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商品説明
明治時代の初め、五日市の青年たちが議論を重ねてつくりあげた独自の憲法草案「五日市憲法草案」。中心となった千葉卓三郎の生涯をはじめ、新しい日本に向けての真摯な願い、草案づくりに注いだ人々の情熱などを描く。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 1 土蔵が開けられる
- 深沢家の土蔵
- 土蔵の二階は宝の山
- 千葉卓三郎とは、だれ?
- 新井さんの卒業論文
- 2 放浪の人・千葉卓三郎
- おいたち
- 新しい旅立ち
- 3 卓三郎、五日市へ
- 山里の暮らし
著者紹介
伊藤 始
- 略歴
- 〈伊藤始〉1925〜2014年。愛媛県生まれ。約40年間教員を務める。元日本子どもの本研究会副会長。
〈杉田秀子〉1939年福島県生まれ。東京都の稲城市・立川市の小学校教諭を勤める。
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紙の本
民間で憲法草案が考えられた時代。
2017/05/24 16:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥多摩の民家の土蔵から見つかった「憲法草案」。どのようにして、誰が、これを作ったのか。
資料を発見した経緯や、作成者のおいたちなどを描いた伝記のような物語である。
児童文学として出版されているせいか、草案の内容検討などはそれほど細かくはない。それでも資料そのものの写真や本文の一部も掲載されていて、なかなか面白い。(草案の最初のページの写真には皇位継承の部分なども少し載っていたりする。)
心理描写などには少し想像過多な感じがする部分もあるように思えるが、西洋の考え方が広まりはじめた時代の人たちの様子を感じさせる。討論などしたこともない村民たちの作った勉強会での議題や発言などは、今の「学級討論」のような雰囲気もあり「始まりとはこんなもの」と想像が膨らむ。
大日本帝国憲法制定の少し前なので「日本帝国憲法」であるわけだが、日本国憲法に非常に似た条項があるというのはある意味、嬉しい驚きでもあった。本書を読んだ限りでも、おそらく日本全国でこの五日市憲法のような物が考えられていたのではないだろうかと想像できる。現在憲法改正が議論になっているが、憲法とはどのようなものであるのか、彼らのように私たちも真剣に考えなくてはいけないのでは、と感じさせるものでもあった。