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この国におわしましたあまたの神々たちは、今何処に…いや、緑深き山々には、もしかすると今でもひっそりと神が住んでおられるのかも知れない、心の穢れた私たちには見えないだけで。ふと、そんな気持ちになってしまう。
仁木さんの描く古の物語は、登場人物たちが目の前で壮大なる冒険を繰り広げているような、そんな臨場感があふれている。
乙巳の変、大化の改新。学校ではほんの数行で済まされる出来事の裏にあるヒトとヒトならざる者たちの熱い戦い、そして調和。彼らの目指したものと、現在の政に携わる者たちの目指すものと、何が違う、どこが違う…読み終わった後、深い緑の息を吐いた。
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大化の改新後の、中央政権推進、経済の発展と、それにこうするモノ達の闘い。
ツールは、ジャパニーズファンタジー。妖と、呪法。
そこを除けば、どうってことも無い話にしか思えない。
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大化の改新後の中大兄皇子ら政を行うものと、山の神を守る小角(おづぬ)、広足(ひろたり)を描いたファンタジー。
読みやすかったけど盛り上がりに欠ける感じかな。
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たとえば、山の中での唐菓子は油の調達と直火での揚げ油温度調整だけでも相当大変だろうけれど、そういう細部は見ないで楽しめばいいのだろうな。全体としては愉しいが、この時代ならではのもののあり方が見えるともっと入り込めるか。
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誰にも感情移入できない感じの話だったな~。誰の心情もよく書けてないっていうか。
最初から最後まで主人公無双なんだけど、無双してもいいと思わせるほど主人公に魅力がない。魅力を感じられるぐらいに描き込まれてない。
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大化の改新から、大化5年頃の、神や鬼が当たり前にいた時代の物語。
蘇我に滅ぼされた物部の姫・広足は、験者である賀茂の長・大蔵に弟子入りするが、いつまでも飯炊きしかさせてもらえない。あるきっかけから、賀茂の一族でありながら独立した立場の役小角に仕えることになるのだが、そこでもまた飯炊きの日々。
一方、朝廷では中大兄皇子と中臣鎌足が新しい日本を作るために奔走する。律令を制定し大道を整備し、山を切り開く。
山では「神喰い」と呼ばれる現象で神が消え、里では鬼が「人喰い」となり出没しはじめる。
同じ頃、大海人皇子と中大兄の娘・讃良姫は小角に招かれ、山へ入る。
どの視点のパートでも、中心になる人物の心情などがあまり書き込まれていないせいか、文体が読みにくかったわけではないのに、読了に時間がかかった。
視点をもっと広足・小角に絞ってもよかったのではないかなと思う。
役小角といえば山田ミネコさんの漫画を思い出す程度の知識しかないので、もうちょっと小角が凄い人エピソードが知りたかった。
中大兄・鎌足は元々好きなのだけど、鎌足はイメージ通りで満足(笑)。
大海人の従者の蹴早が狼人であったり、小角の眷属の童子の姿をしたコンガラとセイタカの可愛らしいしゃべり方や広足の作るご飯が実はなにかの力を秘めたものであること、山の民や山の神たち・鬼など、人物や設定は魅力的。
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この作家さんの僕僕先生以外の話は
あまり好みでないのですが、
大好きな時代の話なので読みました。
が、ファンタジーかぁ…。苦手。
普通の歴史小説がよかったなぁ。
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大化の改新以後の大和朝廷を舞台に、鎌足の陰謀と賀茂の行者小角の戦いあるいは和解を、滅ぼされた物部の姫広足の視点で描く、もう一つの歴史。
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大化の改新の時代、土蜘蛛と朝廷の対立を役小角に使える少女の視点で描く。
広足(主人公)に感情移入しにくく、物部の姫であるという良い設定が生かされたくだりをもう少し見たかった。
うーん。せめて広足だけでも内面の掘り下げが欲しい。もしくは、ストーリーもさらっとまとめてるので、そちらの深みが欲しい。
全体的に物足りなく思ったが、嫌いではないです。
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久しぶりの仁木英之。最近すごいペースで刊行してるなあ。前作読破はちと辛いけど、これは単発だし、手に取る気になった。
仁木英之らしい、神様と人間と妖とがいっしょくたにいる世界。今回の舞台は大化の改新前後の日本で、神饌をつくる才能をもつ物部の姫が主人公。本人は仙術を学びたいんだけど、師になりそうな人々からは「おまえはご飯作ってればいいの!それが才能なの!」と言われて不服気。王弁くんよりは使えるけどな…。
相変わらず、あらすじや導入は面白いけど、結末が若干尻切れトンボ。僕僕みたいに続くんならまだわかるけどな。読後感はよかったです。
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大化の改新あたりのお話
妖や鬼、神がいる世界
なにかを畏怖し敬うこと
日本人が持っていた大切な心はどこへいっちゃったんだろう
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歴史小説としては全然ダメ(ヒロインの名前が男性名って…)だが、ストーリーはまあまあおもしろいので途中で読むのをやめずに済んだ
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よく言えば軽く読めるし、悪く言えば話もキャラも薄い。僕僕先生読んだ時も同じことを思ったので、まあそういう作家さんなんだろうなってことで。ただ終盤でぽろっとこぼされる中臣鎌足の中大兄皇子に対する感情は最高の一言に尽きる。中大兄皇子目当てで読んだのでその意味では文句はありません。
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大化の改新直後が舞台のファンタジー。
陰陽師的な人物である賀茂大倉(かものおおくら)や賀茂役小角(かものえんのおづぬ)達と、その飯炊きとして仕えることになった広足(物部の姫、女性なのにどうも男性のような名前でイメージがわきにくい)の活躍により、人食い鬼の正体が暴かれ、野山と町に平安が取り戻されるお話。
ノンフィクションの直後に読むと世界観があまりに違いすぎてはじめはクラクラしたが、このお話の世界に馴染んでくるとなかなかおもしろい。
自然と人間活動との融和はいにしえからの永遠のテーマなのだな。
コンガラとセイタカ()の掛け合い言葉、
「かぜはやふるし」「かぜふるこみち」
「ろうにんいにしえ」「えにしとこしえ!」などなど、かわいらしい。
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大化の改新後の朝廷の天下統一をめぐるヒトの神と妖ーマチと山の話。おもしろく読んだが、一人一人の登場人物の心情、振る舞いへの書き込みが足りないなあ、という印象。そのせいで、共感や感情移入がなかなかできない。登場人物のキャラも十分立ってない。主人公の広足の成長を書き込まずに行動の中でさりげに読み取ってほしいのかなあ、とは思ったけれど、うるさいほど書き込んでほしい私にはイマイチ。歴史ファンタジーなら萩原規子さんの方が私向きかな。
神饌が自然に作れる広足の料理力はほしいと思った。充分な才能ではありませんか!でも、お料理描写も足りない。上橋菜穂子さんのファンタジーに出てくる料理の方が想像しやすく美味しそう。
天武天皇となる大海人皇子の素直さは、なんかよかった。でも、この二人の皇子となると、どうしても思い出すのが、額田王なので、この二人の年齢差がとてもあるように、この作品は感じられるので気になった。鸕野讃良皇女と大海人皇子も仲がよかったんだ、でもこの頃から尻に敷かれそう、と感じられるこの作品での二人のかかわり方はほほえましかった。2017.3.31読了。