原題:The Deep Silence
第二次大戦が舞台となるリーマン名義の著作には珍しく、舞台は冷戦下の中国沿岸。イギリスの原子力潜水艦の艦長が、上官や部下との軋轢に悩みながらも任務を果たす様子が描かれている。これを読んで、第二次大戦のUボートを題材にした同氏の「国王陛下のUボート」を思い出したのだが、原子力潜水艦での生活環境は当時とは比べ物にならないとはいえ、一度事があったときの孤独と絶望感になんら変わりはないのだと感じる。 それにしても、裏表紙のあの紹介文はこの話の紹介としてはあまりにも一部だけを取り上げすぎという気もするが。