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紙の本
くくるくる (ガガガ文庫)
著者 一 肇 (著)
高校入学式の翌日、語木璃一は公園で一人の女の子に出会う。その少女は桜の木の枝に荒縄をくくりつけている。うーん、ひょっとしてこれは首吊りってやつですか?桜の花びらが降り、少...
くくるくる (ガガガ文庫)
くくるくる(イラスト簡略版)
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商品説明
高校入学式の翌日、語木璃一は公園で一人の女の子に出会う。その少女は桜の木の枝に荒縄をくくりつけている。うーん、ひょっとしてこれは首吊りってやつですか?桜の花びらが降り、少女が宙に浮かぶ…と、同時にぶちんと音がして少女はそのまま落下!「げうー。もう百二十二回め!また首吊りに失敗!」—自殺を試みようとするたびに天変地異が巻き起こり絶対に死ねない少女・なゆた。そんな彼女に一目惚れしてストーキングする少年・璃一。桜の下で巡りあい“括る繰る”でクルクル回る不思議な恋物語のはじまり。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
死ねない少女が死にたい理由
2011/01/27 19:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
語木璃一は、桜の木から吊り下げた荒縄の輪に首をかけ、自転車の荷台の上に立つ密森なゆたと出会う。誤解の仕様もない自殺の光景だ。ところが枝は折れ荒縄は切れ、自殺は失敗してしまう。なゆた曰く、百二十二回目の自殺の失敗。死のうとしても死ねないという彼女の特質に「なゆたエフェクト」と名付けた語木璃一は、なゆたの記録者を自認して彼女に付きまとう。いわゆるストーカーだ。
ありとあらゆる手段で自殺に失敗したなゆたは、世間を騒がす猟奇殺人者キリングKを探し、殺してもらおうとする。一方、璃一はなゆたが死のうとする理由を調べ始めるのだった。
自ら望んで自ら命を断とうとする少女と、対価を得て人を殺す殺人鬼、そして最後に明かされるもう一つの勢力の視点から、死ぬことと生きることの意味を問いかける作品だ。
自殺はいけない、人を殺してはいけないというのは一般的には全く正しいけれど、自殺をしようとか人を殺そうと思い切る過程には、そうせずにはいられない理由があることもある。ただ正論を唱えるだけでは、それを翻意させることは容易ではない。
最後にすごい機関が出てきて最初の伏線を回収していくんだけど、それはどうしても必要だったのか?生きているかどうか微妙な気がする。ふつうの話で終わっても良かったんじゃなかろうか。