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紙の本
挑発 (双葉文庫 越境捜査)
著者 笹本 稜平 (著)
警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼は、捜査二課からの情報をもとに“パチンコ・パチスロ業界のドン”と呼ばれる飛田を訪ねる。飛田の経営する会社にある疑惑が浮かんだためだが...
挑発 (双葉文庫 越境捜査)
挑発 越境捜査
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商品説明
警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼は、捜査二課からの情報をもとに“パチンコ・パチスロ業界のドン”と呼ばれる飛田を訪ねる。飛田の経営する会社にある疑惑が浮かんだためだが、そこには7年前に起きた殺人事件が絡んでいた。捜査を進める鷺沼の前に神奈川県警の宮野が現れる。宮野は七年前の事件の情報を持っていた―。鷺沼と宮野。再び手を組んだ二人に立ちはだかるのは厚い警察組織の壁。真実を掴むため組織と犯罪に闘いを挑む刑事たちの熱い姿を描いた「越境捜査」シリーズ。【「BOOK」データベースの商品解説】
ひとつの殺人事件を端緒に次々と湧く黒い謎。警視庁捜査一課の鷺沼と神奈川県警の宮野が再び手を組み真相を探るが、そこに立ちはだかるのは警察組織。知りたいのは真実だけ−。組織と犯罪に闘いを挑む刑事たちの熱い姿を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
奇想天外な警察小説シリーズ
2013/06/09 21:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
笹本稜平の警察小説である。メインタイトルが挑発で、サブタイトルが越境捜査となっているが、越境捜査シリーズの第2弾という位置付けである。すでに、越境捜査というタイトルで出版されている小説で、しかも、すでに第3弾も出されている。もちろん、知っていれば第1弾から先に読んでいた。
警察小説ではあるが、警視庁と神奈川県警、さらに仲間が加わってグループが構成されている。グループの目的は当然犯罪捜査である。また、グループとはいっても非公式なグループである。公式にそのグループで捜査が行われるわけではない。とくに警視庁と神奈川県警は仲が悪いと言われれいるそうである。
そういう設定を聞かされると、実際には有り得ない話で、非現実的な捜査を小説にしたものだと思いがちである。たしかに、そういう部分はかなりある。人間関係は組織の関係とは異なるので、仲が悪いとは言っても必ずしも人間関係でつながった仕事は有りうるであろう。
笹本の山岳小説などは読んだことはあるのだが、警察小説は初めてである。描い方は実に細かい。つまり、ストーリー展開に無関係なことが多いということである。文庫本にしては頁数がかなり多く、分厚くなっているのはおそらくそのせいであろう。
しかし、事件の中身はそうでもしないと読者には理解不能として途中で挫折されかねないほど複雑である。また、話の展開を予断させない、明かさない書き方なので、突然展開が変わったりする。それはそれで面白いし、飽きも来ない。こういう描き方もあるのかという印象がある。
今からシリーズ第1弾を読む気にはなれないが、第3弾は読んでみたいと思う。警察の暗部を暴露している真偽は分からないが、その辺りの知識を収集して読者に知らせるのも特徴を持たせることになるかも知れないが、話の展開を滑らかにすることを心がけてほしいものだ。
次は笹本の山岳小説を読みたいところである。ただし、ヒマラヤなどではなく、国内のありふれた山を舞台にしたものが良い。