「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
織田信長〈天下人〉の実像 (講談社現代新書)
著者 金子 拓 (著)
織田信長は本当に全国統一をめざしていたのだろうか。信長と朝廷・天皇とのあいだに起きた事件・できごとを史料にそくして考え、その歴史的意義をとらえ直し、それらを総合したうえで...
織田信長〈天下人〉の実像 (講談社現代新書)
織田信長 〈天下人〉の実像
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
織田信長は本当に全国統一をめざしていたのだろうか。信長と朝廷・天皇とのあいだに起きた事件・できごとを史料にそくして考え、その歴史的意義をとらえ直し、それらを総合したうえで信長の天下人としての姿勢をうかがう。【「TRC MARC」の商品解説】
「信長は本当に全国統一を目指していたのか?」「『天下布武』は全国統一宣言だったのか?」「正倉院の秘宝『蘭奢待』切り取りは、天皇の権威簒奪のためだったのか?」・・・。これまでの常識と先入観を排し、確実な史料だけに基づいて信長の行動を解釈する、最も新しい知見に基づいた最新の信長像。(講談社現代新書)
「戦国大名は天下統一の為に競い合っていた」という戦国大名観は近年では否定されていますが、信長だけは例外と見做されてきました。しかし著者が発見した書簡を初めとする史料から見えてくる客観的な信長像は、他の戦国大名とさほど違ったものではありません。有名な「天下布武」の印章も、信長が「天下を取る」ことを宣言したものではありません。天下とは日本「全国」ではなく、京都を中心とした畿内のことに過ぎません。「天下布武」とは、畿内の秩序維持を、足利将軍をサポートして自分が執り行うという意味なのです。秀吉が行ったのはまさに「全国統一」でしたが、信長にはそういう意志はなかったのではないでしょうか。
しかし『天下布武』の構想も信長の言うなれば「脳内」のものに過ぎず、「大義名分」として説得力のあるものではありません。信長が足利義昭になりかわって事実上の将軍の職務を担っているからといって、他大名には信長の「言い分」に従わなければならないいわれはないのです。結局、信長は武力で「言い分」を認めさせるしかなくなります。自称「天下をおおせつかっている」信長は、かくして諸大名との衝突を繰り返します。例えば上杉氏とは当初、良好な関係にありましたが、信長の版図が拡大し直接境を接するようになると両者は戦争になります。そのような行動が後世の目で見ると、着々と諸勢力を征服して「天下統一」へと邁進していたかのように見えたのです。そもそも信長は、組織的な「政権」は作りませんでした。征服した領土の経営も家臣に丸投げで、支配の方式に革新的な面はありません。その点でも秀吉に比べ信長の「権力」は中途半端な中世的な段階に止まっていたと見做した方がよいのです。
しかし、そのような信長も、最後には「全国統一」という野望に目覚めたのではないかと思われる節もなくはありません。四国攻めなど最晩年の軍事行動には以前とは性質を異にした所があり、もしかしたら本気で全国制覇をする気になっていたのかも知れないと著者は考えます。光秀に殺されたために、その真意がどこにあったのかはわかりません。しかし光秀の謀反自体が、このような信長の豹変が惹起させたものである可能性さえ考えられないことはないのです。本書は一切の先入観を廃し、確実な史料だけに基づいて信長の行動を解釈すればどうなるかを解明し、最も新しい知見に基づいた最新の信長像を提示します【商品解説】
目次
- はじめに
- 素朴な疑問/疑問視される革新性
- 序 章 信長の政治理念
- 「天下布武」再考/信長と天下静謐/天下一五年/天下と天皇/本書で考えること
- 第一章 天正改元──元亀四(天正元)年
- 天正改元の政治史的意義/永禄から元亀への改元/元亀改元の動き/一七箇条意見書と改元/意見書に見る信長の考え方/他
- 第二章 正親町天皇の譲位問題──天正元年~二年
- 正親町天皇譲位をめぐって/改元直後の信長の軍事行動/信長の再上洛/譲位の申し入れと延期の謎/天正一四年の正親町天皇譲位/他
- 第三章 蘭奢待切り取り──天正二年三月
- 蘭奢待切り取りをめぐって/信長の上洛と蘭奢待拝見申し入れ/蘭奢待拝見まで/信長の配慮/奈良下向の意図/開封勅許をめぐる一通の文書/三条西実枝の不信
著者紹介
金子 拓
- 略歴
- 〈金子拓〉1967年山形県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。東京大学史料編纂所画像史料解析センター准教授。専攻は日本中世史、史料学。著書に「記憶の歴史学」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
天下静謐
2021/02/16 13:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長と朝廷の関係についてかつての対立説ではなく天下静謐のために朝廷とも協調していた様がよくわかった。最後に四国征伐がこれまでの天下静謐のための戦から逸脱したため本能寺の変の一因になったという説が興味深かった
電子書籍
知らない織田信長
2020/09/12 12:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:In - この投稿者のレビュー一覧を見る
天下静謐というキーワードをもとに、信長の天下人としての振る舞いに対して分析がなされている。 信長と天皇(朝廷)の関係について、親和的だったという主流的な考えと、対立的だったという旧来の考えとそれぞれを比べ、考察がなされており、それを踏まえた筆者独自の考え方も提示されている。 自分の中で、天下とは何か、また信長の天下人としての自覚や朝廷との関わりに関して、考え方が転換された。