ぼくたちは戦場で育った サラエボ１９９２−１９９５

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「あなたにとって、戦争ってなんだった？」
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争当事に子ども時代を過ごしていた人々への問いかけ。
かつての子どもたち、ひとりひとりの声が（大義でもなく解釈でもなく）「戦争とは何か」を言い当てる。
（多くの人は自分の身に悪いことが起こるなんて思ってないが）戦争は「ある日突然」やってくる。
戦時下、ただでさえ何事かあれば自粛を強要される私たちの国で、うたったり笑ったり、冗談を言うようなふつうの暮らしが許されるだろうか？
訳者である角田光代さんの問いかけは、杞憂だとは思えない。多くの人に読み、考え、今できることをしてほしい。

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角田光代さんのブログがきっかけでこの本と出会った。
ちょうど私が生まれた年ぐらいに起きた、そう遠くない過去の戦争。けれどもこの「サラエボ包囲戦」について私はあまりよく知らなかった。
本の第2部で、戦時下のサラエボで幼少期を過ごした人々の1000あまりの思い出・当時思っていたことが語られる。短いたくさんのそれらは、とてもストレートに切実なものとして次々に飛び込んでくる。日本で何事もなく過ごしてきた自分の幼少期を思い、愕然とした。
しかしこれは、過去のものではない。今現在も同じことが世界で繰り返され、同じ幼少期を耐えている子どもたちがいるのだということを改めて、ヤスミンコ氏の言葉で強く意識した。

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1990年代のボスニア戦争の際に、サラエボで子ども時代を過ごした人たちからのメッセージを集めて本にしたもの。
あの過酷な戦争を子供たちがどのように感じ、過ごしていたか。大人の言説とはまた全然違う、戦争中の現実が痛いほど伝わってきて、何度も胸が苦しくなりました。
本当につらかったというメッセージのあふれる中に、ああいう状況だからこそ特別な友情や愛情も生まれた、というメッセージも。我々が当たり前だと感じていることが、戦争の地では当たり前ではない。そんな”当たり前”のことを、まっすぐに伝えてくれた1冊でした。
自分と同い年の人たちからのメッセージもたくさんあって、そのこともあって、とてもいろいろ考えさせられました。

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サッカーに興味がなく、当時のジェフのファンでなく、オシムさんを知らず、通訳の千田さんを知らなければ、手にすることはなかった本。
この戦争が始まる前に高校生だった自分は世界史の授業で「７つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ、1つの国家」を知り、バルカン半島がヤバイ、ということを知ったばかり。
大人に(しかも年上の部類)になって、判ること気がつくことがある。そういうことに、気がつける本だと思う。

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イタリアで作られたイカール缶(牛肉の缶詰め)は非常に不味かったそう。あのイタリアで作られたのに。人気のあったランチパックは12番。

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同世代の戦争体験。
ひどい体験と、どんなにひどい状況の中でも楽しみと友情を見つける人間の強さも感じた。

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ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、手に取った。ニュースで流れた幼き少年の動画がこびりついている。「父さんと離ればなれになった。父さんはウクライナを守るために戦いに行った。兵士は英雄なんだ」その少年の目元が赤く腫れている。
・なんで日本が平和を掲げているのか、改めて考えてほしい。

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今この本を読むと、やはりウクライナの方たちもこんな思いなのかなって思わずにはいられない。戦争が生活の一部になる人生なんて考えられなかっただろうに。