紙の本
現在の、「正しい」値決め
2019/01/20 08:26
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
値決めの良し悪しは、時代ごとの背景・経済環境などによって、その「正しさ」が変わる、ということを本書で認識することが出来ました。
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投稿者:ラビラビ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局自分は世間の「標準価格」をもとに値段をせっていしまいそうなのだが、本の内容は興味深く楽しく読めた。
価値があるからと強気価格をつけるのは今の自分には心の持ちようが難しいが、良いバランス感のある値を模索していく参考になりました。
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良い値決めは、顧客の幸せを提供することを第一にして、価格を決める。
でないと、本当に喜ばれる商品は永く提供できない。
一方、悪い値決めは、利己的な思いや自分を注目させようとする思いから決める。市場を独占して敵を作ったり、利益に集中して顧客は無視。もちろん顧客にそっぽを向かれ、気がついたら時代に取り残される結果となる。
経営者や起業家がこの本から学んで、共感と感動・喜び・ワクワクを誘うサービスや商品がどんどん増えていく、そんな社会を作っていってほしい。
日本がんばれ!
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・値下げは、競合の値下げを呼ぶ、お客さの参照価格が下がり売れ行きが鈍化、更なる値下げを巻き起こす。市場全体のパイが伸びない中での値下げは、いたずらな消耗にしか繋がらない。
・値下げすることによる「売上額」の変化に捕らわれがちだが、その時の「利益額」にもっと注目すべき。その利益額を伸ばすのに、どれだけの個数増が必用かを熟慮すべき。
・「良いものをより安く」ではなく「良いものはより高く」という本来当たり前な発想転換が必用。良いものをより高く売るための事例を学ぶべき。
・「コストプライシング:コスト+利益=価格」コストがいくらかかるか、から価格を決めて行く考え方。コストが安いのに高い価格をつけるのはいけないという発想になりがち。
・「バリュープライシング:売価-利益=コスト」お客様はいくらなら気前よく払ってもらえるか、から価格を決めていく考え方。
・300円の牛丼を食べた後に、500円のスタバを飲む。価格とはいったい何なんだと思ってしまうような事象だが、これを人は受け入れている。牛丼はコストプライシングで、スタバはバリュープライシング。どちらが利益を出せるかは一目瞭然。
・以下、きちんと儲けるための事例。
・ジレットパターン。カミソリのT字本体は安くしておいて、替刃で利益を稼ぐモデル。
・3個買うと1個タダ!4個をそれぞれ値引きするより、1個を無料とした方が、お客様に対するインパクトが出る。無料とする1個は、変動費原価のみの損失となり、単純に4個を値下げするよりも、コストの持ち出しが少ない場合が多い。
・携帯電話の家族無料通話。家族同士で話す時間は全体の通話量の中で微々たるもの、そこを無料としておいて、他の有料通話でしっかり稼ぐモデル。
・俺のイタリアン。外食の常識は原価率30%、そんな中で「原価率300%」のメニューを『食数限定』しながら目玉として出すことで、驚きを演出。あらゆるメディアが取り上げた結果、大量のパブリシティを獲得。一気に人気店に。
・スイス製のMBTというスニーカー。これをはくだけで歩きながらトレーニングが出来ることが売り。一足3万円程度と高額ながら「世界最小のフィットネスジム」というメッセージとすることで、比較軸を「スニーカー」ではなく「フィットネス」に切り替えることに成功、割安感を演出。ヒット商品に。製品コンセプト、比較軸を変えることで、従来と近い製品群でも高い値段が付けられないかを考えてみる。
・コンタクトレンズを使い捨てに。目に入れるものだから「清潔に」というお客様の心理に合わせた需要創造。従来は3万円程度のものを1回購入させた後は、洗浄液等で僅かな追い銭を稼ぐモデルだったが、毎日使い捨てとすることで、初回購入時点での客単価は大幅ダウンも、中長期の売上は大幅増。使用頻度をどう高められるかを考えてみる。
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過去読んだプライシング系の本の中でも非常にわかりやすく、気付きの多い一冊。行動経済学やビジネス心理学をきちんとおさえながら学術的な書き方は一切しておらず、極めて実践的なアドバイスが盛り込まれているので今すぐ活かせそうな知見満載。
値下げの罠にハマりまくる日本のサービス提供者。製造業で高度経済成長の成功体験を収めたために、コストプライシングによる値決めの癖がついてしまっている。それも限りなく変動費が少ないサービス業において!
良いものをより安く、という固定観念に囚われていることに警鐘を鳴らし、良いものはより高く売ろう!を一貫して主張している。
■ポイント
・正しい問いに間違った答えを出すのではなく、間違った問に正しく答えることが躓きを生む
・DOGではなくCAT
Digital Online GlobalではなくCozy Analog Touch
デジタルデータの世界では簡単にパクれる
オンラインだと世界中で安値競争に巻き込まれる
グローバルだとコストの安い国に負ける
・値決めには変動費の価格が値決めの最低ラインになる法則がある
・価格決定権を持っている人間が交渉に臨んでしまうと、値下げの要請を断りきれない
・値下げの成功の条件は2つ
①変動費の比率が低いこと(=固定費体質)
②値下げで販売数量が大幅に増加すること
・値決めの初めのステップでは、変動費=材料費だけみて固定費のことは無視する
・①値決めで1個の儲けを決める
②1個の儲けを積み重ねて全体の儲けMPをつくる
③全体の儲けMPが固定費Fを超えた文が利益になる
MP>Fを作れればそれが儲けになる
商売の目的は売上を増やすことではなく、MP>Fの状態を創ること、そのために積み上げが大事
・値下げをした時に販売数量増加を阻む壁
①自らのキャパシティの限界(クリエータの落とし穴)
②ライバルの値下げの追随
③顧客の消費感情
・コストプライシングのままいくと、変動費ゼロの情報・サービス業は無料に向かっていくしか無い
・見せ方、表現の仕方で印象を変える、フレーミング効果
・間を取るのが好きという心理には返報性が隠れている。向こうが折れたならこっちも折れる、の結果が間を取るということ
・すぐに問題解決に行こうとしない、まず共感する
・選ぶと損するメンタルデコイを作っておくこと
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「企業が躓く(つまず)のは、正しい問いに間違った答を出すからではなく、間違った問いに正しく答えるからである」と言うマッキンゼー・アンド・カンパニーを立ち上げた創業者の1人、マービン・バウアーの言葉を著者が引用している。
浮かんでくる例としては、「Leading Innovation」と言うキャッチフレーズでおなじみの東芝だ。売り上げを増やすことをひたすら追求してきて無理があったのにもかかわらず、イケイケドンドンでストップする人がいなくて不正会計に手を染めてしまう。日本だけで事情を展開しているなら、責任者が辞任しておしまいおしまいになるだろうが、アメリカでも事業を展開しているので裁判が起これば多額の損害賠償を請求されることになる。どこまで経営に影響が出るかはわからないが、オウンゴールを決めてしまったことははっきりしている。
物が売れないからと言って安売りに頼ると失敗することがある、企業、士業と呼ばれる弁護士や会計士などにも当てはまる。安売りで企業価値まで安売りした例としてマクドナルドが挙げられている。
金曜日に、「マックキラー」と言われるニューヨーク発のハンバーガーチェーンの「シェイクシャック」が東京・外苑前にオープンする。安売りを売り物にしない素材にこだわるのを売りにして人気の店。日本でどれだけ千分を巻き起こすことが出来るのか気になる。
著者は「値決めの哲学」を持つことを提唱している。「心に持って行う値決め」が「よい値決め」で、「流されて行う値決め」が「悪い値決め」としている。価格以外の点、例えば利用することでの感動、楽しさと言った付加価値がないと消費者から見捨てられる。
シェイクシャックに関する記事
http://www.fashionsnap.com/news/2015-11-11/shake-shack-aoyama/
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デジタル・オンライン・グローバル。
価格破壊が進み、報酬が無に限りなく近づく。
いつまでも、コストベースの値決めをしていては、疲弊するばかり。
だから、「値決めの哲学」を持とう、という本。
各種知識のおさらいにはなったが、自分の仕事の参考にはならなかったかな。
少し残念。
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・売上-コスト=利益 を忘れて1個の儲け(販売単価-仕入単価)×販売数量=全体の儲け で考える・レッドDOGから、ブルーCATの居る場所へ。・悪いものは安いし、良いものは高い。これが商売の道理。・バリュープライシング 顧客はどのくらいの価格なら買ってくれるか。・人間中心の固定費ビジネスでの無料キャンペーンは、提供する人間の時間を奪うことになる。・ビジネス心理学としての行動経済学
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アナログは価格が下がりにくいがデジタルはすぐに下がる。
デジタル、オンライン、グローバル、な環境は価格が下落する。
コンピューター、英語、会計は幻だった。
デジタルからアナログへ、オンラインから共感へ、グローバルから居心地の良さ、へ。
変動費比率が低く(固定費比率が高く)、値下げによって販売数量が大幅に増えること。100円バーガー。
セット販売=バリューセット
ジレットモデル
無料と有料を組み合わせる
ゴルフ場の朝食無料サービス=遅刻がなくなった
家族間通話無料=家族間では長話しない
O2O=オンラインとオフラインの組み合わせ。
本を書いて講演で儲ける
半額で売るより、3個買えば1個無料、のほうがお得感が強く、かつ儲かる。
俺のイタリアン、原価率の高いものを進める=宣伝費と考える
英語力が不足する、ではなく、完璧な日本語が話せる
20時まで半額、実態は20時過ぎたら倍になる
夜だけ200円増し、ではなく昼間は200円引き、と書く。
BMWの伝説のディーラー林文子。車とともにある人生を売る。頼りになる先輩、というアンカリング。
サーロインステーキ2000円、サイコロステーキ1400円、だとサイコロステーキが売れる。
これに、サーロインステーキ150g2000円、サーロインステーキ200g2000円(今だけ)、サイコロステーキ、とするとサーロインステーキが売れる。
真ん中のものが売れる。わざと高いものを作る。
あらかじめアンカリングを打ち込む。得をした気分にさせる。
アンカリング+返報性で交渉する。
間をとる、のは返報性の現れ。
行動経済学=ビジネス心理学。
保有効果=自分の持っているものは価値を感じる
得するより損をしたくない心理=明らかに損をする選択肢をわざと提示する。それ以外は得をする選択のように見える。
悩みを引き取る、共感する、問題解決の提案をする
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残念ながら、期待していた内容と違った。
価格の設定がどのように行われるのかが、知りたかった。
なぜ、iphoneはあの値段なのか。
ビール1缶の値段、映画館の値段、指輪の値段、家の値段など、各メーカーや販売店がどうやって、値段を決めたのか知りたかった。
心理学的にというのは、ネットでもよく見る話で、本にまとめなくてもと思った。
各メーカーは、単純にここに乗っているような内容で価格を決めているわけではないと思う。
7800円にするのか、7600円にするのか最後どうやって、決定したのかとかが知りたかった。
メーカーの技術力に次いで、キモな部分なのかもしれないけど。
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・ 企業がつまずくのは、正しい問いに間違った答えを出すからではなく、間違った問いに正しく答えるからである
・ DOG(Digital/Online/Global)は、性能・機能などのスペックを競い合う男性的な競争の場
・ CAT(Cozy/Analog/Touch)は、楽しさ・心地よさを分かち合う女性的な共感の場
・ マクドナルドは190円で失敗したからこそ、その失敗から「中途半端な値下げではダメだ」という教訓を得たのでしょう
・ 値下げ戦略の成功条件
① 変動費の比率が低いこと(固定費体質であること)
② 値下げによって販売数量が大幅に増加すること
・ 恋の始まりや値下げに理由は要りませんが、離婚や値上げには理由が必要なのです
・ 3つの値決めゾーン
コスト回収価格:自分が主人公
ライバル価格:ライバルが主人公
満足「高」価格:顧客が主人公
・ DOG環境は「無料がまじると最高!」名安さを求める世界。CAT環境は「楽しさがまじると最高!」な快適さを求める世界
・ 顧客は、価格を比べることで高いか安いかを判断します
・ 比べられないゾーンをつくることでアンカリング・インポッシブルな状況をつくることができる
・ 相手にとって「不利」なアンカーをはじめに打ち込むのが交渉を成功させる秘訣
・ 引き取る・共感する・課題解決のステップでつくるCAT空間
・ これを選ぶと損するよ、と明確にわかるようにしておくのが、メンタル・デコイのうまいつくり方なのです。
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最近、文庫版が出て、気になっていたので、読んでみた。C2Cのプラットフォームが出て久しく、価格のダイナミズムは昔よりも増している気がしている。
本書は会計事務所の方が書かれているだけあって、管理会計の見地からの値決めの本である。
MP > FやDOGからCATなど、印象に残りそうなフレーズが多かったが、基本的な価格の構造に関する本という印象。
個人的にはもう少し経済学の需給バランスみたいな視点も欲しかったなということもあり、星は3つで。
◾️目次
第1章 売上重視が、会社を不幸にする犯人だった!
第2章 ドッグ(DOG)ビジネスは「無料」に向かう
第3章 値下げが成功する場合、失敗する場合
第4章 そろそろ「値決めの哲学」を持とうじゃないか!
第5章 顧客満足「高」価格をつくる「まぜプラ」
第6章 顧客に心地良いサプライズをつくる「ここプラ」
第7章 トップセールスに学ぶ、比べさせて売る「くらプラ」
第8章 顧客の困りごと、悩み、不満を和らげて2.5倍売る「やわプラ」
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プライシングの本はなかなかなく、心理学寄りか、原価計算の物になるので、バランスのいい本。
事例は古いが、基本は同じなので役立つと思う。最近だとサブスクリプションやビジネスモデルなどの本が近いと思うので、そこら辺を読んだ人が会計をかじるのにいいかもしれない。
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もんのおぉすんごい良書。多分これから何度も読む。出会えてよかった。
学びの例を挙げると、プライシングミックスは営業目線でも使える。複数ポートフォリオ持ってる企業が得意な技。Amazonはこれで競合ブッ◯してるやーつ。
100円バーガーの話
1994年までずっと210円だったハンバーガーの価格を、半額以下の100円にまで引き下げた値下げ。この値下げでマクドナルドは大幅な増益を達成しました。セール期間中の経常利益は5倍になった模様です。
→売る個数を増やして固定費を分散する。固定費を回収後、ハンバーガー1個あたりの粗利×個数で利益を得る。
→変動費以下の値段をつけたら売れば売れるほど赤字。よって、変動費が大きいと値下げしにくい。変動費小さければ値下げ幅が大きくなる。
→しかし、値下げ後に増大する販売数による利益が、元の利益より大きくならないと値下げの意味はない。
値下げ戦略成功の条件
①変動費の比率が低いこと②値下げによる販売数量の大幅増加
プライシングミックスの方法
限界利益率高い製品と限界利益率低い製品を一緒に売る
高いジュースとポテトと低いハンバーガーをバンドルするハッピーセット。前者で儲ける。
限界利益率低い製品を一度、付属する限界利益率高い製品を継続的に売る
カミソリと替え刃。替え刃で儲ける。
基本無料で有料機能バンドルでも売る
iCloudの容量プラン。限界利益率高い方がやりやすい。
営業活用
安い値段でアンカリング(基準額提示しない。)
そのために、
・高い値段→低い値段提示で、お得感と潜在的な不満持たせない。後から値上がりすると不満持つ。
・購買時は比較したい傾向を利用。製品ラインナップ(松竹梅)を一気に出すのではなく、松出して竹出せば比較ができる。(最初から竹買わせたい場合効果的。)
・松竹梅を準備。松は竹を買わせるために存在。
・返報性の原理。竹を買うことで、損失はお互い様という状況つくり。(買い手は梅ではなく少し高い竹を買い支出大きくする。売り手は松の利益ではなく竹を売ることで利益を小さくして我慢。が、実際は竹狙いであるため問題なし)
・所有への愛着認識する。営業するとき過去の所有物を蔑ろにしない。
・メリット創出よりデメリット回避が顧客に響く。たとえば、1万円拾うと落とすでは後者の方が記憶や気持ちに残る。後者を和らげる営業する。ヘアトニックより育毛剤。
・見せ方
シューズに3マンは高い。→歩くフィットネスジム、と伝えることでジムを考えると高く感じなくなる。
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なるほど為にはなった。色々な考え方を知ることができたという意味で。
でも、書いている人は公認会計士だそうだから、同じような業種としてもっと具体的に、ではどうやってあなたは高い値決めをやっているのですか?ということを詳しく知りたかったのだが、他の業種業界の話がメインで、今一つ自分の仕事には落とし込めなかったのは残念。
でも、考え方の端緒はもらえたように思うので、明日から実践だ!