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ダイヤモンドより平和がほしい 子ども兵士・ムリアの告白 みんなのレビュー

第53回産経児童出版文化賞フジテレビ賞 受賞作品

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みんなのレビュー37件

みんなの評価4.5

評価内訳

37 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

あえて問いたいのです。「この本を読んでどう感じましたか」と。

2008/11/21 16:49

24人中、24人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紅葉雪 - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは児童書だが、大人にこそ読んで欲しい。

シエラレオネ共和国。
世界で一番寿命が短い国と話題になった事もあるが、覚えておられるだろうか。

平均寿命は男性約32.4歳。女性約35.7歳
(本書より。なおこのデータは2002年の物)。
日本の平均寿命の半分以下。

この平均寿命の短さは、「内戦」という「人災」が原因だ。

この国の不幸は、世界でも屈指の優良なダイヤモンドの産地だった事。
それが10年を超える内戦という悲劇を引き起こしたのだ。

ダイヤモンドの産地は反政府ゲリラに襲撃され、その支配下に置かれた。ダイヤモンドの売買による外貨が、その活動資金となった。

反政府ゲリラは罪もない人々の身体を傷つけていく。ある者は両腕を切られ、ある者は耳をそがれ、ある者は足を切断され。彼らは幼い子供にすら容赦せず、その腕を切り落とした。

こう書けば、いかに反政府ゲリラが非道かと思えるだろう。

でも。
この反政府ゲリラの兵士の殆どが、10歳から16歳の子どもだったとしたら……。


10代を通り過ぎた人ならば、自分が10代だった頃を思い出してほしい。
10代の人ならば、今の自分が、と想像してみてほしい。

自分が武器を手にさせられ、己の手を人の血で汚すよう命じられ、さらに逆らえば殺されると判っていたら。

……自分は、どうするだろうかと。

そう、その子ども達もまた被害者だった。
ある者は目の前で両親を虐殺され、ある者は誘拐され、ゲリラに組み込まれた。
「子どもは油断をさそえる」……それが理由で、大人が彼らを「殺人マシーン」とした。厳しい訓練をし、戦いの前には子どもの身体に麻薬を埋め込んで。
麻薬の影響で興奮状態になった子ども達は、人を傷つけるのも殺すのも平気になったという。


著者は、元反政府ゲリラの少年兵だったムリアと向き合い、その心の内も聞いている。
彼はゲリラを脱走し保護された過去をもつ。

ムリアの言葉の一つ一つが、彼の心に負った傷の大きさを感じさせる。
やっと戦いから解放された筈なのに。今度は心の傷と闘いながら、それでも前向きに生きようとする姿には胸を打たれた。その瞳は本来の年齢よりずっと大人びてみえ、だからこそ何か物悲しかった。

シエラレオネの内戦が終わったのが2002年。
元少年兵だった子どもたちは、内戦が終わった後、居場所がない事も多いという。家族にすら受け入れられない事もあると。少年兵は間違いなく被害者。
だが。
……加害者でもある、決して消えない事実。

少年兵に傷つけられた、ある被害者の言葉を引用したい。

「…(略)彼らはまだ幼い子どもだし、何も知らずに兵士として使われたんだろう。自分はその子たちを責めはしない。…(中略)おれたちはこの国に平和が欲しいんだ。何よりも平和なんだ」
そして。
「彼らを許さなきゃいけない。けれど絶対に忘れることもできない」


自分は普段、他人に本を薦めても、感想は尋ねないようしている。
本の好みは千差万別あって当然だし、ある一冊に対する感じ方や考え方は、人間の性格と同じで十人十色でいいとも思う。どれほど好みが似ていても、読者のおかれた立場や環境、さらには育った過程によっても、感じ方や受け取り方は違ってくるだろう、と。

だが。この本に関しては、敢えて違う態度をとりたい。

一人の大人として。……何より一人の人間として。

「この本を読んで何を感じましたか。あなたはどう思いましたか」


最後に。
自分はこの本を読んだ後、ずっとシエラレオネに目を向けてきた。

2007年、前大統領の任期満了に伴い、始めて民主的に政権が交代した。平均寿命も僅かだが伸びている。
復興への道を歩きだした彼の国が、これから先、厳しい風が吹き荒れるだろう時代の中、ムリアたちの願う平和な国になることを願ってやまない。


同時に思う。少年兵の問題は、ここだけのものではない。今この時も、戦いの中、武器を手にしている子ども達がいる。

自分は決してそれを忘れたくない、と。

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紙の本

ただ、平和がほしい

2015/08/16 18:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yasushige - この投稿者のレビュー一覧を見る

後藤健二さんがジャーナリストとして伝えたかったことはなにか。
この本を読んで感じたことは、いかなる戦争も結局は悲惨な結果をもたらすということ。

今の日本は戦争を経験したことがない人が大半を占めており、”戦争”と聞いてもイメージが湧かないと思うが、この本を読めば戦争が何を生み出すかがわかる。
憎しみ、悲しみ、喪失感、何もいいことはない。
この感情が新たな戦争に導く悪循環に陥ることもある。

後藤健二さんは最後に語っています。
”たとえ、建物や街の風景はもとに戻っても、人の心に刻まれた憎しみや悲しみは消えません。”

戦争とは何かを考えさせる一冊です。
子ども向けの本ですが、大人も必読の内容だと思います。

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2010/06/28 12:03

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2011/09/05 23:28

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2015/03/29 01:04

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