紙の本
この表紙のテイスト、ステキ。 フレーヴィアの顔が出ないところが。
2015/11/22 06:57
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
化学大好き11歳の少女探偵・フレーヴィアの活躍を描くシリーズ第二作。
結局、こうしてまたシリーズものに手を出して続きを読んでしまうよ・・・。
今回の騒動は、フレーヴィアが散歩中の教会の墓地で、困っている若い女性と出会ったことがきっかけ。 実は彼女はテレビで有名だという人形遣いルパートのアシスタントだという。 フレーヴィアの家にはテレビがないから有名人のことは知らないけど。 でも教会の神父さんは知っていて、二人が乗ってきたヴァンが壊れてしまったけど修理代がないことを聞き、教会で人形劇を上演してお金を稼いだら、と提案。
急遽、『ジャックと豆の木』が上演されることが決まり、フレーヴィアはその手伝いに駆り出されることになって・・・という話。
つい、舞台が1950年だということを忘れそうになるんだけど、農場で元戦闘機乗りのドイツ人が働いていたりして、フレーヴィアの感じる“戦後の空気”をこっちも感じてみたりして。 科学知識の実践度も前作以上だし!(でもその大半は姉二人への復讐の道具のために使われるのだが・・・)
小さな町で起こる事件は過去を掘り返し、傷ついた人の心を余計にあぶり出し、知っていると思っていたはずの人を知らない人に変えてしまう。 あぁ、とても基本的(?)なことなのに、すっごくしみじみしてしまうのは何故? 11歳少女視点だから?
フレーヴィアの家庭の特殊性は時代のせいばかりじゃないけど、今回はロンドンからフレーヴィアの味方をなんとなくしてくれそうなおばさんが登場したし、彼女の未来を、その能力が発揮できる道に進めるように祈らざるを得ない。
それはつまり、シリーズの続きを読むってことなんだけどね。
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化学オタクの少女フレーヴィアシリーズ2作目。
墓場で妄想をしていたフレーヴィアは。その帰りに有名な人形遣いとその助手と知り合いになる。故障した車の修理代のために臨時の公演を行うことになり、フレーヴィアはその手伝いをすることになった。1回目の公演の時、フレーヴィアはその人形の顔が、数年前に首つり自殺をしたとされる少年の顔にそっくりだということに気がつく。そして2回目の公演も終盤になったとき、人形遣いが感電し舞台に落ちてくる。犯罪の臭いをかぎつけたフレーヴィアはすぐに捜査を始める。
最近のほかの作品のようなテンポではなく、事件が起こるまででほぼ半分のページを費やす。ただそのゆっくりとした流れと丁寧な人間の書き込みが、このシリーズの魅力になっている。フレーヴィアのはじけたキャラはますます磨きがかかっているが、一方では年相応な少女らしさを垣間見せ、さらに魅力を増した。
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科学と毒物が大好きで
死について考えるのが好きな少女が主人公
物語が進むにつれて
じょじょに見えてくる事件の全体像が
読んでいてとても面白かった
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シリーズ2作目。
11歳の女の子が主人公。
もう少し成長していくのかな?と思ったらあまりたっていないのに、また殺人事件に遭遇?
もっとも、ただの11歳ではありません~化学の天才少女といっていいでしょう。
車の故障で村に滞在することになった有名な人形遣いとその助手の綺麗な女性。
どこにでも自転車のグラディスが走っていく好奇心の強いフレーヴィアは、何かと手伝いながら、起きていくことを間近で目撃。
教会の催しとして行われた人形遣いの舞台で、何と人形の代わりに人形遣いが落ちて来るという事件に。
ド・ルース家は貴族の家柄で大きなお屋敷に住むが、実は他にあまり財産がなく、雇い人も何でも屋の庭師と通いの家政婦の二人だけ。
父は、妻の死後は現実に背を向けて、趣味の切手集めに夢中。
ピアノを弾く長女フィーリーは、綺麗になることにしか関心がない。
次女のダフィは本の虫。
二人は妹に優しくないが、妹の頭が切れて、やり返すのでヒートアップしている気配も。
父の姉でうるさ型のおばさんが訪問、皆いやがっているが~彼女が意外な理解者となり、フレーヴィアに話しかけてくれたことがいいシーンになっています。
しかし三姉妹とも学校に行っていないんですねえ。
1950年頃の貴族だから?イギリスだと義務教育はあまりうるさくないのか?ちょっと前までは家庭教師がいたのかな?
母親の記憶がないため、母が産後うつで末っ子を愛していなかったなどと姉たちに持ち出されるとフレーヴィアは不覚にも涙が出てしまう。
それに男女のことはまだわかっているようで全然わかっていないといった可愛さも。
元気いっぱいで面白いです。
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フレーヴィアが化学の話をしてるところとか、謎解きのあたりとかは結構かなりいいんだけれど、フレーヴィアと家族(特に二人の姉)の仲の悪い描写が好きじゃない。今回も、そのために事件が起きる前に投げ出しそうになった。事件が転がりだしたらあまり気にならなくなるんだけど。
姉たちもまだ子供とはいえ、まだティーンにもなっていない子供が悪意の中にいるというのがダメみたい。
もうちょっとお気楽なコージーミステリぽければいいのに。
でもやっぱり謎解きや化学の蘊蓄あたりは読んでて楽しいんだよなぁ。
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科学好きの11歳の少女フレーヴィアのシリーズ2作目。タイトルの通り事件はちょっとおどろおどろしいのだけれど、フレーヴィアの視点で描かれているので深刻になり過ぎず読みやすいです。戦争でトラウマ体験を抱えているドガーと、フェリシティ伯母さんが味わい深い人物で一作目より楽しんで読了。フレーヴィアがとても生き生きと描かれているのだけれど、作者は70代のお爺さんだそうで、そのことにビックリ。
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テレビで有名な人形遣いが舞台中に死んだ。
事故なのか、事件なのか?化学大好き少女・フレーヴィアの捜査が始まる。
今作はフレーヴィアが実にたくさんの実験をしている。実験で妊娠を判定したり、麻薬を見つけたり。事件捜査だけに留まらず、相変わらずに気に入らない姉への嫌がらせもしたり、で実に忙しい。
その姿が生き生きと描かれているあたりがこのシリーズの肝だと思う。
父親を怒らせるのを心配し、姉の心無い苛めに憤慨し、捜査のためにずかずかと危険な場所へ踏み込んで行くのをはらはらと見、実験結果に欣喜雀躍するのを目尻を下げて眺める。
まるで自分の姪っ子を眺めているような感覚に陥ってしまう。
それほどフレーヴィアの描写はいい。ただ実際にこんな子が近くにいたらちょっとイヤンな気もするけど。
ミステリ部分も、人形遣いの不審な死から始まって、過去の事件と結びつくまでそこそこ面白かった。
ま、過去の事件の状況証拠をフレーヴィアが語るあたりはちょっと無理があるかなあと言う感じではあるけれど。
そしてラスト。
フレーヴィアの捨て台詞がなんとも愛しい。作品中盤での実の叔母との会話がここですごく生きてきて、まだ彼女は11歳なんだと言うことを強く思い知る。
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2作目読了。
フレーヴィアが着実にパワーアップしてますね。
かと思うと11歳らしい揺れる心が描かれてしんみりしたり。
伯母様との交流も良かったけれど、ドガーとのやりとり(ナイフのシーン)もすっごくよかったなぁと…。フレーヴィアえらいぞ!っと。
かと思うと、舌の根も乾かぬうちにあれやこれややらかすんですけれども。
ギャップがたまらないですね。
次作も続けて読んでしまおうかな~。
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シリーズ一冊目(パイは小さな秘密を運ぶ)で挫けてはいけません。…いやわたしも挫けそうになりましたが。
主人公フレーヴィアの不安定さがミステリとしてというよりもジュブナイルとして面白い。わたしが好きなのはP400〜401。11歳の少女のこのたくましいとも酷薄とも諦念とも見える世界への目線。彼女はその発見に悟りに歓声を上げるのだ。
ミステリとしても前作よりフレーヴィアの独自調査が生きている。「それは、われわれがド・ルース嬢ではないからでしょう」そういいねいいね。
できればシリーズものとして、フレーヴィアに歳を重ねていってほしいなと思いつつ、次巻以降もたのしみにします。
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前作よりなんとなく読み易くなった気がする。
今作でも、フレーヴィアの目の前で起きた事件と、過去の事件両方がだんだん絡み合って最後どっちも解決するというパターンだった。
余談だけれど。
ニアラ…イイ大人が11歳の子供に何やってんだろ。
『たったの四ペンス』で彼女もちょっと気の毒だよな…とか思う心は消え去った。
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シリーズ第2弾。前作とは違っておどろおどろしく、禍々しいタイトルだ。今回もまた11歳の少女探偵フレーヴィアの一人称語りが冴えている。ミステリーとしての欠点は、女たちの誰もがフレーヴィアに秘密を語りすぎること。もっとも、11歳の少女だからとも言えるが。そして優れた点は、鳩小屋のアイディアがまずは秀逸。それから、フレーヴィアの謎解きが何とも痛快なこと。さらには、随所にユーモアとウイットが散りばめられていたり、スクルージがさりげなく比喩に用いられていたりと、物語の全編にわたってイギリスらしさに溢れていることだ。
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シリーズ第2作目。
一冊目より読みやすくなったような気がする。
が、相変わらず、大人同士のジョークのやり取りが
どうしてもピンとこないのは、わたしがイギリス人じゃないからでしょうか!
ニアラは怯えていたのかな、と思った。
ルパートに対して、じゃなく、なにかに対して。
3冊目も楽しみ。
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1950年のイギリスの田園地帯。切手収集にしか興味のない父と意地悪な姉たち、そして執事とも庭師とも付かない従者とともに暮らす11才の主人公フレーヴィアが、身の回りで起きる事件の解決のためちょこまか駆けまわって・・・というシリーズ。
継続的に没落しつつある下層ジェントリ、生活の中に浸透しつつある電化製品、国家的・国民的ページェントを伝えるテレビジョン、原子爆弾と毒ガス、戦時動員と女性の社会進出、戦争神経症患者とドイツ軍捕虜などなど、時代性のシンボルをそこここに散りばめられた空間のなかで、警察に対抗心を燃やす主人公が小さなウソと家宅侵入と怪しげな化学実験を繰り返しながら「真実」に近づいていくさまがおもしろいです。
翻訳の中に「これはもしかして本来○○みたいな意味のセンテンスがあったのを訳しまちがえたのでは?」と思われる箇所が散見されるのがちょっと残念なところ。。
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いつまでも子供のままではいられない。
でも相変わらずの好奇心旺盛な女の子。
少しづつ大人の階段をのぼる。