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高い評価の役に立ったレビュー
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/11/18 20:53
人生において、勉強ってどういう位置づけのものなのか?
投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
標題どうり、中学の通信簿 オール1の人が、23歳から一念発起して国立大合格、そして生徒の気持ちと共感できる高校教師になった実話です。
彼の話を読んで一番に感じるのは、勉強とは、詰め込まれてやるものではなく、自分が知りたいから貪欲に調べて吸収して行くという姿が最も自然なものであるという当たり前の事。
有名学校の肩書きを得る為に受験勉強する、必修として上から詰め込まれる、どちらも日本の教育産業と教育政策の現在の姿ですが、これらは本人の意思や興味からかけ離れたニセモノであることに、皆 気づいているはずです。
この作者のような実例を知ると、まだ 日本にもこの様な姿勢で勉強に取り組んでいる人がいるという事にホッとします。
そして、本当に勉強したい人にとって、この国は決して学びやすいしくみになっていない事がよく分かります。
奨学金の制度がもっと沢山あったら。各種の年齢制限が撤廃されたら。等何歳でも、どういう経済状況の人でも、勉強したい人が、本気で勉強できてそれを生かせて行けるしくみが日本では必要です。
この著者の様な人にこそ教育制度改革の計画策定に加わってもらい、抽象的な理念の議論ではなく、実効のある変革を考えて進めてくれればと思います。
低い評価の役に立ったレビュー
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2007/07/10 21:53
賛成できかねる。
投稿者:ばんろく - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校時代に全く勉強できなかった宮本君が23歳にして始めて勉強したいと思えたことを描いた体験談。それを実行して名大の理学部物理に入ったのには敬服する。しかし。
無性に勉強をしたくなったというスイッチが入った時のことについて十分に表現できていないし、周囲の人達が自分を応援してくれていることに関しては、自分がいかに回りを良い意味で巻き込める人間に変わったか (多分そういうことが起こったんだと思うのだけれど) ほとんど書けていない。唯一の描写は、土木の職場でもいじめられてついに一週間家に閉じ籠った時の回想。もしも自分が1年後に確実に死ぬとしたら自分は今何をするだろうか、 10年、30年だったら…、と言ったことを考えて真剣にノートに書き綴ったことを書いており、それがこの人の転機だったのだと僕は想像する。けれどそれが精細に描かれているわけでもないから、結局「特別な集中力が発揮されたから人生が変わった」というただの成功談にしかなっていない。
宮本さん個人は純粋に、自分もこんなだったけれど成功することも必ずできるんだという励ましを与えたい気持があったのではないのか。確かに実際教師として生徒と接する環境にあるなら、自分に起こった体験を必要な相手に必要なだけ伝えることができるだろう。それだけでもたぶんものすごく難しいとは思うけれど、少なくとも一対一で向き合うという責任を持てる。しかしこれをマスメディアにのせることは、全く別のことだ。これは絶対に励ましにならない。なぜなら会ったことのない世の中に自分よりすごい人の像を感じることは簡単にできるし、むしろそれに圧迫されて苦しむ人が多いのだから。宮本さんに会ったことのない人にとって、この本はその像を一つ増やす手伝いしかしないと思う。
著者を責めているのではなく、むしろこういう本が世に出ることを止めなかった編集者がおかしいと思う。自分が這い上がった経験を生かして他の人を救いたいという気持は多くの人に起こるものだと思う。それは悪いことではないが、難しいはずだ。編集者というのはプロなのだから、技術がない人に対して「あなたの言いたいこと、やりたいことは分かるが、このままの形ではこれを他人として読む人には伝わりませんよ。」と言うことこそが仕事なのではないか。それで出版を諦めるのではなく、そこを良くして行く作業が編集だと思う。
編集者の立場として美談として売りに出そうという魂胆だったなら、賛成は出来ないが理解はできる。しかしもし、編集者も純粋な目を輝かせてこの本を出版したというなら、むしろその方が怖い。
紙の本
人生において、勉強ってどういう位置づけのものなのか?
2006/11/18 20:53
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
標題どうり、中学の通信簿 オール1の人が、23歳から一念発起して国立大合格、そして生徒の気持ちと共感できる高校教師になった実話です。
彼の話を読んで一番に感じるのは、勉強とは、詰め込まれてやるものではなく、自分が知りたいから貪欲に調べて吸収して行くという姿が最も自然なものであるという当たり前の事。
有名学校の肩書きを得る為に受験勉強する、必修として上から詰め込まれる、どちらも日本の教育産業と教育政策の現在の姿ですが、これらは本人の意思や興味からかけ離れたニセモノであることに、皆 気づいているはずです。
この作者のような実例を知ると、まだ 日本にもこの様な姿勢で勉強に取り組んでいる人がいるという事にホッとします。
そして、本当に勉強したい人にとって、この国は決して学びやすいしくみになっていない事がよく分かります。
奨学金の制度がもっと沢山あったら。各種の年齢制限が撤廃されたら。等何歳でも、どういう経済状況の人でも、勉強したい人が、本気で勉強できてそれを生かせて行けるしくみが日本では必要です。
この著者の様な人にこそ教育制度改革の計画策定に加わってもらい、抽象的な理念の議論ではなく、実効のある変革を考えて進めてくれればと思います。
紙の本
賛成できかねる。
2007/07/10 21:53
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばんろく - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校時代に全く勉強できなかった宮本君が23歳にして始めて勉強したいと思えたことを描いた体験談。それを実行して名大の理学部物理に入ったのには敬服する。しかし。
無性に勉強をしたくなったというスイッチが入った時のことについて十分に表現できていないし、周囲の人達が自分を応援してくれていることに関しては、自分がいかに回りを良い意味で巻き込める人間に変わったか (多分そういうことが起こったんだと思うのだけれど) ほとんど書けていない。唯一の描写は、土木の職場でもいじめられてついに一週間家に閉じ籠った時の回想。もしも自分が1年後に確実に死ぬとしたら自分は今何をするだろうか、 10年、30年だったら…、と言ったことを考えて真剣にノートに書き綴ったことを書いており、それがこの人の転機だったのだと僕は想像する。けれどそれが精細に描かれているわけでもないから、結局「特別な集中力が発揮されたから人生が変わった」というただの成功談にしかなっていない。
宮本さん個人は純粋に、自分もこんなだったけれど成功することも必ずできるんだという励ましを与えたい気持があったのではないのか。確かに実際教師として生徒と接する環境にあるなら、自分に起こった体験を必要な相手に必要なだけ伝えることができるだろう。それだけでもたぶんものすごく難しいとは思うけれど、少なくとも一対一で向き合うという責任を持てる。しかしこれをマスメディアにのせることは、全く別のことだ。これは絶対に励ましにならない。なぜなら会ったことのない世の中に自分よりすごい人の像を感じることは簡単にできるし、むしろそれに圧迫されて苦しむ人が多いのだから。宮本さんに会ったことのない人にとって、この本はその像を一つ増やす手伝いしかしないと思う。
著者を責めているのではなく、むしろこういう本が世に出ることを止めなかった編集者がおかしいと思う。自分が這い上がった経験を生かして他の人を救いたいという気持は多くの人に起こるものだと思う。それは悪いことではないが、難しいはずだ。編集者というのはプロなのだから、技術がない人に対して「あなたの言いたいこと、やりたいことは分かるが、このままの形ではこれを他人として読む人には伝わりませんよ。」と言うことこそが仕事なのではないか。それで出版を諦めるのではなく、そこを良くして行く作業が編集だと思う。
編集者の立場として美談として売りに出そうという魂胆だったなら、賛成は出来ないが理解はできる。しかしもし、編集者も純粋な目を輝かせてこの本を出版したというなら、むしろその方が怖い。