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「円安大転換」後の日本経済 為替は予想インフレ率の差で動く (光文社新書)
著者 村上 尚己 (著)
円安が日本経済にもたらす効果や為替レートの基本を解説。バブル期〜2011年頃の円相場の動きを追い、円安局面を円高に変えた要因を検証するほか、ガラパゴス経済、日銀の金融政策...
「円安大転換」後の日本経済 為替は予想インフレ率の差で動く (光文社新書)
「円安大転換」後の日本経済~為替は予想インフレ率の差で動く~
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商品説明
円安が日本経済にもたらす効果や為替レートの基本を解説。バブル期〜2011年頃の円相場の動きを追い、円安局面を円高に変えた要因を検証するほか、ガラパゴス経済、日銀の金融政策、「アベノミクス」の方向性も考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
村上 尚己
- 略歴
- 〈村上尚己〉東京大学経済学部卒業。マネックス証券株式会社チーフ・エコノミスト。個人投資家向けのレポート提供などに従事。著書に「日本人はなぜ貧乏になったか?」など。
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どうして円高になるのか?
2013/05/06 10:12
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投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうして円高になるのか?
たくさんの専門家によって、その犯人探しが行われています。あまりに色々な説があるので、一般の人にとっては誰が真犯人なのか良く分かりません。
最近では、日本経済にとって円高は必要悪である、とする説明さえも当たり前のようになされる始末。
しかし、その流れが変わったのは、昨年11月14日。当時の野田総理大臣が安倍自民党総裁に衆議院解散の約束をした日です。そこから急激に円安が進み、現在は1ドル100円の大台をうかがう勢いです。
本書はマネックス証券のチーフエコノミストの村上直己氏による、今までの円高の原因とこれから日本経済が必要な円安定着のための施策、それと今後の円の行方を解説した本です。
本書の中で、為替が動く根本的な要因は、「予想インフレ率の差」としています。
この視点から、過去の為替相場の動きを見てみると説明がつくということです。ここで大切なのは、あくまで「予想」インフレ率ということ。
市場に参加している人たちが、各国の動きから今後インフレ率がどうなるか、それを予想した結果で相場が動くということなのです。
その点から考えると、円高を作った最大の原因は日本銀行の態度というところに行きつくのです。
もちろん過去において、ゼロ金利や一時的な市場介入などそれなりに手はうっているように見えますが、著者に言わせれば、「日銀はそれなりにやってますよ」をアピールするだけのものだそう。為替介入時には、一時的に円安に動くけれどもそれが長続きしない。その後の金融緩和によってデフレ脱却を目指すという姿勢が見られないため、予想インフレ率が他の国によも低くなり、結果として円高に戻ってしまうということ。
日銀の歴代総裁の発言を見てみると、むしろデフレを容認する論調であり、これではいつまでたってもデフレ脱却はできません。また、マスコミもどこかでデフレを容認する姿勢が見られ、全体の雰囲気も同様です。
日本の経済専門家とをばれる人たちは、いきすぎた金融緩和によるハイパーインフレを心配する声も多いですが、海外では日本はもう一段の緩和が必要という専門家が多いのも事実。
本書を読んでいると、そもそも日本人がデフレということへの理解が足りないように思います。そのため、それを容認する雰囲気が醸成され、結果として円高になっているという認識です。
購買力平価では1ドル105円だ妥当との見方を著者はしています。
アベノミクス、日銀黒田総裁の行動の行方に注目です。
龍.