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商品説明
東京の美大で彫刻を学ぶ大学院生「シン」は、母と、その内縁の夫「じいさん」と新潟の海辺の町で育った。一方、島に住む実の父親「倫さん」とも親しく交流を続けている。複雑ながら穏やかな関係を保つ家族だったが、シンの心には小さな違和感が芽生えはじめる…。【「BOOK」データベースの商品解説】
東京の美大で学ぶ大学院生シンは、母と、その内縁の夫と新潟の海辺の町で育った。複雑ながら穏やかな関係を保つ家族だったが、シンの心に小さな違和感が…。迷いもがく青年の姿を追った青春小説。『群像』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
彫刻家を目指す美大生の新太郎は、日本海沿いの町で、母親とその内縁の夫「じいちゃん」の3人での家庭で育った。実の父親、「倫さん」と親しく交流を続けている。複雑ながら穏やかな関係を保つ家族だったが、やがて、彫刻の修業のために、新太郎が留学を考えはじめたころ、小さな亀裂が走り始める。【商品解説】
目次
著者紹介
石田 千
- 略歴
- 〈石田千〉1968年福島県生まれ。國學院大学文学部卒。「大踏切書店のこと」で第1回古本小説大賞を受賞。他の著書に「バスを待って」「夜明けのラジオ」など。
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紙の本
あるいみ蘇生の物語だろうか。
2021/03/06 16:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家は、「私は」とか「ぼくは」とか「彼は、彼女は」という、主語をあまり使わない気がする。だから、読みはじめてしばらくたってから、あっ!主人公は男性か?と気づいたりした。
主人公の「シン」こと新太郎は、彫刻学ぶ美術大学の大学院生で、新潟は彼の故郷。そこには、実母と、銭湯のボイラー室で働く「じいちゃん」が二人で住んでいて、ここでも、母と母方の祖父と思っていたら、母と内縁の夫だったりしてまた少し混乱する。
さらに、シンの実の父親・倫さんは、その海辺の街から、船に乗り向かう島に住み、島で家庭を持って、倫さんの両親、シンの腹違いの弟とその母親と住みつつも、月に一度は、島から海辺の街へやってくる。
こんな風に、登場人物が複雑な関係、しかし、読み手は、すぐに矛盾もなく読み進め。しだいに、海辺の生活になじんでゆく。
エンディング近くには、やや大きめの事件も起こり、その複雑な家族も形を変えていったりするが、やはり、始終一貫して、静かで穏やかな物語。
穏やかすぎてどんな物語?と聞かれると、うまく説明できないぐらい。
カラッと晴れない、曇った冬の空みたいな佇まいを持ちつつも、なんかこう…いいのである。
田舎町である故郷に冬に帰って、うっすらぼんやり冬眠みたいに過ごして、蘇生させてもらう。…そんな感じの物語だろうか。
紙の本
まるであなたと出会ったときのような。
2015/12/03 22:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雪空スウィング - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後、まず感じたのは、親しいひとに出会うような読書体験だったなということ。
寡黙な語り手の生活環境を読み取るには少し時間がかかり、もどかしい。けれど、大切な出会いはいつもそう、ゆっくり時間をかけてお互いを知っていく。現実の誰かとの出会いのように、読み進めるうち少しずつ語り手と親しくなっていった。それはとても心地好い時間だった。