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- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2013/01/23
- 出版社: 国書刊行会
- サイズ:20cm/216p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-336-05628-3
紙の本
アサイラム・ピース
異国の地で城の地下牢に囚われた女。名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵。いつ終わるとも知れぬ長い裁判。頭の中の機械。精神病療養所のテラスで人形劇めいた場...
アサイラム・ピース
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商品説明
異国の地で城の地下牢に囚われた女。名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵。いつ終わるとも知れぬ長い裁判。頭の中の機械。精神病療養所のテラスで人形劇めいた場面を演じる人々―孤独な生の断片をつらねたこの短篇集には、傷つき病んだ精神の痛切な叫びがうずまいている。自身の入院体験にもとづく表題作はじめ、出口なしの閉塞感と絶対の孤独、謎と不条理に満ちた、作家アンナ・カヴァンの誕生を告げる最初の傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
地下牢に囚われた女、頭の中の機械、名前のない敵…。不穏な精神状態と幻想が交錯する心象風景を、尖鋭的なスタイルで鮮烈に描いた作品集。自身の入院体験にもとづく表題作をはじめ、全14編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
母斑 | 7−17 | |
---|---|---|
不愉快な警告 | 99−107 | |
頭の中の機械 | 109−114 |
著者紹介
アンナ・カヴァン
- 略歴
- 〈アンナ・カヴァン〉1901〜68年。フランス生まれ。両親はイギリス人。カフカ的な不安と幻想を描いた作品を発表する。著書に「ジュリアとバズーカ」「愛の渇き」など。
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書店員レビュー
ある作品に触れるとき、その作家…
ジュンク堂書店吉祥寺店さん
ある作品に触れるとき、その作家本人にどうしようもなく惹かれることがある。アンナ・カヴァンの古い写真を見たのはつい最近のことだったが、物語にも登場する”淡い色の髪をした少女”そのものの姿は、輝く瞳の奥にある闇を想像してもなお美しく見えた。1940年に初めて刊行された本書は8つのピースからなる短編集で、どれもカヴァンの実人生と少なからずリンクしている。終生不安定な精神状態に侵され、ヘロインが手放せなかった彼女は、その悪夢のような日々を幻想的な心象風景と絡めて描き、美しい物語へと昇華させた。囚われの身であることや見えない敵、強迫観念など全編通して静かな狂気が渦巻く中、仔細に描写される登場人物の衣装や調度品などのクラシックな彩りが乙女心をくすぐる。時々世の中との間に隔たりを感じたり、何か少しでも違和感を感じたりすることがあるなら、きっと琴線に触れるものがあるはず。冷たく輝く素敵な装丁は、ハヤカワポケットミステリのリニューアルを手がける水戸部功氏。
文芸書担当 西村