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閻魔裁き 2 雨乞いの美女が消えた (ハルキ文庫 時代小説文庫)
著者 風野 真知雄 (著)
播州竜野藩の藩主、脇坂淡路守安董は、一筋縄ではいかない相手でも、「悪」とわかれば容赦なく裁きをくだすことから「脇坂閻魔」と恐れられていた。脇坂は大奥の中にまで出入りしてい...
閻魔裁き 2 雨乞いの美女が消えた (ハルキ文庫 時代小説文庫)
閻魔裁き (二) 雨乞いの美女が消えた
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商品説明
播州竜野藩の藩主、脇坂淡路守安董は、一筋縄ではいかない相手でも、「悪」とわかれば容赦なく裁きをくだすことから「脇坂閻魔」と恐れられていた。脇坂は大奥の中にまで出入りしている僧侶と対峙することになる。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
推理と時代背景を映した娯楽時代劇
2019/03/07 23:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
風野の閻魔奉行・脇坂淡路守シリーズ第2弾である。閻魔奉行は脇坂の決め台詞に閻魔大王が登場するので、こう名付けられたらしい。町奉行ではなく、もちろん、勘定奉行でもなく、寺社奉行である。寺社奉行が小説に登場し、事件を扱うものは少ないであろう。本書を読んでいると、寺社に関わる事件は種々存在することが分かる。
ただし、町奉行や火盗改めのように、与力や同心が大勢いるわけでもない。本書では奉行の補佐を行う2人の武士がいる。小検使である鶴田風二郎、支配留役である亀山雷蔵である。この2人が脇坂に代わって直接事件を扱っている。とはいうものの、脇坂はこの2人から報告を受けると、直ちに席を立って現場を訪れることが少なくない。
実際に自分の眼で見て、そこでの推理やひらめきを大事にしているようだ。上に立つものはそうありたいものである。本書では5つの挿話が収められている。当然、いずれも寺院か神社絡みである。現在の警察組織では事件の内容によって出てくる組織が変わってくる。殺人であれば捜査一課、経済事犯であれば捜査二課、窃盗であれば捜査三課という具合である。
ところが、この時代ではどんな事件であっても、寺社境内で発生した事件は皆寺社奉行が取扱う。組織とは面白いものである。時代は変わっても、それぞれの事件の持つ専門性はあったはずで、殺人事件などを扱う例の少ない寺社奉行では首尾が覚束ないような気がするのだが。
短編5編とも時代性を感じさせ、それなりに推理を働かせる筋立てになっている。これぞ時代劇の娯楽編である。結構面白く読めた。早速シリーズ3作目を買って読んでみる気になっている。