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ブーツをはいたネコ みんなのレビュー
- シャルル・ペロー (作), フレッド・マルチェリーノ (え), おぐら あゆみ (やく)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:評論社
- 発売日:1994/07/01
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絵本
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紙の本
エリザベスリングを首にあしらったネコの巨大アップだけで、表紙にタイトルがない絵本。繊細でリアルな絵柄なのにファンタジック!一見の価値ありと思います。
2001/06/19 13:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙にタイトルがない。では何の本かと思って裏を返すと、表4と呼ばれるところにタイトルと著者が記載されている。
これはグラフィック的にかなりとがった本なのだろうなと考えながら、本の流通に欠かせない国際図書コードやバーコードを眺める。野暮に見える。ここまでは、画家の考えが及ばなかったらしい。
本文の絵をながめて「おお」と嘆息する。
ベージュと水色が印象的な色調は、スーラの絵を思い起こさせる。パステルと色鉛筆で細部までリアルに丁寧に描かれたきれいな絵。なのに、ものの大小の比率を少しくずしているためか、ユニークな構図のせいか、ネコや人々の目の表情の不思議さのせいか、とてもファンタジックな世界がそこに広がりだす。
かんじんのネコのブーツの形も面白い。
シャルル・ペローのお話は、民話に本来そなわっている残酷さやエロスの香りを漂わせて、ヨーロッパの童話の原点となった。中でもこの、『長靴をはいた猫』として知られている、知恵者のネコが人々をうまく勘違いさせて貧乏な自分のご主人さまを<カラバ侯爵>と仕立ててしまうお話は皮肉が利いていて楽しい。
次から次への展開に、大人も子どももなく結末を期待できる。
人食い鬼の住むお城をカラバ侯爵のものにせんと、最後に繰り広げる鬼との知恵くらべが本当によくできている。いつも、どの再話でも感心してしまう。
相手を大きなライオンに化けさせて、その化け方の見事さに感心してみせたあとで、次に小さなネズミに化けさせる。そして、まんまと食べてしまう。
世界の民話と日本の民話の類似はよく指摘されるところだけれど、この結末は、日本の民話で言うと『さんまいのおふだ』に似ている。やまんばに追いかけられた小僧を救うため、おしょうさんが一計を案じるのだ。
大入道に化けて調子にのったやまんばは、おだてられて次は豆つぶに化ける。そして、ぱっくり食べられてしまうというもの。
子ども時代には、お話の面白さを追いかけるだけだったけれど、今こうして子どもと絵本を楽しんでいると、人による再話の工夫やら、個性が様々な絵の魅力にとりつかれてしまう。
これだけ、いろいろなパターンのものが手にできるというのは、何という豊かさなのだろう。
話はずれてしまったけれど、そのバリエーションの多さに感心させられる豪華なイメージの絵本です。
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