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紙の本
怪獣の飼育委員 2 (MANGA TIME KR COMICS)
著者 島崎 無印 (著)
怪獣の飼育委員 2 (MANGA TIME KR COMICS)
怪獣の飼育委員 2巻
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- 税込価格:1,298円(11pt)
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お友達になれたかな
2016/02/21 17:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生き物係が水槽や花壇の手入れをし、飼育委員がうさぎの世話をするのと同じ感覚で、少女が学校の裏に住み着いた怪獣と触れ合う、その最中に体験するおっかなびっくりの記録の刊行があっさりと終了した。
前巻とは、やや、趣が異なり、怪獣出現時の混乱とそれに纏わるエピソードや原因不明の難病の話、怪獣の心理や発生メニズムの神秘など、次巻以降で解明すべき本作の特色である興味深い問題の数々が、未解決のまま、少女の学園生活におけるちょっとしたハプニング程度に扱われ、結果として不満の残る内容である。
前巻で頻りに取り上げられた、怪獣の対処法、女声の重要度が、本巻では薄まり、女声と怪獣の行動との因果関係の説明が不十分で分かりづらい描写が複数あり、少女の素質や才能の開花、人知れぬ努力など、怪獣が苦手な少女の成長物語として読むのは難しく、主人公が能動的に行動する場面が少ないのが最大の欠点だ。
女子校を舞台にし、男っ気が作中にほとんどない弊害であろう、あえて男の趣味の領域に女子を登場させた長所が、極端に言えば、絵柄の可愛らしさ以外にはなく、老人や年配の男性の表情は、乙女の笑顔に比べて見劣りし、作画に雲泥の差がある。
怪獣に興味を抱き、憧れ、畏怖し、研究者として、役人として、関わりを持ち続ける道を夢見る男の子が登場しない寂しさ、怪獣に寄せる男ならではの情熱の欠如が、いやが上にも意識され、ほぼ女の子だけの世界の不毛さを感じてしまうのは、欲張りであろうか。
欲張りなのかもしれない。
冒頭と番外編で披露される飼育委員長の水着姿の肉付きの良さは予想外で、着痩せするタイプであった事に、驚き、妙な親近感を抱く読者も多いのではないか。最後には懐古趣味的乙女の世界に案内してくれる新たな飼育委員が、怪獣との共存共栄が紆余曲折を経ながらも着実に進みつつある世代の一員として登場するのも見逃せない。
怪獣図鑑と銘打つにしては収載数が少なすぎるが、怪獣の生態が完全に解明されていない世界における、部外者に閲覧が許された報告書の一部として、割り切って読むのが妥当である。