紙の本
特に 『Hanako』世代のみなさま、必見かも!
2009/08/25 10:04
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑誌『Hanako』の発売日が楽しみでしかたのない頃があった。
仕事帰りに、本屋さんで立ち読みする。
行動力もあり、購買力もある若い女性のための雑誌とでも言おうか。
たまに神戸特集や自由が丘特集などを、いつか行くことを夢見て買ったものだ。実際に働いていたころ、同期の女の子と一緒に東京研修に行った時、自由が丘特集のマップを切り抜いて持参した。
つかの間の自由時間に、二人して自由が丘へ勇んで乗り込んだものだ。
あの切り取りマップ、今も実家のどこかにあるかもしれない…。
さて、こちらはその雑誌『Hanako』の連載エッセイが一冊にまとめられたもの。のっけから著者である平安寿子さんの自己紹介が始まった。
「わたしは1953年生まれ。50代も半ばを過ぎて堂々の『おばさん』である。おばさん後期と言ってもいい。」
おお、平さんは私より10歳上なのですね。
とたんに親近感が湧いてきます。^^
彼女の言葉をそのまま書き抜けば「昔若かったわたしから、今若いあなたへのおしゃべりメールである。説教も入る。おばさんミーハー心のおひろめもある。自作の解説もやったりする。ある意味、相当かたよっている」エッセイなのだ。
これが実に読んで爽快、すこぶる面白い。
私なぞ、いつの間にか気分は「Hanako世代」逆戻り、なんだかランチタイムの後の時間に読んでいる気分となりました。単純。
びしばし説教トークが続くが、これがたまらなくいい。目が覚める。はっと気付かされる。そうか~とメモをしたくなる。そんな感じです。
「ゲイの友人がいつも言っている。
人間性って隠しようもなく顔に出るものだから、人間はみかけなんだよ。
そうだ。心映えは顔に出る。」
「人生とは、気の合う人と出会うための旅でもある。
そして、気の合う人はそう多くはない。多くないからいいんですよ。
友達がたくさんいるという人と、わたしは付き合いたくない。ちょっとでいいです。」
確かに、そうです。
それになんだか平さんの筆にかかると、すごく説得力があります。
もちろん、彼女は理想的な年の重ね方のアドバイスにもページを大幅に割いています。「古くても貫禄、あるいは風格がある。
それが、素敵なばあさんになる秘訣だ」と説き、ずばり、イギリスのばあさんを目指せ!と。詳しくは本書を読んでもらうとしても、彼女の唯一のリフレッシュ対策が海外の劇場でバレエやミュージカルを見ることと聞けば、おのずと納得できるというもの。ことイギリスにはお手本となるような素敵な女性が多いようですぞ。
しかし、まぁ、私が一番に一生懸命読んだところと言えば、最終章の「頑張れ、わたし」のページでしょう。
☆来るぞ来るぞ。更年期が来るぞ、
☆マイナス記憶の不思議、
☆二十年、待って
☆ガールズトークはいつまでも、
ここいらあたりは、私のために?と思わせる話題ばかりで、読みながらもほくほく。
最近の『Hanako』は手に取ったことがないので、まさに本の神様が読ませてくれたとしか思えませんとも!
で、次に読む本が決まりました。
平さんの更年期小説『あなたがパラダイス』そして、超オススメの翻訳エッセイ『47歳の私に起こったこと』。来年めでたく(!?)47歳を迎える私にとっては、こちらも本の神様が教えてくれた一冊、と言えるでしょうねぇ。くふ。
もちろん、図書館でネット予約済み。予約の棚でこの二冊が私を待っていることでしょう。ああ、この『幸せになっちゃ、おしまい』も図書館でタイトル借りした一冊、です。
最後に、ひとこと。
本著は特に「Hanako世代」には必見!思われます、念のため。
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結構辛口トークである。
平さんの作品も甘口ではないけれど、作品が登場人物や背景に穏やかに語らせているとすると、このエッセイでは直球勝負。
年をとるのも悪くない、気付けばいい事もある。
いろいろ経験したからこそ、言えることもあるんだろうな。
イ・ユンギ監督とジョン・ノンマイヤー率いるハンブルク・バレエ団が気になりました。
「二十年、待って」では新人賞の候補になってから実際に新人賞を取るまでにかかった20年のことが書かれている。
”ショートカットできないものにこそ、本当の価値があるのだ。”
実体験に基づく言葉は説得力がありました。
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同級生のエッセー集。堂々たる「おばさん世代」なのでうなずける部分が多い。出版された彼女の本はたいてい読んでいるので、自著の解説も多く、興味深かった。
それから雑誌で読んで、読みたかった更年期の本の正しいタイトルが『47歳の私に起こったこと』(ゲイル・サンド)だとわかった。
彼女は、2005年にマシュー・ボーンの「白鳥の湖」公演を観て以来、バレーに嵌っているそうだ。特に眠れる森の美女、シンデレラや人魚姫などの演目がノイマイヤーの新解釈で発表されているのをハンブルグまで観に行っている。次はバレー小説を書くかも……。
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『Hanako』連載エッセイ。タイトルからして、もう少し人生論的な内容かと思ってました。図書館予約数は22(09/05/31現在)です。
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タイラアスコのこの本が出たのは年明けにチェックしていたが、だいぶリクエストがついていたので、ほとんど忘れていて(図書館の予約リストには10冊しかキープできないので、待ちが1桁というより2~3人になるまでは予約しない習慣)、こないだ『さよならの扉』といっしょに、そろそろいけそうと予約していた。
小説やったっけと勘違いしていたら、これは雑誌『Hanako』に連載されたエッセイであった。堂々たる「おばさん」タイラアスコの説教や昔ばなしや自作解説も入るというやつ。
なってみると、おばさんはいいよ。楽です。 (p.10)
あなたが今、欲しくてたまらないものは、おばさんになったら手に入ります。それまで、待たなくちゃいけません。おばさんになるまで、なにかと大変ねえ。気の毒に。でも、大丈夫。誰でもあっという間に、おばさんになれるから。 (p.12)
幸せになっちゃ、おしまいよ。
ということを、若いあなたはわからない。おばさんの私は知っている。ていうか、そう思っている。(p.15)
人生とは、気の合う人と出合うための旅でもある。そして、気の合う人はそう多くない。多くないから、いいんですよ。…
ちょっとでいいです。
気の合う人は、こんにちは。 (p.15)
私はこの一つめを読んで、うひひひひと笑ってしまった。しまいまでいくと「そうじゃない人、さよなら」なのだ。うひひひひ
はーい、アスコおばさん、こんにちは!
アスコおばさんがはまっているバレエ(踊るほう)の話がおもしろかった。ジョン・ノイマイヤーによる新解釈のバレエ、たとえば「玉の輿に乗らないシンデレラ」とか「王子さまのいない眠れる森の美女」とか。私はバレエを見たことがない。でもちょっと見てみたくなった。
アスコ節は絶好調。
どうです。面白いでしょう?
二十年、待ちなさい。
そういう押しつけがましさと説教くささもあるし、おばさんは若いあなたたちの気持ちがよーくわかるという雰囲気もむんむんするし、合わない人はさよならであろう。
しかし、おばさん・タイラアスコも昔は若かった。
そうだ。わたしも若い頃、おばさんには、わたしの気持ちはわからないと思っていた。そして、たまに意見されて「あなたもいつか、わかる日が来る」なんて言われようものなら、「ケッ、くそばばあが」と心の中で毒づいたものだった。(p.193)
おばさんに「あなたにはわからないだろうけど、わたしはわかっているのよ」と上から目線で何か言われると、我慢ならなかった。
そうだ。そうだったよね。それが若いということだった。(p.194)
「三十代怖い病」まっただ中だった時のアスコは、アルバイトで貯めた金を三カ月のパリ滞在に注ぎ込みもした。それが「パリに行けば何かがみつかると思い込んでいたところが、アホである」と言えるおばさんになった。
その若き日のアスコinパリを書いた『セ・シ・ボン』や、「三十代怖い病」の主人公を書いた『センチメンタル・サバイバル』やら『風に顔をあげて』、あるいは更年期小説『あなたがパラ���イス』などをずっと読んできているせいか、私には説教おばさんアスコはなかなか面白かった。
いや、私もおばちゃんになってるからか(介護保険も払ってるしな)。
いろいろと自作解説、作品を書くまでの話もあって、"心の弟"イ・ユンギが映画化したという『素晴らしい一日』や、私がタイラアスコにはまる入口になった『グッドラックららばい』など、小説をまた読みたいな~と思ったのであった。
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たしかにわたしたちはおとぎ話の世界に生きているわけではない 王子さまと結ばれてめでたしめでたしじゃないんだよね それからは 毎日の生活がある うんざりする平凡さがある でもそれが私たちの人生なのだから それを飲みこんで 生きていかなくてはいけないのだね
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平安寿子のエッセイ。
はっきりとモノをいう人だ。
平安寿子はデビューから一貫して、「食べるために働いているのであり、ごく当たり前の責任感のために仕事をしている女性を描いている。」
らしい。
だからかー、共感度高いのはー、と、納得。
マシュー・ボーンの舞台が見たくなった。
でも、バレエって高いんだろうなー・・・
「気の合う人は、こんにちは。
そうじゃない人、
さようなら。」
いいね!
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軽快でズバズバいう語り口が気持ちいい!
年をとるのも悪くない、どうせおばさんになるのだったらステキなおばさんになってやろう。
などなど読んでいて前向きな気持ちになれる本でした
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2〜3回口きいたり挨拶したりするようになると「お友だち」とか言われちゃって、ええ?!アナタと友だちだったあ?!いつなったあ?!とひとり驚くことが多く、
みんな仲良く〜とか、お友だちがたくさんいて〜とか、どうしていいオトナがみんな嘘ばっかこくんだろう、と常々思ってきたので、
「友だちはちょっとでいい」「ちょっとだからいい」なんて言われると安心する。ああ、マトモなこと言ってくれる人もいる、と、胸をなで下ろします、平さん。
平さん、アン・タイラーが好きだと聞いて納得。なるほどね。
(アン・タイラー、近頃めっきり、本界の表舞台に出てこないですね、好きだったのに)
意外と(作品の文体の割に、という意味です)年齢高くてなんか信頼、なんか安心。
もしかして勇気。
ああ、そういえば。
最近、意外なところでアン・タイラーの名前を目にしました。
それは! 沢木耕太郎「旅する力」です。(10p1行目登場。)
さらにそういえば、そこに登場するアン・タイラー「夢見た旅」の単行本解説は片岡義男なのでしたなあ。
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平さんの今と、過去を振り返ったエッセイです。25歳の女に50歳の女はわからないけど、逆はオッケー。なぜかなら通ってきた道だから・・。うん、そうだよね、とここで強く頷きました。時代の持つ価値観というのはあるだろうけど、私自身、25歳だった時のことは恥ずかしさと共にありありと覚えています。反面、加齢とともに出てきた老眼とか更年期障害とか、は、若いころなんて冗談でしょ?私だけはならないんじゃないの、とさえ思っていたんだった・・。だって近くが見えない、なんてジョークとしか思えない。でも、いざ自分が老眼になってみると不自由ながらも、なるほどね、とちょっと面白かったり。平さんは、新人賞をとってからまだ10年ほど、と思っていたので若い方かと思っていたのですが、私より5歳も年上ということが判明し、(#^.^#) なぜか嬉しかったんですよね。「あなたがパラダイス」でいやにジュリーに詳しいと思ったら、まさにタイガース世代でらしたんですね!!(#^.^#)未婚の女性のすったもんだ、を得意とされている平らさんですけど、今後は「おばさん」を書くことに力を入れていく、とありました。なぜなら、おばさんは面白いから。確かに、右へ倣え、のしがらみがなくなってくる分、おばさんは楽に生きれるし、個人差もかなり出てきそう。正直、結婚も仕事もなんか中途半端で行き詰まるヒロインの話は少々痛すぎて、別の分野が読みたいなぁ、と思っていたので歓迎です! また面白いお話を読ませてくださいね。
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大好きな平安寿子さんのエッセイ集、アンアン連載ということで若い女性向けに書かれています。若いときの自分の悩みに押しつぶされそうになったことがありありと思い出されつつも、年を重ねていくこともきっと悪くない。楽しみが広がると勇気づけられます。これからも「おばさん小説」楽しみにしています。楽しめる、納得する人間関係をたくさん読ませてください。
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現状に甘んじると終わっちゃう・・みたいなことを「幸せになっちゃ、おしまい」と表現するのもよくわかる。気分がいい辛口のエッセイ。
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再読
914.6
フランスに三ヶ月の留学、遅咲きの小説家デビューをした著者。韓国で二篇が映画化されたいきさつなども
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中々ファンキーでした楽しかった
頑張れって言葉嫌な時もあったけど今は好きかな純粋に応援されてるって思ってる