紙の本
これからの町内会を考えるのに参考になるケース
2016/02/23 06:40
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
UR賃貸の公団の自治会長に「名前だけでいいから」と泣き落とされて会長になってしまった著者。
校区との確執から既存の自治会を休止して完全ボランティアの新自治会を立ち上げた。
URの賃貸なので共有地の管理等は大家であるURがキッチリとやってくれる。
全国ある自治会全部にあてはるケースではないが、これからの町内会活動を考える上に参考になるケースの一つだと思う。
紙の本
興味深い
2023/02/05 18:58
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
町内会について、いろいろな角度から分析されていて、よかったです。近所付き合いと関連して、考えたいです。
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今年は班長兼町会長兼副区長なのでいろいろ身につまされながら読んだ。
本書は、自治会活動のプラスを維持しつつマイナスをどうしようか、という難問に「ボランティアという根本に立ち返ってはどうか?」と提案している。
うーん、私の自治会でいうと、班(11軒)や町会(53軒)なら上手くいくけど区(500軒)だと上手くいかないだろうなあ。著者もそこは分かっているけど、できる範囲でできることをやろうとしたら、こういう「原点回帰」も必要かもしれない。
まあそれにしても、著者の経験は凄まじい。私の自治会がものすごく上手くいっているように感じられる。次回の総会に向けて、負担増となるお願いを協議しているところだけど、基本的に前向きに検討が進んでいるから。こういうことって、カタログで住むところを選ぶ時には絶対わからないけどぜひ知っておきたいこと。
町内会というローカルな活動を、高い視点違う視点から見渡すとても素晴らしいガイドブックでした。
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ひょんなことから団地の町会長となった経験から説きおこした町内会論。町会が任意だとする最高裁判決にもふれていますが、それでは成り立たない田舎とは違いすぎるというのが率直な感想。
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町内会長の経験のある著者なりの町内会論。
①町内会の参加を、本来の任意という形にすべき。強制的に加入するにしても、不参加の権利を同時に設定する。
②校区の会議議決権などの機能をミニマムにし、町内会組織が立ち上がるかどうかも希望者による有志でよい。
③団地共有部の整備は共益費→税金→所有者の優先度で賄うべき。
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町内会は強制参加ではないという判決が最高裁からでている。一方町内会は行政の出先機関の役割を知らず知らずのうちに担わされていることも多い。二律背反を内在する町内会の在り方を示唆する。無くてはいけないもの、住民全員が恩恵を享受するもの、全員参加が必要なものは税金から支出すべき。あった方がいいもの、地域の繋がりを深める親睦行事を手弁当で行うのが町内会の位置付け
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著者は「超訳マルクス」(かもがわ出版)や漫画評論のブロガーとして有名な紙屋高雪さん。本屋で見つけて衝動買いした本です。別に町内会問題に関心があったわけでは無く、単に紙屋さんのちょっとしたファンであるだけ。しかし案外こういう「直感」がいい本に出会う確率は高い。最高に面白かった。
紙屋さんは団地の町内会長(自治会長)をつい引き受けてしまう。なってみてその仕組みと実態に驚く。そこは身近なのにワンダーランド(未知の世界)でもあった。そしてちょっとした「成果」のあとに、「吊し上げ」にあって、ちょっとした「ミニマムで楽しく楽な町内会」の創設に至るのである。
「行政からは「町内会」は行政の末端組織と位置づけられているから、嫌いだ」「隣り組組織はなくなったけど、現在は補助金を渡す仕組みを作って新しい隣り組組織になろうとしている」と、私の周りには町内会に対して「毛嫌い」する人がいます。反対に、張り切って地域の自治会組織に関わり、結果的に地域を振り回したり、ボランティアとは言えないほどに超多忙な町内会を作ってしまっている人もいます。
紙屋さんは、団地の唯一のコミニュケーションの場である夏まつりなどの催しや、地域を代表して意見をいう場としての機能を尊重しながらも、行政の下請け団体になったり、いろんな圧力を跳ね除けて個人の思想・信条の自由を守る道をさぐります。緩やかな「方法」を模索します。
ちなみに、町内会は義務ではありません。加入・脱退の自由は(原理的には)あります。だって最高裁の判例があるんですよ。
ちなみに、オビの煽り文書はこうです。
「町内会会費○○○円」‥‥「今月の当番」‥‥「来年あたりに○丁目(○棟)の役員に」‥‥などなど‥‥メンドーな「地域のご近所付き合い」が降ってきてはいませんか?
あなたもメンバーです
吊し上げられるか、
理屈ヌキで従うか、
そんな仕組みがここにある!
ちなみにひとつ気がついたこと。
町内会の運営や、役員の側からの言い分、入っているのかも自覚していない住民からの言い分、細かい仕事の内容、役を回すコツ等々を読んでいくと、これはそのまま労組運営で困っている役員や労組員にも当てはまるんじゃないか。いろんなヒントがあります。労組員や役員にオススメ!
出来たら、紙屋さんに労組編も書いてもらいたい。同じ小学館新書というメジャーな新書として。でも、町内会は、なんと89%もの加入率があるらしい(「町内会・自治会など近隣住民組織に関する全国調査」)。一方、労組の加入率は二割を切って17%台だ。おそらく小学館は出版してくれないだろな(^_^;)。
2015年4月15日読了
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最高裁判決 町内会は強制加入団体でなく、脱退は自由
委任状 事実上白紙委任になってしまい、あとで「あなたも賛成しただろう」というので、私は用心して、「書面決議書」というものを出すようにしていました。これは意見を聞いて、賛成反対保留などの自分の態度を表明しておけるものです。私は出席でいない会議については、すべて「保留」という態度にしていました。
ミニマム町内会のすすめ
経験を解毒する
ただし、経験というものは、強い毒があります。
あまりに強烈に体と心にしみ込むために、自分の経験こそが絶対だという思いが、抜けきらなくなってしまうのです。
それを解毒するためには、他のものと比較したり、結びつけたり、筋道だって考えたりするしかありません。大げさにいえば、理論の力でその経験を組立直すのです。
昨今、観光客のように軽く接することの方が、あたかも、経験の奴隷とならない賢いやり方であるように主張するむきもありますが、「少し経験して、悟る」なんてことは、そうそう凡人にできることではありません。少なくとも私は、経験に泥まみれになり、みっともない格好になりながら、物事を筋道だって考えることでそこから這い上がってくる他ないだろうと思っています。
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存在していることは知っているが、
めんどくさそうというイメージしかない町内会。
必要な組織なんだろうけれど、
付随する業務というか、
会議の出席とかやることが多すぎる。
著者が主張するように、
やれることをやっていくっていう方向性は良いのかなと思う。
本書の感想からは外れるが、町内会とかPTAに参加していた親は
大変だったんだろうなぁと、今更ながら思う。
当時はまだ幼かったので、そんなこと思いもしなかったが。
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町内会の仕組みを見直して、良いものに変えたい改革派がいても、今のままでいいと思う保守的な人やそんなものには関わりたくないと思う無関心な人もいるので、
思いがバラバラだから上手く行かないのかなぁと思った。
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面白かったです。少なくとも、こういう論点の本はほとんど初めて読みました。ゼミで社会関係資本(ソーシャルキャピタル)について学び、その力を万能だと思っていた僕にとっては、斬新な切り口でした。
この本の中で示唆されている事って、かなり重要なことが多いのですが、紙屋さんはとてもおだやかな書き方でそれを伝えていて、とても読みやすかったです。
内容は、著者の実体験をもとに町内会の光と影について、説明がなされています。
町内の力、ご近所の絆、そういったものは震災以降頻繁に語られるようになり、ある意味では行政を超えるほどの効果があるように持ち上げられることも少なくありません。
実際、僕も地域の課題はそういった関係が解決することも多々あると信じています。
と、同時に、そういった絆が人々に負担を強い、プライベートを侵害し、悪影響を与えるということを忘れてはいけません。
そういった問題を回避するためには、町内会などの組織はあくまでもボランティアであって、適度に都合に合わせて距離をとれるようにしておくこと。現在のように行政の末端組織であるかのように振る舞い、住民を拘束するようなことはやめるべきだということです。
筆者は、町内会はボランティアでも十分にその役割を果たせるし、逆にそれで手が回らない部分は、当然行政が行うべきであると述べています。
この考え方は、行政がもういっぱいいっぱいで(お金的に)、住民にできることは住民にやってもらおうってなってる今日の流れには逆行する気がします。
でも、そもそも、行政ができないから住民に投げるという考え自体、かなり無理があるものだというのが著者の問題意識です。
行政に頼ることが現実的に難しくなっていく中で、住民にも過度の負担をかけないで社会関係資本のプラスの面を増幅していく、そんな仕組みを考えていきたいです。
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町内会は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~
(小学館新書) 2014/10/1
著:紙屋 高雪
著者は、京都大学法学部卒。自らのブログで軽妙な文体にて漫画評論や育児論等の社会時評を綴り、朝日新聞社運営の言説サイト等で転載紹介されるブロガー。
町内会とは、防災・防犯・掃除・祭り・見守り・リサイクル等、その地域のいろんな身近な問題を、住民自身が動いて解決する組織だとされている。
本書は、著者が町内会いついてほとんど知らないまま、いきなり町内会の会長になり、その体験と実践をつうじて考えた町内会論、ひいてはコミュニティーと自由についてを以下の5章により説明している。
①町内会って入らなくてもいいの?
②町内会は必要です
③町内会は要らない?
④ゆるゆるな新町内会をつくってみた
⑤町内会は今後どうしたらいい
物事を知るにはやはり「経験」から学ぶべき。
本書は、上記の通り町内会の会長として奮闘してきた著者自身の体験をもとに書かれている。本書を読み、「よし!!役員頑張るぞ!!」という気持ちにはなれない・・。良いことばかりではなく、問題が山積みである。
若干の予想はついていたもののこれほどねじれ、もつれ、苦悩する姿が書かれているとは思わなかった。
もちろん地域や環境により違うことも多々ある。
ひとつの事実としてしっかりと受け止め、自分は自分のやり方で意見を取り入れながらやっていくしかない。
どれが正解なのかは自分がやりながら探していくしかないというのは仕事でもプライベートでもなんでも同じである。
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町内会長を経験した筆者の町内会論。
自分の経験をもとに、各種データや研究者の主張も盛り込みながら町内会を論じており、共感できる部分が多い。
私が住んでいるマンションで、最近急に自治会をつくりましょう的なポスターが貼られはじめていて、正直やめてくれよと思っていてこの本に出会った。
行政の担当者と話したこともあるが、この本に出てくるような町内会を行政の下請けとして扱う典型的な話だった。そんなものは行政サービスとしてふつーにやるべきだとそのときも思ったが、この本を読んで改めてそう思った。
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p.110
ただ、輪番制のように、「半ば無理矢理、係になるしくみ」というのは「初めは嫌々やったけど、やってみたらけっこう楽しかった」ということが町内会の仕事の場合は少なくないんですけどね。
→ 町内のそうじとか、近隣業者の説明会への代表出席など、やってみると学びがあり楽しいものです。町内会の役員は積極的に引き受けましょう♪
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つながりは欲しいけどしがらみは要らない。そんな町内会作ってみたという実践の記録。
前半はビギナー向けに町内会についての一般的な説明で、あんまり関係無いって思ってる人にも興味が沸くような内容になっている。
後半が本題の実践記ですが、著者が傷つき、挫折し、それでも「コミュニティー」に関わっていく姿が実に心を打ちます。映画化してほしいくらい(笑)
子育てしてはじめて「地域社会、こりゃ無視できないぞ」と気づいた次第でして、そこに来てこの新書は、積極的に参加するにしろ、やや逃げ腰のスタンスを維持するにしろ、どちらでも使えそうなヒント集として重宝しそうです。私の場合、本書を読んで、参加もいいかなと思うようになりました。いっしょに飛び込んじゃいません?20141025(amazonにふなすけ名義で出したコメント転載)