紙の本
引き込まれていく
2016/06/30 13:02
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投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく興味深く、引き込まれていく作品。
どこか儚くもある。
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アイドルとかお笑い芸人とか芸能人がごっこ遊び的に書く小説とは全然レベルが違う。加藤くんの小説ももう3作目。どんどん筆力あげてるのが目に見えるのが面白い。なんとなく、興味本位の酷評するつもりで読み始めたデビュー作で度肝抜かれてから新作を楽しみにしてますが、今回も良かったです。ジャニーズにしておくのがもったいないわーほんと。(ジャニーズファンでは決してない、むしろ逆です)
お得意の芸能界シリーズ。子役から大人になり演出家になった夏川レイジには二十年前の子役で活躍していたときの記憶がない。あのときのことたちを交通事故をきっかけに徐々に思い出し一皮も二皮も剥けて進化して行く様が面白い。
キャラクターもみんな魅力的。胡散臭い愉快なホームレスの徳さん、おかまのローズ。読み始めたら止まらなくなる。彼にしか書けないであろうこの繊細で暴力的な世界。
前作の閃光スクランブルのキャラがちらっと出てきたりとそういう遊び心も好きでした。
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一作目、二作目に比べて格段に表現力が良くなってる気がする。すごく読みやすく、綺麗な言葉が多くて本当にアイドルの書いた本とは思えない程きちんとした構成で成り立ってて、加藤くんは色んな本や舞台を沢山見てきたんだろうなと感じた。比喩表現も上手だし、色んな知識が見えるのが魅力的。
最後のセリフと最初のセリフがリンクしているところとか、題名とかお洒落でちょっと臭いんだけどそれもまたいい。
お話自体は最後の方の盛り上がりに少しかけるけど、レイジの葛藤や徳さんの最期がおもしろかった。
その他登場人物も魅力的で、特にローズがいい。こういう素敵な大人が近くにいるのが羨ましい。
内容としてはもう少しレイジが成長する過程や望美との出会いが知りたかった。
アイドルが本業だろうから、なかなか執筆活動は難しいと思うけど是非次作も読みたいです。
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NEWS加藤シゲアキさんの三作目で、家族をテーマにした渋谷サーガ三作目。
今作は、前作までで読みずらいと感じた方でも読めるような作品だと思いました。ウィッカーマンについてや情景描写、シーンに合わせた音楽などからは相変わらずの表現の丁寧さやお洒落さを感じます。また、一作目のピンクとグレーと同じような過去と今をいったりきたりするような展開にもかかわらず、以前のような読みずらさをあまり感じませんでした。
一つ言わせていただくなら、テーマについてでしょうか。完全に個人的な感じ方によるレビューになりますが…「家族」というテーマですが、正直、家族を意識させるようなシーンがあまり印象に残りませんでした。
かといってそのような描写が少なかったわけではなく、レイジと希美の夫婦間の幸せな雰囲気や悩める描写、レイジの幼少期の母親とのシーンなど、家族のかたちや雰囲気について多く描写されていたように思います。ですが、それ以上にトクさんとローズさんにインパクトがありすぎたように思います。それにトクさんが亡くなる衝撃のシーンが重なり、私の中ではそちらに印象が持っていかれてしまいました。まだまだ読み込めていない部分も多いので、もう一度読み直してまたレビューさえていただけたらと思います。
長々と書いてしまいましたが、アイドルという本業がありながらも一年に一冊のペースで長編小説を書き上げることは、本当に難しいことだと思います。この作品で、前作で登場したMORSEのミズミンが登場した時、著者がこつこつと作品を重ねていることを実感し、読者としても嬉しくなりました。
今までの加藤さんの作品は『渋谷サーガ』と銘打って、「渋谷」と「芸能界」と共通した要素がありました。ですが、もうその要素がなくても彼は読者をうならせるような物語を書くことができると感じられる作品でした!次の作品でどのような内容や要素を盛り込んで書いてくださるのか、彼の知らない世界を彼がどのように綴るのか、とても楽しみです。
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デビュー作から興味本位で読み始めましたが、すでに3作目。
加藤氏の大ファンと言う訳ではないけど、1作目でいいや、ってならなかったのには、やはりまた読んでみたいと思わせる何かがあったのだろうな。
個性的な登場人物で、奥行が出てきた印象を受けました。
びっくりするようなどんでん返しが待っているわけでもないし、ドキドキする感じではないので、自分的には物足りないかな〜、と思っていました。
けれど、人間の心情や葛藤、共感出来る部分もあり、切なさも残るけど、ホッとする優しい小説だったと思います。
何より、とても読みやすいのが良かったですね。
長編が苦手な方にもオススメの1冊です。
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『ピンクとグレー』『閃光スクランブル』と続く「渋谷サーガ」の三作目であり当然ながら渋谷が舞台。現在と過去を交互に展開していくが、徳さんとローズさんのキャラがたっていて天才子役だが機械みたいだった主人公心燃やす要素になっていく、安らぎの場所に宮下公園の徳さんのホームレスの家はなっていくが。
小説家・加藤シゲアキ作品はエンターテイメントの第一線でやってきた人であるのでエンタメになっているし芸能世界についての話はやはり当事者であるのでリアリティがあると読んでいる僕たちには思える。実際には書けないことのほうがたくさんあるはずだから。
第一作の主人公と売れた役者になった友達との関係や主人公が最後に選ぶ事などは読んでいると著者本人であり主人公やその友人であるように思われた。「渋谷サーガ」には死んで生き返るという物語の基本構造がある。そこにエンタメ要素があるので完成度が高くて読みやすいのだと思うしやはりうまい。
三作目の今作も再生の物語であるのはその流れを汲んでいるからだと思った。この「渋谷サーガ」は続くのかな、続くのなら次作も読みたい。
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シゲアキさんの三作目。
自分の中でお洒落でなくてはならないと決めているんでしょうね。今回は割りと泥臭く描かれていたけどラストはやはりお洒落でした。さすがです。
前作は情景説明がありすぎてちょっとしつこいと感じたけど今回は無駄なく表現した印象。普段小説を読まない方にもとっつきやすいかも。
ただ、お話のねり方は不足してるように思う。レイジがこれほどまで心を許した背景とかきっかけが弱い。それときれいさっぱり忘れてしまったものを思い出したそのきっかけも曖昧。
渋谷しばりで苦しんだか?
芸能界ものではなく次回作は全く違う切り口でお願いしたいです。(ちょっと飽きましたw)
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圧倒される物語世界だった。
とにかくページをめくる手が止まらず、それは、「面白さ」「これからどうなるのか、という興味」と同時に「なぜそうなのか?を知りたいという欲求」のせいだったと思う。
天才子役である、ということの意味について言及している部分はとても興味深かった。役を演じるということの本質をついているようにも思う。
徳さんとの出会い、ローズとの関わりもまた大変興味深く、だんだん心を取り戻していく様子はドキドキしながら見守っていた。
読み終わって、なんだかわからないけど熱い気持ちになったけれども、しばらくすると、いや待てよ、という思いが沸き上がってくる。
それは、「もうちょっと書き込んでほしかったな」という読者としての要望なのだが、レイジと母親との関係や、演出家として再出発した過程(しかもそれで演劇大賞までとっている)ももう少し知りたかったと思う。
加藤さんなら書けるんじゃないかなあと思うのだ。
前作2作に比べて格段に読みやすさと深みが増してきたので、今後がとても楽しみである。
芸能界という大きな武器を、この先どう使っていくのか、あるいは使わないのか。しばらく目が離せない作家だと思う。
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明らかに三作の中で一番好きです。
三作どれにも好きなところはあるんだけれど、これだけメッセージ性が強いのに、すーっとそのメッセージが心に沁みこんでいく感じは「Burn.」だろうと思います。
他者との共存、家族愛、周りに迎合することの愚かさ、様々なテーマが入っているにも関わらず、すべてが最後にキュッとうまくまとまっていました。何本もの糸を重ね合わせて、くるっとひとひねりして出来る結び目のように。
他の二作と比べて、そこまで難しい表現もなく、とても読みやすかったです。
若干ネタバレになりますが、これは「ピンクとグレー」→「閃光スクランブル」→「Burn.」の順番で読んでほしい。ちょっとしたサプライズあり。
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過去を一つひとつ振り返って、今に繋げていく描写がとても丁寧です。ただ終盤は無理矢理詰め込んでしまったような感じも否めない。それにしても伸びる一方の文才。惚れ惚れ。他人の優しさあたたかさが溢れた物語。
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1年に1作品という刊行スピードだが、作品は質が良くなっていくので次作の出版が楽しみ。3作品に共通しているのは熱い信念をもって生きる主人公たちである。この作品は喪失と再生の物語であり、人は1人では生きていく事はできないというメッセージがこめられている気がする。レイジを支える徳さん・ローズ・望美。個性派揃いの登場人物たちだが、それがいい味をだしている。社会の圧力に対して屈しない徳さんはかっこよかった。
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そういう目で見ては失礼だけど、アイドルが書いた本とは思えない。彼は頭が良いんだろうな。
天才子役レイジと、ホームレスの徳さん、ローズとの交流の回想と。現在。子供が産まれたシーンは泣けてしまいました。
2014年4月15日
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【図書館本】前回、また芸能界話ならやめておこうかなよか思ってたのに、図書館の新刊案内でホイホイされた。何故だwww
結果、読んでよかった。明らかに前2作より成長している。とても読みやすくなった。たまに、ん? って思う表現があったり、時軸が揺れたりで止まってしまうこともあったけど、何があったの!? という気持ちが強く、先へ先へとぐいぐい読まされた。で普通に疑問なんだけど……凍らせた金魚ってどうなったんだろう?
追記。表紙が好み。
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「Burn.-バーン-」加藤シゲアキ◆舞台演出家・レイジはある出会いをきっかけに、失っていた子役時代の記憶を取り戻す。生き物が羽化する時に発せられるエネルギーは峻烈で、それはまさに生きること。前2作に比べて変な力みがなくなった感があり、そろそろ芸能界を扱わない作品を読んでみたい。
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最初ちょっと表現が難しくて読みずらかったんだけど、気が付いたらどんどん話の深みにはまっていた。
他のも読んでみたいかも。