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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2010.10
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/389p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-771374-9
紙の本
チア男子!!
著者 朝井 リョウ (著)
柔道の道場主の長男・晴希は大学1年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。しかし、無敗の姉と比べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部...
チア男子!!
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商品説明
柔道の道場主の長男・晴希は大学1年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。しかし、無敗の姉と比べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部。同じころ、一馬もまた柔道をやめる。一馬はある理由から、大学チアリーディング界初の男子のみのチーム結成を決意したのだ。それぞれに事情を抱える超個性的なメンバーが集まり、チームは学園祭での初舞台、さらには全国選手権を目指すが…。【「BOOK」データベースの商品解説】
【高校生が選ぶ天竜文学賞(第3回)】幼い頃から柔道に打ち込んできた大学1年の晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部。同じころ柔道をやめた一馬はある理由から、大学チアリーディング界初の男子のみのチーム結成を決意する−。笑って泣ける長編スポーツ小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
朝井 リョウ
- 略歴
- 〈朝井リョウ〉1989年生まれ。岐阜県出身。早稲田大学文化構想学部在学中。2009年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞。
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紙の本
王道の青春小説でこんなに感動するとは
2010/12/07 11:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『桐島、部活やめるってよ』で鮮烈なデビューをした
現役大学生の新人作家。
受賞後第1作目の本作は、王道のスポーツ青春小説。
柔道場を経営する父親に育てられた晴希(はるき)は
当然のように柔道の道に進みます。
しかし、自分の実力がそれほどでもないことに気づき始めます。
一方、姉は着実に強くなっていきます。
ケガをきっかけに柔道をやめた晴希に
親友の一馬が男子のチアリーディングをやろうと誘います。
両親がなく、祖母しかいない一馬もまた
祖母に笑顔を取り戻させるために
両親がやっていたチアリーディングに賭けようとしていました。
挫折とまっすぐな思いと復活。
それにチアの仲間たちとの葛藤と理解。
メンバーのキャラクターも目立ちたがり、頭脳派、
おデブの運動音痴、極道など王道。
もう、本当に踏み外すことなく青春小説のセオリーを
踏襲していきます。
ところが、ちっとも退屈でもなければ
恥ずかしくもない。
グイグイと彼らの汗臭い青春に浸ってしまうのです。
266ページで
「チアリーディングは、チームの中の関わりがチームを強くしていく。そして、チーム同士の関わりが、チアリーディングそのものを輝かせる。そんな競技、他にない」
といわれるに至って、ジンと感動してしまいました。
年をとって、青春小説がつまらなくなっていたのに
再び、こんな感動に出会えるとは思いませんでした。
なにかとてつもない力を持った作家ですね。
ラストの全国大会シーンと、
練習後の反省ノートを回し読みした際の感想が
クロスカッティングされるところは
書き下ろしならではの長回し。
プロットもうまい。
紙の本
チアを通して彼らは次の高みをめざす。朝井リョウ「チア男子!!」。
2010/12/21 19:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウのデビュー2作目。最後ま
で読んでやはり彼は力のある作家だと確信した。はっきり言って、前半
は感心しない。ムダな表現があまりに多すぎるのだ。ムダがすべてダメ
というわけではないが、青春スポーツ小説のそれはテンポを生み出さな
い。致命的な欠点だ。最初の柔道の部分も長過ぎる。全10章のうちの6
章後半からようやく良いテンポが生まれ、そこからラストまでは気持ち
よく読める。それだけに前半のムダが惜しい。
そのタイトル通り、これは男子だけのチアリーディングチームの物語
だ。柔道をあきらめチアを始める晴希、誘ったのは友人で柔道でもライ
バルだった一馬だ。最初は7人、最終的には16人の大学生たちで作る
チーム、彼らはそれぞれに物語があり、何とか次のステップに進みたい
と考えている。そんな彼らだからこそ「チアリーディング」が必要だっ
た。「チアは本来、観ている人を応援し、希望を、勇気を与える唯一の
スポーツ」だ。そのためには自らもパワーを持っていなければならない。
しかも、メンバー間に強い信頼がなければ強いチームは作れないのだ。
彼らはチアを通して変わり、立ち直り、さらに高みをめざし進んで行こ
うとする。大団円に用意された競技会、2分30秒の演技、そこで作者は、
演技と16人の想いをシンクロさせるという大技に出ている。それは着地
までピタリと決まって本当に見事だ。特に演技の描写が素晴らしい。朝
井リョウ、彼の来年の活躍に期待したい。
ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より
紙の本
熱い熱いチア男子たちの物語。
2012/03/16 20:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
柔道一家に育った晴希。幼い頃から柔道をする姉の背中を追いかけながら育った。自分の才能に限界を感じていた彼は大学生になったばかりの頃の怪我をきっかけに柔道部を辞めた。そして、同時に柔道部を辞めた幼なじみの一馬が言った「俺はハルと新しいこと始める」という言葉でチアリーディングを始めることになる。一馬の亡くなった母親がチアリーディングをしていたのだ。二人っきりで始めたチアだったけれど、徐々に仲間は増えていき…。
チアリーディングというのをちゃんと観たことがないので、いろんな技の名前がどんどん出てくると少し混乱。表紙の裏にあるイラストを見ながら確認できるものもあったけれど、そうじゃないものはとりあえず名前だけ覚えるって感じになった。うーん…。もっといろんな技を図解してくれるとイメージしやすかったかなぁと残念。けれど、登場する大学生の男子たちのキャラクターは魅力的で、いろんな傷を隠しながら強がってる姿は、微笑ましくもあり、切なげでもあり。
チアリーディングを初めて数ヶ月で形にしてしまう身体能力には驚いてしまう。そのトレーニング方法について詳しく記されているので、それなりにリアリティもある(流れた時間と内容の濃さにギャップは感じるが…)。でも、そんな細かなことはどうでもいいんだ。彼らのチアに懸ける思いが熱い。それぞれに大事なものを目指してステップアップしていく。
学祭での舞台を目指してスタートしたチアメンバーは7人。初舞台が終わったあと、チアリーディング全国選手権を目指して再スタート。メンバーは16人になっていた。
16人というのはチームとして成立する最低限の数字なのかな? 第二ステージから加わった9人だけれど、あまり触れられなかった男子もいた。もったいないなぁ…。ヤクザな世界に憧れている"金"さんの舎弟、"銀"と"銅"なんていっつも二人一組扱い。それでもスポットライトはほとんど当たらなくて。人数を減らすわけにはいかなかったんだろうか(舞台の様子を読むと16人は必要だったんだろうという印象も受ける)。少しキャラがかぶることもあって、名前がちゃんと頭に入るまでは混乱するところもあったかな。
途中で少し読むスピードが落ちて、時々止まったりもしたけれど、最終章は泣きながら読んだ。お互いにぶつかりながらも最後はチームとして一つになった彼らの気持ちが熱すぎて、涙が止まらなかった。だから朝井さんの文章は好きなんだ。
「星やどりの声」が朝井さんの作品では一番好き。この作品は二番目かな。最新作も早く読みたい。
紙の本
第2作目は明るいスポーツ小説!
2010/10/22 14:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nyanco - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞され、本作は第2作目。
どんな作品を書かれるのかと楽しみにしていました。
今回は男子チアリーディング部のお話。
高校生の日常を描かれた前作、本作はスポーツに取り組む思いっきり青春な作品でした。
青春のブルーな部分を描かれる作家さんだと勝手に思い込んでいたので、この楽しい作品に最初は少し戸惑いました。
「自分が読みたい物語を書く」という朝井さん、楽しみながら書かれた感じが伝わってきました。
実は息子と同い年…、紹介動画を拝見すると朝井さんと言うよりリョウ君と感じてしまう(ゴメンナサイ)
昨年は男子新体操が脚光を浴びましたが、次は「男子チア」か!
映像化されるかも…
ハルとカズの抱えていたものを描こうとしている感じは良かったのですが、どうしても後半、全員のメンバーについて描こうとして無理があったかも…。
16人のメンバー全員について描きたい気持ちがとても伝わるのですが、そのためにぼやけてしまったのがちょっと残念。
各々のキャラはとてもいいんだけど、群像劇ってやっぱり難しいんだね。
金くんのバッグから覗いていたバスケットマンガの掲載誌も確か同じ出版社さん…、あのコミックのチア男子版って感じで楽しく読めました。
取材元の男子チアチーム「SHOCKERS」って、リョウくんの学校なんですね。
紹介ビデオにも出ていて、こちらも興味深い!
アメリカの男女混成チームを見たことがあるので、あれを男子だけでやったら確かに凄くカッコいいかも!
「SHOCKERS」の今年の学祭のステージ、もう終わっちゃんたんですね~。
う~ん、残念!
さて、若い作家のリョウ君、次は何を描くのか…楽しみにさせていただきます。