あやかし草子
著者 千早 茜
古い都の南、朽ちた楼門の袂で、男は笛を吹いていた。笛を吹いてさえいれば、男は幸せだった。ある春の夜、笛を吹く男の前に、黒い大きな影が立っていた。鬼だ。笛の音を気に入った鬼...
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商品説明
古い都の南、朽ちた楼門の袂で、男は笛を吹いていた。笛を吹いてさえいれば、男は幸せだった。ある春の夜、笛を吹く男の前に、黒い大きな影が立っていた。鬼だ。笛の音を気に入った鬼は、男に絶世の美女を与え、百日の間は絶対に触れてはならぬと告げるが……(「鬼の笛」)。人ならざるものを描くことで浮き上がる、人間の業や感情。民話や伝承をベースに紡がれた六編を収録した短編集。
目次
- 鬼の笛/ムジナ和尚/天つ姫/真向きの龍/青竹に庵る/機尋
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ありきたりの結末でないところが良い
2016/08/20 21:48
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
人と、鬼やムジナや天狗など「人外のもの」の出会いを描く、創作お伽草子。
どれも結末が全く予測できず、いったいどうなることかと、思わずページをめくる手が早くなったものです。
ハッピーでもアンハッピーでもない、それらを超越した、とでもいえばよいのでしょうか、不思議な読後感でした。
今のところ一番のお気に入りは、「天つ姫」。聡明な姫と恐れを知らぬ天狗を結ぶ絆を、なんと呼ぶのか・・・ラストには思わず涙しました。京都の貴船神社に、寄り添って立つ杉と楓の古木があるそうですが、作者はここから想を得たのでしょうか?いつか実物をこの目で見たいと思いました。