紙の本
正義とは
2015/03/26 17:39
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投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫版でなく単行本の方の帯では、「護りたいものがあった。許せないものが、ある。」とあったけれど、寡黙な真田一尉の叫び、思い、まさにそのもので、多くを語らない人物だけに胸に迫る。それはまたこの物語だけに終わらず、現実においても不条理なモヤモヤが多くある社会だからこそ、この彼の言葉は胸に響くのではないか。義母と妻とまだお腹にいる子供を嬲り殺しにされ、犯人の少年達は捕まるが、様々な思惑が絡んで、無罪にも等しい保護処分の判決。その後実行していく真田の行為を、刑事はテロリストとよぶ。断じて法治国家では認めてはならない行為と糾弾するが、司法がそもそも正常に機能していたら、真田は実行しなかったのではないか。ほとんどが泣き寝入りに終わる中、たまたま実行できる実力を持った男の家族に手を出した少年達は自業自得の感もあるが、彼の行き過ぎた行為も喜べるものではなく、真田自身も全然救われていない。真田はただ復讐で終わらすのではなく、全ての人に問題を提起する。彼も被害者であり、司法が機能していない国の犠牲者で、忘却を許さない前代未聞の殺戮の上に投げかけたそれに、どんな答えを出したのか、本編はこれで終わるが、是非ともこの物語の続きがあったらその後を知りたいと思う。
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ゴルゴタ
2021/04/10 12:07
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投稿者:ケロケロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
簡単に言えば、展開がすごい。映像が目に浮かぶ。主人公が強すぎる。
大切な人を失ったら、自分ならどうするのか考えさせられる。
主人公の気持ちが分からないでもない。
また読もうと思います。
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陸上自衛隊に所属する真田の妻が殺された。妊娠六ヶ月だった。
加害者は五人の少年。無罪に等しい刑が下される。覆らない審判。何かがおかしい。どうすることもできなかった真田は黙って姿を消す。
その一年後、かつての加害者達が殺される事件が起こる。
ヤングガン・カルナバル以外で初めての深見真作品。
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最強と謳われる陸上自衛官・真田聖人の妻が惨殺された。妊娠六ヶ月、幸せの真っ只中だった。加害少年らに下った判決は、無罪にも等しい保護処分。
―この国の法律は真田の味方ではなかった。
―憤怒と虚無を抱え、世間から姿を消した真田は復讐を誓う。
男は問う―何が悪で、何が正義なのか、を。
本物の男が心の底から怒りをあらわにしたその瞬間...。残酷で華麗なる殺戮が始まった。
重厚で濃密なテーマと、ガンマニアなのが一発でわかる作品だろう。シナリオは単純であったけど、妻の事件においての犯罪事件もしっかりと伏線になっていたのはやはり以外というほかない、この事実がこの作品のテーマを単純ではなく重くしていったのだということがわかる。唯一の救いは妻の殺害描写がなかったことだろうし、youtubeとかいろいろと頭よすぎだろ真田、もはやこの男だけで国家転覆とかできそうないきおいだろおいと突っ込むほどに強すぎる。
まあそれでも、グロさと無慈悲なまでの冷酷的な現実の描写は「さまよう刃」が好きな人には好みなのかもしれない
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あらすじだけでも十分わかりますが、人を選びます。
復讐者の物語は、結局本人の超人性も、さらに大きな権力に潰されかけながら、相討ちまでなんとか持ち込んだ。そんな流れのストーリーに終わる事が多いですが、そんな凡百の流れにならなかった事に揺さぶられるような感動を覚えました。
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前作が面白かったのでこの本を手にしました。妻を殺され心情的に分からなくはないですが・・すごいですね。前作もそうでしたが、戦闘シーンを描くとき作者はとてもイキイキしてる風に感じます。
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☆3.6
最強と謳われる陸上自衛官・真田聖人の妻が殺された。犯人は未成年グループだったため、保護処分で済んだ。
真田は問う。正義とは何か、悪とは何か。残酷で華麗な復讐が始まった。
真田は真田の正義を、警察官の長間は長間の正義を貫いていて、双方に譲れないものがある。だからここで起きているのは戦争なんだ。
個人的には、古馬里香が真田側についた理由がよかった。一般的には色恋に走りそうなシチュエーションだけど、そうじゃなかった。
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米映画『完全なる報復』(Law Abiding Citizen 2009年)との類似点がかなり多いように思えた内容でしたが、コチラは2007年の作品ということで、コチラの方が先んじていた、ということになるんでしょうか。
ぃゃぁ濃い内容でした。サイドストーリーが中途半端だったり、ご都合主義なども多少はありますが、豊富膨大な軍事マニアチックな知識・情報量(特に銃器に関する知識はマニアックすぎるほどw)に裏づけされた壮絶な復讐劇に、どうしても目が離せなくなる一気読み必死の1品。
この国では、復讐による殺人事件はまず起こらないし、過去にも起こったことがない、というのは確かにそうだろうな、と思わされます。どれだけ陰湿で凄惨なむごたらしい事件が起こっても、その被害者遺族が犯人に対して復讐・報復殺人を実行に移した事件、というのを知らない。せいぜいが、米国での事件くらい(娘を殺された父親が、TVカメラの前で犯人を拳銃で撃ち殺す、あの有名な映像)。
そう考えると、フィクションとして成立しにくいのかというと、逆にそういった私的復讐劇の物語は古今東西で枚挙に暇がない。ならば、どれだけリアリティを持たせられるか、読者や観客にどれだけ強く訴えられるものがあるか、どれだけ深く共感を得られる復讐なのか、というのが重要なところで、そこを見事にクリアした作品の1つに、この作品も加えられると思えます。
読み手を選ぶかも知れませんが、読み応えのある重厚なアクションにもなっています。でも、内容からして 実写化 は無理だろうな~w
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家族を未成年の少年達によって惨殺され、復讐のためテロリストへて変貌していくという男の話。
復讐していく中で、殺していく描写はリアルすぎるもののここまで犯人を応援したくなる小説ははじめてです。
結局、正義って何だろって考えさせてくれる小説です。
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復讐の動機となる事件の描き方は拙い感じ。まあ、ここまで残虐なこされるとそりゃあ怒るわなあ、と思わせるような事件を淡々と描いている。
一方でその後の復讐の過程は一転してスピード感が半端ない。特に加害者だけじゃないあたりが斬新。今後が楽しみ。
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陸上自衛官で最強と言われた主人公の身重の妻を陵辱した上に母親と共に惨殺した五人の不良少年たちに復讐を果たす物語。
正義とは何か、少年法、集団的自衛権など社会問題を盛り込みながら、主人公が悪と認識したものは悉く抹殺していく極上のエンタテインメントに仕上がっている。
これ、間違いなく映像化を念頭に置いた作品では無いだろうか。
そのくらい微笑がリアルで生々しい。
聖書を読んで主人公が学んだと言う「憎しみで人を殺してはいけない」というこのフレーズにこの物語の全てが詰まっているのではないだろうか。
リアルと言えば、銃器関係の描写、格闘の描写など、かなりマニアックで、ミリタリー好きには堪らないだろう。
逆に犯人の少年達を拷問するシーンはあまりにリアル過ぎて、こういうのがダメな人は気分を悪くするはず。
全体的にもテンポが良くて読みやすく、一気読みしてしまった。
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妻とその母親を殺された最強の元自衛隊員が復讐をする、その過程を元自衛隊員側、その復讐劇を捜査する刑事側の2つの視点から描いた話。
武器の細かい説明が多く、そこは分からなかったので読み飛ばした。また、妻たちが殺されるまでが案外長く、「本編はいつ始まるのか」という気持ちになったが、登場人物たちの性格を詳細に表現するには必要だったのかもしれない。
また、元自衛隊員の信念にとても納得したし、一度ストーリーが動き始めると爽快感があった。
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面白かった!!
銃の説明が長くて流したけど、やられた以上に残酷にやり返しててスッキリ!拷問の描写がうまい。
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面白かったです。
内容は、まぁ重たいですけど。
続きが気になって、一気に読めたし。
犯人側の人たちはとんでもないけど、逆側にいる人たちはみんな結構魅力的。
ラストは、賛否両論でしょうか。
私は、「賛」でしたけど。
ただ、諸手を挙げて「賛!!」というわけには…
個人的には、主人公のラストよりも何よりも別の人物が想定外に怖くて、一番の衝撃だったかもしれない。
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面白かった。
とにかく凄すぎですね。
激しすぎて、少しだけ冷めて読んでしまうところが
ありましたが、最後の終わり方が良かったですね。
勢いよく最後まで引っ張ってもらえたと思います。
ちょっとだけ、武器に対する記述がめんどくさく感じてしまうところがありましたが、よかったです。