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もしかしたら絵本に分類する人もいるかもしれませんが。
前半の『冬になったら学校に行けるのね』の繰り返しや、意地悪な視点で見た主人公達の雇い主(?)描写はぐっときます。
あとね、ドア閉めちゃダメだよ。君達2人の他にも同じような境遇の子供はいるんだから。
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自分も回りも灰色だらけの生活から、赤い鳥を追って「ミナミノハラ」へ。いじめで自殺する子どもたちのことを考えさせられ、悲しくなる。 絶望の灰色と希望の赤。雪の寒さ、暗さとミナミノハラの暖かさ、明るさ。ちょっと哀しくて、ちょっと暖かいリンドグレーンの絵本。
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灰色の日々を送るマティアスとアンナはかがやく赤い鳥についていき不思議で幸福な子どもの国へ。
現実の世界と子どもたちの世界の色が大きく異なるのが印象的なそこはかとなくかなしい絵本です。
(2006年05月21日読了)
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「マッチ売りの少女」や「フランダースの犬」に迫る、切ない物語。リンドグレーンが物語を作ってあげたかった子どもたちとは?という問いに答えてくれている。
喩えようのない苦難の中で生き延びる子どもに希望を。
しかし、切なさで胸がいっぱいになる。
つらさと優しさがページ毎に対比された、テルンクヴィストの絵も本当に素晴らしい。
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ずっと昔、まだ多くの人が貧しかった頃、マティスとアンナという、両親をなくした幼い兄妹がいました。
ふたりは見知らぬ農家に働き手として引き取られ、一日中牛小屋で灰色のねずみのように働かされます。与えられる食事は粗末なもので、辛さのあまり誰も見ていないところで泣きました。
たった一つの望みは、冬になったら学校へ通わせてもらえること。
でも冬になり、学校に通い始めても、灰色の毎日に変わりはありませんでした。
ある日の学校からの帰り道、兄妹は雪の森で真っ赤な鳥を見つけます。
鳥を追いかけてふたりがたどり着いたのは、小鳥たちが歌い、輝くように花が咲き、たくさんの子どもたちが遊ぶ天国のような緑の草原、ミナミノハラという春の国でした。
それから毎日、赤い鳥はマティスとアンナの前に現れますが、春が近づき、とうとう学校に通うのも最後の日がやってきます──。
辛い状況にあっても、心の中は幸せであってほしい。
悲惨な境遇の兄妹を暖かいまなざしで描く、リンドグレーン作品の挿絵で定評ある画家テルングヴィストの新たな描きおろしを収録した一冊。