紙の本
うらやましい適当さ
2019/06/24 23:51
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の義務教育はとにかくバカバカしいことだらけ。日頃、そんな学校に辟易している娘は、この本に出てくるフランスの学校がとにかくうらやましいようだ。
紙の本
フランスの子育て事情がよくわかる
2017/06/16 23:52
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投稿者:ちょびちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の経験に基づきつつも、客観性もあり、とても読みやすいフランスの子育て事情エッセイ。バカロレアで哲学が必要なことは知っていましたが、哲学教育がもっと小さい時からなされているとは知りませんでした。日本がマネする必要があるかどうかは別にして、こういう教育をしている国があることを「知る」ことはとても大切な気がしました。
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久しぶりに一気読みした本。フランスの初等中等教育の特徴をバカロレアの論述形式の試験と関連づけて話している。著者と著者の娘と息子の実体験を基にしているので具体的であり,成長物語のようでもある。
フランス人と交流したくなった。
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フランスの教育についてよくわかった。
もっと哲学する子どもたちが読みたかった。
哲学をするというのはどういうことなのか知りたい。
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借りたもの。
フランスでの教育と日本のそれの違いを、著者の経験、具体的な描写を交えて比較する。
その根底にあるのが、フランスは「哲学する」事を学ぶのが学問であるという意識。
対して日本は進級や学歴という一種の資格のようなものとして学んでいる節がある。
「自分で考える力を促す」フランスのカリキュラムに対し、「決まりきったことを効率よく教える」日本のカリキュラム。
また、日本は再チャレンジを許さない厳しいものという印象があったが、フランスにも日本とは違う視点からの厳しさがあることを知る。
それは成績の点数ではなく、品行素行の問題に寄るところ、どうしても学ぶ姿勢が見受けられないという至ってシンプルなものだった。(そこに教育関係者だけでなく、他の保護者との会議がある点が興味深い)
著者はフランスの――広義には欧米文化の――ラテン語至上主義文化に対しては難色を示しているようだが……
フランスの教育姿勢から日本も見習え!という話ではなく、日本の教育現場に足りない視点が何なのかを浮き彫りにする。
日本は学問に対する自意識が非常に乏しいのではないか?学問とは何のためにするものなのか?という基盤が弱いことを意識させられた。
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フランスの中・高校教育の実際がどのようなものか、細かい実際が紹介されていて、日本とのあまりの違いに驚くことが多かった。
何より、フランスの高等教育の核となる部分にリベラル・アーツが据えられていることは、日本の大学から教養教育が消滅しつつある状況を考えると、本当に日本の大学教育は現在のままでいいのかと疑問に思えてきてしまう。
余談だが、実際にフランスで販売されているバカロレア受験のための参考書の邦訳があれば、ぜひ購入してみたいと思った。
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フランス人夫を持つ、元フランス語教師だった著者が、フランスで二人の子育てをする中で見えてきた、フランスの学校・教育事情を綴った本。著者は、『パリの女は産んでいる』の著者でもある。
表題にもなっているが、フランスの授業で凄いのは「哲学」の授業である。「哲学」の授業と言っても、「昔の哲学者はこう言った」という日本式の暗記型の授業ではない。そうではなく、高校生の時点で、例えば「芸術作品には必ず意味があるか?」とか「尊敬するためには愛さなければならないか?」といった哲学的な問題に対し、自分の意見を書けるよう鍛え上げられるというのである。
さらに言うと、「自分の意見を書く」というのも、単に「私はこう思う。なぜなら~」と単一的な自説を述べればよいわけではない。まずは、出された問題を自分の言葉で定義し直す必要がある。例えば、「愛する」を「強い愛着の感情を持つこと」などと、最初にしっかりと用語を定義するのである。次に、「見つけた複数の答えをそれぞれ極端に推し進める」、つまり、2つ以上の説について書き進めなければならないらしい(いわゆるテーゼとアンチテーゼ)。
そして極めつけに、「推し進めた2つの説を調整した別の説」を最後に書いて結論とするのである(いわゆる弁証法でいうジンテーゼ)。筆者も書いているが「結論で序論と同じことを繰り返せ」と説く日本の小論文指導とは全く異なる。「抽象的にものを考えて他人に示すにはどのようにすればいいか」「異なる意見に耳を傾ける習慣」が身に着くだろうと書いてあったが、その通りだろうと思う。
他にも、単なる読書感想文でなく、テクスト評釈の書き方も高校で習うらしく羨ましい限りである。私が覚えている日本の高校の現代文授業と言えば、「国語の教科書を貰った初日に全部読んでしまって終わり(授業でそれ以上のことが分かるわけではない)」くらいで、3年間かそれ以上?「哲学」や「テクスト評釈」の授業を受けてきたフランスの高校生とどれだけ差がついているのだろうと、残念な気持ちになる。
ただ、日本の方も、小中の算数数学だと、かなり日本の方が良いらしい。そのため、ただ羨むだけでなく、少しでも良い所を取り入れていけたらよいのではないかと思った。特に日本の場合、読書感想文でも何でもいいので、せめて書き方の構造を学んで練習する授業を取り入れたらどうだろうと思わずにはいられなかった。
最後に、本書では、授業内容だけでなく、先生や、成績の付け方、修学旅行、弁当(昼食)など、様々なフランス事情も書かれてあるので、日本とは違った様子も読んで楽しめるはずである。
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「引用は、それだけでは根拠にならない。説明され、主題に関係付けられてはじめて根拠となる」(p.44)
フランスの「哲学」という科目では自分の考えを発展させることが優先されているが、だからといって、哲学者の言ったことを勉強しないで勝手に考えてよいわけではない。というより、たった一人で考えることはとても難しい。先人の考えたことを学ぶことでこそ、自分の考えを発展させることができるのだ。哲学を学ばないで、「考える力」だけつけようとするのは、技術を学ばないで船を作ろうとするようなものだろう。先人の技術を学ばないで、孤島に置き去りにされたら、自分に作れるのは丸太舟止まりだろうと、私はいつも思っている。(p.45)
たとえば設問1に、ぶっきらぼうに「全体主義」と答えたのでは良い点はもらえない。「政治体制は何か」と訊いているのだから「全体主義である」で良さそうなものだが、それだけではだめなのだ。何を知っているかが試されるだけではなくて、物事を理解するために持っている知識をどう使うか、それをどう表現するかまでが試されているからだ。(pp.188-189)
フランスの勉強は一人でやれることに限界があるような気がするのだ。論述式の試験に備えるためには、知識だけでなく、それをどう与えられた課題の分析に使うか、同組織して論理を組み立てるかを訓練しなければならないが、それには足りないところを指摘してくれる他人の目が何より有効なのではないかと思う。一般には親が勉強の面倒を見ているようで、はっきり言って親がそれができるかできないかで差がついてしまう面がある。「文化資本」による格差はここにも出てくるのだ。(p.202)
私の手元にある高校生のためのフランス語の受験参考書には、「こうして構造を把握すると、問題のテクストを距離を持って見られるようになる」と書いてある。「テクストと距離を持つ」ことを勧めていることに注意を促したい。フランスの「国語」の授業で要求しているのは「登場人物の気持ちを想像すること」や「語り手の気持ちを想像すること」ではない。著者が「登場人物の気持ちをどのような方法で表現したか考えること」だ。そういう点が日本の「国語」ととても違うと思う。(p.226)
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フランスの「すべての子供に教育を」という考えは、多少の不便や不平等には目をつぶるという「問題は多少あってもまずは教育の機会を与えてから考えよう」という割り切りの上に成り立っていることに感心。
教育内容も「考える力」をつけさせることに大きなウエイトを置いていることがフランスの国民性をはぐくんでいるということがよくわかる。
自分で考えてそれを言葉にすること、自分と同じように他者にも考えや想いがあることを「当たり前」として自分の考えを伝えるスキルを身に着けようとすること、そうした日本の教育に圧倒的に欠けていることを実践している。
日本の学校教育を考える上でも非常に勉強になる一冊。
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和田先生の『19歳の読書論』での紹介に触発されて読みました。フランスの教育事情が知れておもしろかったです。
バカロレアで求められるような、主張を論理的に構築して論述するということは、非常に重要だと思います。哲学とは関係のない仕事をするにしても、仕事の基礎として活きると思います。その能力は、”感想文”では培われないであろうことは、この本を読んで強く印象付けられました。フランスでの教育の実践を知れて、新たな視点を獲得できた気がします。
とはいえ、この本を手放しで評価するかというとそういうわけでもなくて、ちょっと書き方が散らかっている印象を受けました。私がこの本を紹介するとしたら、そういうマイナス面をいろいろ言い募ってしまいそう。この本の直接的な感想から外れるのですが、和田先生は、そういうところを捨象して、いいところをうまくすくいとって紹介していたのでしょう。そういう点でも勉強になりました。(2018年2月14日読了)
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フランスの中学、高校教育はかなり日本と違うと感じた。筆者の言うとおり、日本の教育にも良い面はあるが、「考えさせる」ということに対するこだわりが全く異なる。
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面白かったです。筆者のフランスでの子育てを
通じた教育経験が書かれているエッセイ。
フランスの教育の歴史から始まり、
日本との教育の違い、例えば、
作文は与えられる課題内容が
フランスでは物語を描いたりするが、
日本では「日記」と「感想文」であること。
フランス人のこだわりの多言語主義、
入学式や卒業式がなく、成績会議なるものがあり、
飛び級と留年があり、修学旅行はその学校にいる
先生が催すかどうかであるなしが決まり、
いじめには調停人がはいり、いまだに(エリート
言語である)ラテン語を習うこともあり、
フランスにおけるPTA(ただしTは含まれず)は
右派と左派があり(!)かなり大変であり、
教育費は安く平等であるものの、実際は親の
財力(住む場所により行く高校がほぼ決まっている)
によりかなり左右される。
フランスの高校生が受ける卒業試験バカロレアが
「哲学」試験からスタートする、それほど
フランスの教育において「哲学する」という
ことが重要視されています。
そのため、題名は「哲学する子どもたち」ですが
哲学部分は少なく、題名が惜しいなぁと思います。
哲学はフランス人には身近で、日本人には
近寄りがたいものなので、日本の読者が手に取る
機会が減ってしまう気がします。
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大学の課題図書で読みました。
フランスの教育事情を分かりやすく知ることが出来る1冊だと思います。哲学ないしバカロレアを通してフランスの子供達がどのような思考のプロセスを踏んで自分の考えを醸成していくのかが分かります。高校生で4時間の論述って大変そうだなと思っていましたが、バカロレアを受けるまでにそれに対応できる能力が養われていくと思うと、やればできるんだなと思うようになりました。
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モーパッサン読まないとな。◆講評の仕方、恥ずかしながら、ようやく理解できた。◆◆なるほど、このように考える作法を知れば、高等教育で困らない。
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「フランスには入学式がない」「成績会議に生徒代表が参加」など、哲学に限らず驚くことがたくさんあった。真似をするのではなく、日本での当たり前のことを疑うきっかけをくれた。哲学に関しても、大学に入るまでの訓練が日本と大きく違っており、参考にすべきと思った。