「文明」側からの視点に移り、ファンタジーの世界から引き戻される。ブラジルでの先住民保護の運動にも触れ、政治の世界で戦うヤノマミも紹介される。町に研修に来ていたヤノマミを、著者が取材の帰りに訪ねたとき、脇に置いてあった弓が空港の土産物のようだったそうだ。森ではあれほど頼もしく見えた物が。余計な劣等感を感じないで森に帰ってほしいと著者は願う。

映像ではあまり印象になかった「偉大なシャーマン」の言葉の意味や製作者の意図が本書を読んでわかった。オマム(神)の知恵を「ナプも知らねばならない」とシャーマンは言う。ヤノマミの村がこのままであってほしいと私は思った。

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紙の本

母親が選ぶ「生」

2016/05/25 22:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る

10年間もブラジル政府と交渉し、取材を許可されたドキュメンタリー。
テレビ番組を見たことがきっかけで本も手に取った。
ヤノマミ族としてはベネズエラとの国境沿いにもいるそうだ。

もっとも衝撃を受ける場面は、ヤノマミ族では、生まれた赤ちゃんを育てるかどうかを決めるのは母親であることを、実際の映像で目にするときだ。
それは、赤ちゃんを人間として育てるか、精霊として天に還すかの選択である。

出産直前になった母親は一人で森の中に姿を消し、出産する。
出産してへその緒がついている状態で、母親が抱き上げるまでは、赤ちゃんはまだ「精霊」だという。
その後「育てる」ことを選択したら、バナナの葉に胎盤をくるみシロアリに食べさせ(出産の儀式)、赤ちゃんを抱いて村に連れ帰る。
しかし、「精霊として返す」選択をしたときは、へその緒がついたままバナナの葉にくるみ、アリ塚に入れる。赤ちゃんはシロアリに食べられるのだ。シロアリが赤ちゃんを食べた後、そのアリ塚を燃やし、神に報告する。

ドキュメンタリーでは、夜の暗闇の中、生まれたばかりの赤ちゃんを足元に置き、見つめている母親の姿もとらえている。「首をしめ、シロアリの巣に入れた」という言葉も紹介する。

精霊に返すことを選ぶ理由はいろいろあるが、狩りで生きる生活で食べさせていけるのか、また赤ちゃんの父親や村の意向も実際にはあるらしい。

ただ、母親が生んだ赤ちゃんと戻ってきても、一人で戻ってきても、誰も何も聞かない。ただ、受け入れる。
赤ちゃんと戻ってきたら、部族の一員としてみんなで育てる。

ヤノマミ独特の世界観に基づく行為だ。
てっきり、精霊になるのが最後なのだと思ったらそうではないらしい。
なんと、精霊もやがて死ぬというのだ。
その後、男はハエやアリとなり、女はノミやダニになって地上に戻る。
地上で生き、天で生き、虫となって消える。

極楽浄土、輪廻転生、神による救済と違う世界。

本も淡々とした筆致で好感が持てるし、ぜひ番組映像でも見て欲しい作品。

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電子書籍

人間の根源をヤノマミに見る

2015/11/13 14:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はらまき - この投稿者のレビュー一覧を見る

シンプルに生きたい。そう思った時に手に取るといいかもしれない。
アマゾンの森に住むヤノマミは、人間の原始に近い生き方をしている。そこでは生と死が身近にあり、善と悪の感覚は先進国に生きる我々と似ているところもあるが、根本的にまったく違う。
男女をめぐる諍い、これはほぼ我々と同じで、所有欲も浮気も別居もある。
生きること食べること恋をすること、祭り、そして忌み嫌われる「死」。

システムを作りこみ過ぎて歪んでしまった現代社会に問いかける何かが、この本にはある。

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2010/04/28 03:37

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2010/05/26 11:33

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2010/06/18 21:00

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2010/07/29 00:57

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2010/08/20 01:42

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2010/08/21 14:48

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2010/08/25 12:14

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2010/10/06 17:40

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2012/06/27 20:33

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2011/01/12 00:12

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2011/01/11 11:03

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